山と僕とカメラ

登山初心者のバタバタ日記

久しぶりの登山は比良山系蓬莱山でヤマメシ。(後編)

小女郎ケ池は寄り道なので、引き返し、蓬莱山の頂に向かいます。

なだらかな尾根を何回か越えていきます。

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行く先は霧に包まれて、なんとも言えません。

この先に本当にパラダイスはあるのでしょうか。。。

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下界はたまに、ちらっと見えます。

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最後の尾根を登ります。

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これはこれで、神秘的でいいような気がして来ました。

どうあれ、その日その時の景色はもう2度と見れません。目に焼き付けておきましょう。

冬はこんな感じです。

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一面雪に包まれて気持ちいいです。

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また、冬になれば登りに来たいですね。

てくてく登って行くと、とううとう到着です。

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なんでしょう、この先ほどまでとは全く異なる文明の差。

圧倒的です。

9割以上はロープウェイできたお客さんで、ピクニックや遊具で楽しんでおられます。

夏季のゲレンデがこんなに賑やかなのはとてもいいことですね。

そんなこんなで

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あとはご飯です。

ご飯は先日書きましたパスタです。

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早茹で煮汁なしは、本当にお手軽なので、おうちでもたまーにします。

左に立てかけてるのは本当はテーブルなのですが、風が強いので風防にしちゃいました。隙間空いてるけど。気持ちが大切。

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コーヒーもいただけます。

涼しいとあったかいものがいいですね。ほっこりします。

風に吹っ飛ばされないように注意です。

 

腹ごなしをおえて、下山です。

途中、なんともいえないレジャーを楽しんでらっしゃるお方々が見えました。

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すごいですねー。こんどやりたい。

 

下山口はこちらです。

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冬はここがなかなか見つけれなくて苦労しました。

ロープウェイを仰ぎ見ながら、ただひたすらに1000メートルほどおります。

もう、ひたすらに、延々とおります。

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途中、大きな杉の木があります。

こういうの、結構ありますよね。きっと昔から大切にされてきたのだと思います。

 

ヘトヘトになりながら、志賀駅について、電車に乗って大阪に戻って

そして

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ここまでが登山です。ごちそうさまでした!!!!

 

 

 

THE BACKPACK#001

 カメラザックにお悩みの人にオススメのザックです。

以前、ちらっと紹介したかもしれませんが、イモトさんが南極に行くときに使っていたザックです。

THE BACKPACK#001

t3ec.net

フロント部が、二重構造、かつ背中の部分からファスナーで内部にアクセスできるので、通常のカメラザックのように使え、そのうえ、三脚やスタンド、アンブレラ等長ものも1つにまとめれるので長もののバッグは必要なくなります。

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 容量は40リットルと60リットルがラインナップされてますが、私は60リットルを選択しました。三脚等を考えたときに大きい方が上に突き出ることがないと判断したのが1つ。モノブロックや400mm等を十分いれれるパッケージが欲しかったのが理由の1つです。

 

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フロントのファスナーを引っ張ると大きなポケットが広がっていて、そこに三脚やスタンドを収納できます。これらは内部のベルトで固定できますので、揺れれことはありません。外側にむき出しにすると、怪我をさせてしまう事故にも繋がりますので、全体をカバーするのは、とてもいいと思います。

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 背中の部分に内部にアクセスできるジッパーがついています。

背面には硬いパッドがついていて、PC等が収納できます。

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背面ジッパーを開けると防水カバー付きで内部が現れます。これは嬉しい設計です。

内部に簡単アクセスは、仕事がはかどります。

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内部は特に仕切りとかはありません。別売りのクッションケースで収納しています。

プロジェクトによって、構造が変更できるので、この仕組みで良いと思います。

1つの荷物にまとめれるので、正直重いと感じると思いますが、両手が開くので、撮影しながら全ての機材を背負って移動できるというのは、とてもスマートで良いかなと思っております。

容量はふんだんにありますので、この倍はまだ入るだろうと考えてます。

カメラメインの登山にも良いでしょう。もちろん登山のみの場合でも!!!

 

 

サボった人の登山での体力トレーニングと、下りの姿勢矯正

今回の蓬莱山登山の番外編。

 

やはり週一でどこかの山に登らないと、私の場合、体力が維持できてないなと思うのです。

毎日ジョギングをしていた頃ならまだそんな事はないのだろうと思いますが、なかなか。

というわけで今回は、2週間ぶりに登山となりました。

蓬莱山の縦走の中で、今回は荷物は軽量で、高低差も少ないので、途中の権現山まで高低差600メートル、かかとをつけずにつま先だけで歩いて登頂を目指しました。

日頃からつま先だけでなるべく歩いているので、なんとなくいけるかなと思ってチャレンジです。休憩中はかかとをつけていい事にしました。

以外と「もうダメだ」という事もなく、なんとか山頂まで上がれました。

これはおススメです。斜度が倍くらいの感覚になれるので、緩い坂でも結構な斜面に使う体力を消費できます。これで、なんとなく頑張った気分になれます。実際のはどうかわかりませんが、スネ外部分とシシャモ部分がパンパンになってくれます。

ただし、危険と思われる場所ではきちんとした歩行を心がけましょう。

日頃街中で歩くときも、例えば「駅まで」とか、「家まで」とか決めてつま先で歩くと精神的にいいかもしれません。エレベータを使わず、上りの階段では一段飛びで、かつつま先だけステップにのせて歩くと良いでしょう。知らんけど。

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私は登りは良いのですが、下りは足首の捻挫が怖くてとても遅いです。姿勢もきっと後ろ荷重になってます。

で、今回気がついたのです。下りでの姿勢の矯正方法を。

私はきっと前かがみ、かつ後ろ荷重なのです、きっと。

なのでまず、体全体を弓のように張ります。ちょうど芸人の春日さんのように胸を突き出さ感じです。

次に登りと同じように、ややかかとをあげます。実際にはついていて全く問題ないです。あくまで、かかとをあげ、重心をいつもより前にもっていくためです。

これで下でのバランスが真下に向かいます。

これで試しに階段を降りてみてください。きっとスタスタと降りれると思います。

今までは、片足片足に全体重が交互にのっていましたが、この姿勢で今回降りた事で、膝やかかとの関節に負荷がかかりにくく感じました。

医学的根拠はありませんが、下りに不安がある、のしのし、どしどし降りてしまう人、お試しください。イメージは、階段をすすすーっておりる人の衝撃動画のような感じです。

きっと、普段の姿勢も良くなるかもしれません。

では、今回は小ネタでした。

では、本編後半をお楽しみに、安全な登山を。

 

久しぶりの登山は比良山系蓬莱山でヤマメシ。(前編)

蓬莱山へ、レッツゴー!

ジャンイチです。

最近、山に行けてなかったので、なまった体を起こすために蓬莱山へ行きました。

 

蓬莱山、比良山系の南端にある1173.94mの山

稜線歩きに適した地形で、権現山、ホッケ山、そして蓬莱山、最後に打見山と、小高い丘を越えていくルート。

大原の奥、平バス停から上がり、いったん権現山のピークに出ると、稜線を北に。

東に琵琶湖を望みながら、スタスタと歩いていける登山道は、アクセスも良くとても人気です。

打見山は、スキー場になっていて違和感を感じながら通過する。そこから琵琶湖側の谷を下って志賀駅に向かいます。

 

というわけで、人生2回目の蓬莱山縦走。前回は冬だったので、景色やルートの違いを楽しみながらの登山となりました。

 

前回はJR和邇駅(わにえき)からタクシーで登山口近くまで行っていただきました。今回は、裏の平バス停(だいらばすてい)からの出発です。なんでその前にないのに濁点がつくんでしょうね?僕は比良山だから「ひら」かなと思ってました。斜め下の見当違いでした。

 

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天気はよく、涼しくもあり絶好の登山日和です。「絶好の登山日和」ってなんなんでしょうね。青空快晴無風って事ですかね。そんな日に、絶対雲海見れませんね。

しばらく登山口まで車道脇の歩道を歩いていきます。車は、なかなかの走り屋ロードなのか、皆さんすごいスピードでコーナーを回っていきます。軽トラも。田舎の道って、ホームの人はスピード速いですよね。通過のためのアウェイな車はゆっくり走ってます。あれ、田舎の人が気忙しい訳ではなくて、「こんな田舎道、誰も向こうから通らん」という気待ちがあるような気がします。私の実家の島でも、大いに車線をふんだんに使ってアウトインアウトで皆、コーナリングしていきます。

 

そんなモナコな道を500メートルほどいくと、チェーンで結界を張った登山口に到着です。

 

ここからウッドジョブの車が通れる緩やかな道を進みます。ちょうど飽きる頃に、「さあ、おいでなさい。」と心の声がする沢に到着です。

 

パートナーとともにいざ、琵琶湖を見に登ります。高低差は約600メートル。なだらかな雑木林のつづら道をひたすら歩く例のパターンです。最近発明した新しい歩き方でいったん権現山を目指します。

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今回は気候もよく、食事もコンパクトにしているので、ザックはpaagoworksの28リットル

 

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中身は

ハイドレーションパックに水2リットル

レインジャケット

ゲーター

ガス調理器具

食材

携帯用ドリンク、フード

その他小物と、軽量です。

こんなミニマムな荷物で上がれるなんで、なんて幸せなんでしょう。でも、雪山の方が好き。

 

それにしてもこの雑木林のつづら道はほんとに、どこもそうなのだが、古来日本を支えてきた大切な林なのだが、なかなか気分が乗らない。はやく上の方に上がりたい。そんな事を毎回思うのは私のだけだろうか、無口無表情、無味無臭でひたすら登る。

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そして、何度かの「もうすぐかも」の妄想を経て、とうとう稜線に出る。と、もうそこが山頂であった。そして、見事な琵琶湖。

が、

見えない。そう、登るにつれて次第に霧が濃くなって山頂付近ではすっかり霧に包まれてしまっていた。

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残念無念。

本来、晴れてたらならこんな感じだ。

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心の目、心眼でドライブする那智さんのようにあるであろう琵琶湖をまぶたの中で望みながら、微笑む。そう、私の目にはこう見えている。

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さあ、次へ行こう。もう、登りはないし、雑木林もない。快適な霧の散歩道が待つだけである。

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ここからは延々と北に歩く。しばらくは高さ2メートルくらいの木々の間を縫うように稜線を北に。

東の琵琶湖側は切り立っていて崖になっている。

そのギリギリを歩く事もある。ギリギリとは言いすぎた。

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冬の時はここは雪庇といって、反対側から吹く風で大きくはみ出してまるで波が固まったかのように雪でおおわれている状態になる。さすがに、このルートは足跡はついておらず、もっと西側を歩いて渡った。こういった雪庇を踏み抜いて滑落したりする事故が多い。気をつけましょう。下の写真の右側だ。

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穏やかなアップダウンを繰り返し、ていくうちに、温度が下がって来た。やはり山の天気はわからない。権現山に着く前に上着を着て上がって良かった。私は山頂にいたる稜線に出る時は念のため、一枚着ることにしている。おもいのほか寒く風が強い場合、風に負けて服を着るのも大変な事になる。

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しばらくしたらホッケ山に着いた。

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ここだけは木々もなく、荒涼としていて なにか好きだ。物寂しさが男前だ。しかしさらに風が強い。冬も強かった。きっと風の通り道になっているのだろう。風の谷の姫さまなら、その風が見えたかもしれない。皆さんにも登ってもらいたいので、晴れた景色もどうぞ。

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その山を下りて着きたるは、十字の峠。左に曲がりしは青き湖への道、とババ様が言ったとか言わなかったとか。

というわけで、どう読むかまた難読系の「小女郎ケ池」に寄り道。

冬場は、真っ白な何にも無い平地だったのだが、実は池だった。なるほどなるほど。

たしかに神秘的な池が広がっている。解説によると比良山で一番高い湿地だとか。

雪解けや雨水が溜まってできているのだろう。

一応写真を撮っておく。

パシャ。

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ではみなさん、良い1日を。

(続く)

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

六甲山、表から登るか裏から登るか(完結編)

脇にそれた細い道を行く。そして、谷の底に降りて行く。その間に、おんじといろんな話をした。

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おんじは働いていた頃は淀屋橋に会社があり、意外と私と近くにいたこと。

世の中、多くの見知らぬ他人に満ち溢れているが、その中には、今回のように、明日、明後日、いや一年後かもしれないが、仲良くなるであろう他人も混じっているのだと思うと、日頃から他人に親切にしておいた方が、記憶の良すぎる人と知り合いになった時に、何かと不都合がないんじゃなかろうか、と思ってしまった。

久々に山登りのものを買いに行ったら、いろんなものが新しく、軽くなっていてびっくりしたこと。

私は一年未満なので、そのことに全く気がつかない。でも、日進月歩で技術開発されている世の中だ。ザックも一回りコンパクトなサイズでテント泊できるようになったらしい。ということは、安全な範囲において、体力の少ない人達が山で楽しむ確率が上がったということで、大変喜ばしい。あとは、水がもうちょっと軽くなってくれる革命的技術開発を待ち望む。1リットル500グラムでお願いしたい。ノーベル賞も捧げよう。

 

次の滝まではすぐだった。その滝は百間滝という。

先ほどの七曲滝ほどの大きさはないが、なかなかの迫力である。人間悲しいもので、どんな素晴らしい光景も多少にかかわらず「慣れ」てしまうところがある。がしかし、おんじや、他の人が

「おお、今年はすごい」

と口々におっしゃるので、そうか、よし、目に焼き付けよう。となった。

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しかし、これら大きな滝が凍るほどの寒さ、いかほどであろう。今では世界中の絶景を、誰もが間接的に見ることができる。しかし昔の人は実際に自分の目で、現場に来てでないと決して見れなかったのだから、こういった景色はまさに神秘的であったであろう。神や御仏になぞるのも無理はない。本当に美しい。自然のなせる技にしては、「美」に寄りすぎているのだ。

 

「よし、最後の滝もすぐそこだからね」

「はい!心得て降ります!」

と、我らが探検隊は目指す最後の秘境に進んで行くのである。

本当にすぐだった。似位滝という。なんとも不思議な名前である。

きっと何かに似てる滝なのであろうか、七曲滝に似てなくもないか。いや、どうだろう。

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「おお、これもすごいっすねー」

「ほんとに、氷瀑っていいよね、冬はこれに限る」

 

山登りの楽しみが1つ増えた。今までは頂上に行くのが登山と思っていたが、こういった滝をめぐる登山もあるんだな。沢登りや、クライミングもたしかに頂上を攻めるというわけではない場合もある。山は自由に楽しめばいいのだ。たしかに、山や、池のほとりでテント型のサウナをこしらえて屋外サウナを楽しむ人たちを私は知っている。あれあれは本当に気持ち良さそうだ。

 

最後の氷瀑を見終わった。帰途につく。

「ここをね、川沿いに行くと、最初の地点に戻れるんだよ。すこし険しいけど、そっちにする?」

「はい!そうしましょう!」

今回、おんじには一切「ノー」は言わないと決めていたし、彼の助けになるなら頑張ろうと思っていた。

で、私たちは谷を降りる。

しばらく行くと、なんでしょうか、このせりたった険しい崖に挟まれた隙間。

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ゴルジュというらしい。両岸を切り立った岩壁で狭められた場所をまさにそう呼ぶのだとか。かっこええ。13番目のゴルジュとかあったら、ネーミングに苦慮しそうだ。

しかし、大都会から少し来ただけで、こんな絶景が佇んでいるとか、不思議だ。特に六甲山ならではのことなのだろうか。有馬温泉から頑張ったら一時間かからず来れそうだ。それでこれら絶景群。近々海外観光客で溢れそうだ。事故のないようにしてもらいたい。

そして、いつの間にか、狭い崖肌を進んでいた。怖かったというより、楽しかった。

昔だれもがやったジャングルジムや、石垣登り、木登りのワクワク感だ。

六甲山にはクライミングできる場所も数多くある。あの人たちもこういったワクワク感から始めたのだろうか。

一歩一歩、ここは本当に慎重に歩んだ。ここで事故してしまったらあの親切なおんじに本当に申し訳ない。ご安心ください、私は落ちません。

おんじが写真を撮ってくれた。見事に「どこかの名峰を攻めている私」の写真となった。弟子入りさせてください。

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二人とも難所をクリアし、さらに沢を下る。

しばらくすると、広いエリアに出た。この広いエリアのような場所が、何度かある。最初は、何にも考えていなかったが、あることに気がついた。

これは人工的は平地なのだ。

木々が生い茂っているが、確実にここは人が作った場所なのだ。こんななんの意味もない平地ができた訳は、その先にある。

堰堤である。「えんてい」と読む。いわゆる土砂崩れ防止のダムである。

六甲山はこの堰堤がとても多い。おそらく、ハゲ山化した時に災害がふえたときからの設備だろう。この堰堤の上にまさに土砂がたまって平地になったのだ。だからほんとはここは、切り立った渓谷なのである。本来は。タモさんがいたら即答であろう。

貴重な渓谷をこんな平凡な平地にしてしまう寂しさ、以上にやはり、この土砂が麓の町を襲うことを防止したという証拠の上に立っている。なんとも言えない感覚だ。なんにもいえねー。堰堤、半端ないって。

そして、ついに来た。地獄の上り坂「炭屋道」である。

「おお、来ましたね、、この日が」

「はあ、やだねえ、まったく。」

全てを諦めた私たちは、登る。延々と登る。

途中、なんどか「お、もうすぐっすね!」と間違った発言をしてしまい、おんじに迷惑をかけた。

この部分はほんとに記憶にない。人間ってすごい。

なんとかかんとか、坂を登りきる。

そこにはベンチがある。わかってるなあ。

「お疲れさんでした!」

「いやー、これは本当にきつい」

ひとりなら、気分的にもっと疲れてたであろう私たち。ペアを組んでもらってよかった。もうすぐだ、とか、まだまだ、とかが最初からわかると、ペース配分に本当に役立つ。

がっつり休憩を取ったのち、ただ降りる道をただ降りる。延々と。それはまるで、コンビニでバイトを8時間働いて、そこで10000円分の買い物をして帰るぐらい、悲しさに溢れている。いや、そうではない、これはきっと次の登山のための筋肉と心臓のためになっているのだ、なんてこの頃は考えるわけもなく、仮に下のみちが開通していたらどんなに楽だろうと思いながら下る心の狭い、心がゴルジュな私なのであった。

そして、とうとう、車道に降りた。

「ついた!!!」

「おつかれさま、ありがとう」

「こちらこそありがとうございます!本当にすごかったですね、案内ありがとうございます!ゴルジュすごかったっす!」

「うん、また行こうね」

「はい!」

と、憧れの先輩にまた映画を誘われたかのような乙女なわたしであった。

 

実話物語において、困るのが最後の締めである。

どんでん返しもなければ、きゅうにおんじが「私が殺したのだ」とかもないし、学園の校舎の窓際で休憩中の女子高生の妄想でもない。

というわけで、なんのオチもなく終わろうとしていた。

が、

「どこかでお茶でもしない?」

とおんじがまさかの乙女な発言をしてくれたから、これをオチとして、今回の物語は終わりである。

 

非常時を日常にすべき理由。

地震が発生し、3日。しかしまだ余震は続いて、不安は一向に収まらない。

 

いま、関西では、皆が自分の行動を慎重に選んでいる。仕事で打ち合わせの場所を選ぶ時に万が一地震がふたたび起こった場合、帰宅しやすい場所となるとどこか?とか、常に持っているべきものは何か、とか、誰かに自分の今日の居場所を知らせておく、とか、とりあえず現金をたくさん持っておく、とか、水を持っておくとか、歩きやすい靴を選ぶとか、である。

こういった事は実は、地震があろうがなかろうが、常に考えておくことが、必然であり、自然であるのだが、いつもはインフラや街全体の設備がそれらをカバーしてくれているので考えなくてよい、という気持ちで生活してしまっている。

どこでもきっと電車やタクシーはあるし、電車なくなれば、ホテルもある。風呂もある。カードとスマホさえあれば、最悪コンビニでなんとかなる、水もある。何かあったら、SNS等で知らせればよい、舗装された道は、オサレな靴がよく似合う。といったところか。

それほどインフラは私たちを日頃守ってくれていて、それに私たちは、当たり前に乗っかって、都会は便利だ。である。

これを当たり前と思わず、無いなら無いなりに創意工夫、恥をかき捨てて、準備、行動する事が大切なのではなかろうか。しかも事が起きる前から。

 

今喫茶店にいる。京都の。

サラリーマンたちがかれこれ30分くらい、地震の話をしている。今回の地震の話、そして阪神大震災の話。皆がいろんなエピソードを話しているのだが、全員、元気に笑顔で大変だったエピソードを、 話している。生き生きしている。

どこの飲み屋がうまいだとか、ゴルフがどーだとかの話のときより、よっぽど人間らしい。

かつては人間は一日一日を命からがら生きてきた。生きててラッキーなのだ。そのDNAが活性化しているのか。トマトも栄養が無い方が甘く育つ。

とりあえず、30キロくらいは歩けるかどうか、年に一度くらい、試してみてはどうだろう?

 

 

六甲山、表から登るか裏から登るか(後編)

今日のご飯はカップ麺だ。

チャカチャカと慣れない手つきでガスバーナーを出してお湯を作る。おんじは、あ、おんじもカップ麺だ。彼は魔法瓶のお湯を直接注いでいる。賢い。この時間ならお湯もまだ冷めないだろう。(前回)

 

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「では、いただきまーす」

声を合わせ、合掌!

この瞬間が一番危険だ。なにせ平らな机でもなんでもない場所にこの貴重な食料を置かないと、合掌できない。なんとも因果な仏システムだ。

やんごとなきを得たあと、あらためて箸をくるっと回し、その熱いカップから麺を挟みあげる。そしてその熱々の麺は、周りのひんやりとした空気の中を瞬間漂ったせいで、適温になり、口に入る。

「はぁー、、、、うまいわーーー。」

「おいしいよねー。なんでだろうねぇ。」

「これに勝る料理は知らないっす。わたくし」

「でも下界に帰って、ビールも美味しいよね」

「、、、でーすーよーねー!!!、そのために登って降りてるようなもんすよね!!!」

と、まあ、世界一どーでもいい会話で、しばらく口と顎の仕事を増やしつつ、昼食を済ませる。

それにしても人が多い。

やはりこの六甲山の、「七曲の滝」は氷瀑としてかなり有名なのだ。私もインターネットで、六甲山の冬の楽しみ方を調べるうちに、この滝にたどり着いて、まさに今、私はたどり着いたのだ。今年は例年になく、氷瀑具合が良いとして、見応えがあるらしい。初めて見たので評価のしようがないが、タイミングが良かった。ビギナーズラックいただきました。

ここの周辺には、こういった滝が多く存在し、「有馬四十八滝」として有名だ。50弱も今は無いだろうが、当時は秘境の奥にある〇〇の滝として、色んなところにあったのだろう。その一つが今、目の前にある「七曲滝」である。

上の方から何段も重なり合って下に落ちている様から名付けられたのだろう。実に見事である。決して大きな滝ではないが、錐状に広がったシルエットで実際よりも大きく見える。

大きなカメラを持ってきて良かった。

目の前のグループが、何回か入れ替わって相応の時間が経ったことを考え、そろそろ行きますか、となった。

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「この先の百間滝とその先の滝も行きますか?」

間髪入れず

「もちろんです!ご一緒させてください!」

即答である。

この谷には少し入り組んだ奥にまだ滝が何本かあって、それをぐるりと見るコースが冬の有馬の滝の定番コースである。

少しわかりにくいので説明しよう。

 

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 青い線が今回の登山ルートだ。

有馬温泉から本来であればロープウェイの駅付近から川沿いに上がってこれる登山道がある。等高線を見てわかるように、この道はアップダウンはない。

これが土砂崩れで封鎖されて、地図で言うと右の「魚屋道」を登って迂回して行くのだ。わたくし、ちなみにこの迂回路の「魚屋道」の事を、最近まで「うおやみち」と呼んでしまっていた。知人から聞いたのだが、正しくは「ととやみち」である。そして、一旦登った道を「炭屋道」を使って降りる。一気に降りる。そして谷沿いにもどって、遡上していく。そして、また潰れた道を避けて尾根を巻き上がって、その奥の「七曲滝」に到着したのである。そして、一旦戻り、となりの沢に出て、別の滝を拝みに行くのだ。

ちなみにだが、六甲山には「〇〇屋道」というのが何本かある。魚屋さんが使ってた「魚屋道」、炭を作って運んだ「炭屋道」、筆を運んだ「筆屋道」。それにしても筆をそんなに運ぶことがあったんだろうか。六甲山はこの前の応仁の乱や、源平の合戦の時に、大いに荒れ果て、そして、西洋人のリゾート開発でさらに禿山化してしまっていたらしい。今では想像できないが、何枚か写真を見たことがある。ほんとに禿山だった。「六甲山  禿山 」で画像検索してみるといい。びっくりするだろう。 

というわけで、私達はさっき来た道を一旦戻る事にした。その前に、実は方向的には私達の真後ろがその登るべき尾根なのだが、そこにちょうどよく、やや角度がきついが登れなくはなさそうな窪んだ斜面があった。

「かかって来なさい」

と、聞こえたので、試しに、軽く登ってみたが、早々に負けを認めて、来た道を戻る事にした。次回はしっかり装備を整えて挑戦しよう。ちなみにおんじもまさかのチャレンジで敗退していた。気持ちはまだまだ若いおんじであった。

 いざ次の滝へ!われら探検隊は、昼食と休憩の、甲斐あって元気いっぱいである。沢をくだり、細い崖を渡って尾根に上がる。

サクッと説明したが、緊張が緩むと足元も緩む、帰りに事故が多いのはこのためである。尾根をしばらく進むと、反対側に降りる道があった。一人では決して見つけられないような小さな分かれ道だ。今後私は、こういった道を見分けれるようになるのだが、この当時はまだ全然見当がつかなかった。

「ここっすか!!わかんないっすね」

「私も久しぶりだから、見落とすとこだったよ」

「おんじ、今後ともよろしくお願いします!」

「あ、また、兵庫の奥においでよ、良い山が沢山あるんだよ」

「まじっすか!!行きます!!行きますともーー!!!」

「そこも氷瀑が綺麗なんだよ」

「まじっすか!!」

何たるご縁、何を気に入ってくださったのだろう。是非ともご一緒にまたご陽気な登山を楽しみたい。

「ここを降りると、すぐに次の滝があら、がんばろう」

「はい!先輩!全然疲れてません!!」

「元気だね」

と、そんなこんなでつぎの滝に着いた。

(続いちゃう)