山と僕とカメラ

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登山初心者のバタバタ日記

【茹で汁なし】簡単早茹でパスタレシピ【時短】

大阪の地震の被災された皆様お見舞い申し上げます。

まだ、状況は続いております。緊張を緩めないで生きましょう。

そのせいで昨夜から、みなさんお腹がすいていると思います。 

おそらく昨日の夜から今日、明日にかけて、スーパーなどでカップ麺等を買いだめする人で賑わっていると思います。売り切れている店もあるでしょう。お湯を入れて3分でできるカップ麺は最高の友ですものね。ただし、非常時は、限られたカセットガスと水で加熱を行なっていると思います。無理せず火を使わないパンやクッキー、カロリーメイト、などで、シビアな日はしのいだ方が良いかと思います。パンが売り切れていたら、今のうちに小麦粉でパンを作っておきましょう。状況が悪くなると、そんな暇はありません。

 

落ち着いてきた、そんな日がきた。。

そんな時にさっと食べれる、時間がない時に役立つレシピについて、ご紹介します。

 

こんなのはどうでしょう。

あさりとアンチョビのアヒージョパスタ

私がいつもしている早茹でパスタを使った料理です。いや、もう料理とも調理とも言えないくらい簡単です。

 

メリット

  • 茹で時間が3分
  • 捨て汁がない
  • 包丁を使わない
  • フライパン1つで完成
  • 具材が長期保存可能
  • すごい美味しい

 

水分量が決め手です。

早茹での麺ならトータル5分もあればできます。

鍋もフライパン一つで全て終わりますし、茹で汁も出ません。包丁も一切使いません。

先日、たまたまですが、山で作った料理の写真で紹介します。もちろんいつも家でも作ってます。とても簡単ですのでどうぞ。

 

あさりとアンチョビのアヒージョパスタ

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 用意するもの

  • 早茹でパスタ[3分]200g
  • 水340g
  • アンチョビ缶詰 1つ
  • 加工済みあさりアヒージョ缶詰1つ
  • 塩 少々
  • 胡椒 少々

 

 

フライパンに水340gを入れて沸かします。

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 沸騰したお湯にパスタを入れ、茹でます。半分に折ると、小さい鍋でも作れます。

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箸で混ぜながら偏らないように崩しながら茹でましょう。

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 ちょうど3分弱で茹で汁がなくなります

あさりアヒージョ缶を入れてさらに中火でかき混ぜます。汁に味がついてます。

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アンチョビを崩しながら油ごと入れて混ぜます。少し焦がしながら炒めるように混ぜます。塩胡椒で味を整えて、出来上がり。

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余った具材はパンにつけて食べましょう。

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最後はパンでフライパンを拭って口に入れてお片づけも、おしまい。

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 早茹でパスタは麺に対して1.5〜1.7倍の水で煮汁がちょうど無くなります。

 カレー粉や、ケチャップ等で味を変えてもこれまた美味しくなります。

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 非常時だけでなく、日頃の調理にもお役立てください。

   

【緊急】地震や災害に持っておくべき緊急グッズ【最新】

さきほどの大阪の地震で、お怪我等をされてませんでしょうか。

被害に遭われた方々のニュースも報道されています。

私の住んでる。大阪市北区も激しく揺れました。

引き続き、皆様お大事にお気をつけください。

サイレンもずっとなっています。ヘリもいっぱい飛んでます。

我が家では写真立てが落ちてガラスが粉砕された床を掃除しました。

最近毎日と言っていいほど、どこかで地震が起きています。

今後も同規模の地震が日本のどこかで起きるかもしれません。ご注意を。

そこで今回は、避難グッズについてまとめました。

今すぐ揃えましょう。

 

 

緊急時につき、最小限に限ってご紹介します。

 

ガス、バーナー、ライター

どんな場所でも火さえ起こせれば、食事、暖房等、生存率はあがります。

小型のセットが良いでしょう。ガスも小さいので十分です。ライターは濡れた時にもバーナーが使えるように、持っておきましょう。写真のような電子式のでもいいですが、摩擦で着火する古いタイプがよりオススメです。

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シェラカップ、コップ

アルミやチタンといった金属製の食器がオススメです。そのまま火にかけれます。

 

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スプーン

箸よりもおすすめです。紛失のために複数用意しましょう。

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浄水器

基本中の基本、水がないと生きていけません。水は誰かが用意してくれると思ったら、間違いです。小型で使えるタイプがオススメです。ソーヤの浄水器は、ヒマラヤに登っている登山家もおすすめしておられました。

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アルファ米

冷水でも熱水でも柔らかくなる乾燥米の非常食、様々な味があり、飽きることはありません。一度お湯を入れると、ほっとくだけで炊き続ける必要はありません。燃料が節約できます。おすすめは、サタケ、美味しいです。

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ヘッドライト

都会で地震ということは、停電も発生してます。

両手が使えるように、ヘッドライトがおすすめです。手をかざすと点灯をオンオフできるものもあります。

充電式と乾電池式があります。

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10徳ナイフ類

切る、曲げる、等、様々な作業を1つでこなす道具。ナイフの機能は必須です。

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寝袋

快適な睡眠は安心を運んでくれます。小型でも十分暖かい寝袋がおすすめです。

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ソーラー充電器機能付きモバイルバッテリー

ソーラー充電機能付き、モバイルバッテリー、先ほどのヘッドライトもそうですが、携帯等の充電は欠かせません。ソーラー式ならば、インフラ関係なく充電できます。

パネルのみの充電器もあります。こちらは、機器やモバイルバッテリーを繋げて使います。

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グランドシート

瓦礫や砂利の上でもシート一枚あれば安全が確保できます。雨もしのげますので小型のを1つカバンに入れておくと良いです。

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後から後悔するのはいつも「あればよかった、、」です。「なくてもすんだ!」ということはないでしょう。贅沢な晩御飯を何回か我慢すれば揃えれますので、皆さんご参考に。そして、ご安全に。

 

六甲山、表から登るか裏から登るか(中編その3)

 慣れればなんて事はない。と今回には当てはまらない。一歩一歩、ゆっくりと足を置いていく。まさに置いていくのだ。そして、本当に大丈夫なのか、このフィックスロープは、信用してはならない。

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よく登山道の急斜面にこういった誰だか知らない人が張ったロープがあるが、どこまで信用していいのか疑問である。決して信じ切ってはいけないし、かといって使わないと進むのはなかなか手強い。切れて落ちても誰も補償してくれない。まるでロシアンルーレットのようなその道を進むと、やっぱり下りの崖があった。ほらね、ハイハイ分かってましたよ。

ようやく下の沢に降りた。そこは狭いながらも先は広く抜けている。あとは、その道なき道ならぬ、沢を登っていくだけだ。人もたくさんおいでなすってだ。

ここで滑ってこけてはいけない。用心して歩く。雪、岩、川、素晴らしいほどのスリップ条件なのだ。濡れるのが嫌だからと、へんな足場に乗るよりは、素直に川に足を突っ込んだほうがいい。こういう時、防水のゴアテックスのブーツはとても役にたつ。決して中まで濡れない。

そうやって一歩一歩進んでいくと、前方のみんながある場所を見上げている。それが見えるところまで進む。

 

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大きな滝があった。

それはしかし、流れてはいなく、固まっていた。氷で覆われた、大きな氷の滝だった。それはまるで、悪魔の魔法で一瞬で凍らされたように固まっている。こんなにも自然はすごいのか。高さは30mほどあろうか。よく見ると氷柱はほんのり青く光っている。

「き、き、きれいですね、、、、」

「今年は凄いなぁ、いやー、本当に綺麗だ」

「ここまでありがとうございます!!、1人だったら迷ってましたよ」

「いや、こちらこそ、ありがとう」

と、労いを交換しながら、ただし見ているのはお互いの顔ではく、その巨大な氷瀑であった。

この一瞬からしだいに溶けていくのがわかる。ピチピチと音が聞こえる。

雪や氷は普通白い、光が不純物で乱反射している。しかし、ゆっくり時間をかけて凍ると、不純物がなくなるので、乱反射がおきにくい。光は青いほうが波長が短いので反射しやすい。赤は波長が長いので吸収されてしまう。よって氷は青く輝くのである。らしい。という事は、超純水な氷は反射せず、真っ黒に輝くのであろうか。知らんけど。それにしても、空や海が青いのが地球では自然、当然の事となっているが、この青、よくよく考えると、かなりファンキーな色である。ビビッドで、とても自然の産物とは思えない。青色が嫌いな人は、空も嫌いなのだろうか。

と、自然の摂理さえも考えされられるこの氷瀑、こういうのがこんなに簡単に都会から来て見れるのは、凄い。みんな来ればいいのに。

インターネットで冬の六甲山のルートを調べていると、冬はなぜか北側、裏六甲の方が人気だという事が分かった。何故かと調べていくうちに、こういう事らしい。まず、六甲山には数多くの滝があり、その多くが北側ある。滝とはいえ、それほど大きくはない。それらが冬の寒い時期に一斉に氷り氷瀑となる。氷瀑が見れるのは短い期間だ。そしてそれらを見に登山者が集まる。私ももれなくその一人となったわけである。

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周りの人は入れ替わり立ち替わり、氷瀑の前で記念写真を撮っている。皆、幸せそうだ。なんて事ないただ上から水分が落下しているのが気温が零下になって凍った状態の前で、笑っているのだ。ここでは戦争はおきないだろう。

私たち、おんじアンドミーもお互い写真を撮る。ひとしきり氷瀑の写真を撮りまくったのち、ご飯だ。

だいたい検討はついていたが、やはり皆、思い思いの場所で滝の方に向かって座ってご飯を食べている。

当然のごとく、私とおんじも一緒にご飯を食べる事になった。

今日のご飯はカップ麺だ。

チャカチャカと慣れない手つきでガスバーナーを出してお湯を作る。おんじは、あ、おんじもカップ麺だ。彼は魔法瓶のお湯を直接注いでいる。賢い。この時間ならお湯もまだ冷めないだろう。

登山で何度か昼食シーンを体験したが、バーベキューやキャンプと違い、皆、一人一コンロなのだ。たとえグループで登山してても。最初は何故だろう?と思っていた。皆でわけわけして作ればいいのにと。

その理由が次第に分かってきた。登山は一つ間違えれば命の危険があるスポーツである。というのは常識だ。その中で自分の事は自分で全て解決する、この事がとても大切だ。他人の飯や燃料を頼っていては、とてもではないが、いざはぐれた時に、その人はどうするのだ。そう、ガスやコンロは登山者において大切なパートナーなのである。必需品なのだ。だから皆、たとえ同じガスバーナーでも自分で持ってきて隣り合って使っているのだ。

もちろん、それを踏まえたうえで、荷物を減らすために共有することも多々ある。それは事前に計画をしっかり立てている場合のみであって、「あー、誰かが持ってくるから、僕はいいや、借りよう。」っていうのは間違いだ。

以前、結婚式で、友人関係者がカメラマンばっかりの時があった。その時、先ほどの現象がおこり、カメラマンなのに誰もカメラを持ってきてないというなんとも悲惨な式になったのである。

もちろん皆が調理器具や食材を分散して運ぶ場合もある。みんなで楽しく鍋を囲ったりするのは、サイコーだ。それはそれでもちろん問題なかろう。そいうのもしてみたい。

「今日の登山」は「次の登山のための何か」なのだ。と私は思う。

(続く)

六甲山、表から登るか裏から登るか(中編その2)

そう、その優しい自由な奥様をもつおんじとともに雪道を登っていく。

 雪山では、冬用ブーツにアイゼンが定番である。アイゼンとは、靴底に鉄製の爪をつけ、凍った雪の上を歩くときの補助器具である。「アイゼン」はドイツ語由来の名前で、おそらくは「アイアン」と同じ語源だろう。クランポンと呼ぶ地域もある。これはつま先からかかとまで鋭利な爪で強力にグリップをする。でも今日はアイゼンではなく、チェーンスパイクだ。チェーンスパイクとは、車のチェーンのように、靴底に金属チェーンに突起が付いたものを巻きつける、主に雪道で滑らないようにするための器具である。突起はそれほど深くないので、凍った斜面には向かない。六甲山の積雪は木が生い茂っているせいか、元々の降雪量か、そんなに深くは雪は積もらない。なのでアイゼンほどの爪が深いと、下の石や切り株に足を取られるのだ。なので六甲山では、よほどのことがない限り、チェーンスパイクだ。でもこれは足首の脆い私だけかもしれない。実際、周りを見渡すと、アイゼンとチェーンスパイクは半々のようだ。チェーンスパイクを「チェンスパ」と略しているのを聞いたことがあるが、なんだか中華風パスタのようで、美味しそうだった。

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寒いけれど、降雪はなく、天気は落ち着いている。地獄のつづら折りを登りきると、人だかりがあった。

おんじは言う。

「ここから降りるよ。今登ってきた高さだけ降りないといけないんだ」

「マジっすか、たしかに、地図ではなんとなくそんな気がしてましたが、、、マジッスカ。」

と、やっぱり、そんな気がしてたのだ。インターネットで調べても、「登ってきた高さを、ここで降ります、なんとも」とか「はやく下の川沿いの道が治ればいいのに」とか、「昔は楽にこれた」とか、なんとなく薄々、大変だぞとは思っていた。

しかも、降りるにしても、その幅が狭い。つまり急なのだ。おんじ、あなた大丈夫ですか。と自分のことは棚に上げて、おんじのことが気になった。

「さあ、ここ降りるよ」

「へい」

ここは素直に従い、今度はさらにくねくねしたつづら折りの坂を下りるのである。これは、メンタルがやられる。何が嫌かというと、帰り道である。すでに財布を忘れているのを知っている上で駅に向かうようなものだ。これ登るのか。と、まだまだアマちゃんの私はドキドキしていた。

それでもおんじが「さあ、まだまだだよ」とか「よし、もうすぐだよ」とか、ツッコミがいのある、なんとも言えない掛け声をかけてくれるので、楽しく地獄つづら下りをしていけた。

途中、ゼエゼエハアハアと、心拍数が300超えてそうな人たちが下から上へ登ってくるる。汗だくで、いったいどれほど下に続いているのだろう。おそろしい。明日は我が身、いや、もうすぐわが身と気がつき、胸がキュンとなるのである。

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おんじ、私たち大丈夫でしょうか。

彼らにこそ「もうすぐですよ」と言ってあげたいのだが、私は知っている。そうかと、かってにあと5分程度だなと思い込み、全然、もうすぐじゃないじゃねえか!と使いきった体力を惜しむあの気持ち。

なので私はこういうことにしている。

「大丈夫、まだまだですよ」と。これならば、みな、がっくりきてペースを落とし、無事に頂上まで上がれるのだ、メンタルは一瞬やられると思うが。そこは申し訳ない。

そもそも、どの辺が「もうすぐ」でどのへんが「まだまだ」のラインなのか、いまいちピンとこない。体力有り余ってる人は、一合目から「もうすぐ」だろうし、トイレに行きたくて仕方ない人は、九合目、いや、頂上に着いても、ゴールまでは「まだまだ」なはずである。ここは正確に、「あと、〇〇メートル登りますよ」と言った方がいいのかもしれない。

とか、どうでもいいことを考えながら降りて行っても、いっこうに平らな場所につかない。物語では、ちょうどいいタイミングで着くものだが、実際はそうはいかない。登山は登りより下りがしんどいという人もいるが、絶対登りの方がしんどい。あれは、午前中の登りをサボったか、ご飯を食べてすっかり忘れてるのだ。下りはほとんど体力は使わない。しいていうなら、足の筋肉が張るぐらいだ。

とか、どうでもいいことを考えていると、ようやく下の平地についた。マジで。

「着きましたね!!!」

「ついたね、長かったね。これだから早く川沿いの道、直して欲しいんだよ、あれが通れば、すごい楽なのに」

「ほんと、これはもう、天城越えですね」

「越えたねー。」

ここまできたら、他の登山者も多く歩いているのが見える。平日なので皆、結構ベテランな人生を歩んできた人が多い。今の私は、過疎地で言うところの「若者」である。

ひらけた場所は谷になっていて、川が流れている。そこを逆に登っていくようなルートである。なんとも清々しい。川沿いに比べ物にならないほど大きな道もある。あれが、通行止の道か。すこし体を整えたのち、再度出発した。

しばらく林道の脇を歩いたり、堰堤を何度か越えて行く。

おんじとの歩調もあってきた。

「ところでおんじ、その真新しいザックやブーツはどうされたんですか?」

「昔のは、もうさすがにね、買ったんだよ。でもね、高いねー。」

「ですよねー、冬は特に。」

「小遣いからとかは、なかなか難しいんだ。だから、退職した時の持ち株を売ったお金が、結構まとまってて、それは嫁の知らないお金だから、そこから、すこーしづづ使って目立たないように使ってるんだ」

「やりますねえ」

「いやー、あれあってよかったよ、はっはっはっは」

なんとも、笑顔の奥にかわいらしい悪事の働く、おんじであった。

冬用の装備は高い。

ある登山家がこう言ったのを思い出した。

「登山の装備、服やザックは高価だけれど、その辺の服より機能的だし、壊れにくい。普段使用も併用し、5年ほど使うとすると、逆に結構割安だ。」

なるほど、たしかに。あんなに軽いのに完全防水のジャケットやパンツ。普段のコートではあり得ない割にはたしかに安い。そして、命も守ってくれる。素晴らしい。

それと、オサレ着まわし着こなしより、レイヤリングである。いわゆる重ね着だ。登山は夏であれ真冬であれ、人間は運動すると汗をかく、その汗を外側に出しつつ、適度に温度を保たないといけない。凍傷になったり死んでしまう。肌に接触する部分から、「ベースレイヤー」「インナーレイヤー」「ミッドレイヤー」「アウターレイヤー」と服の仕事が分かれている。ベースレイヤーは汗を皮膚から引き剥がし、インナーレイヤーで汗を拡散させる。ミッドレイヤーで保温し、アウターレイヤーは外界の環境を分離させる。単純に言えばそういう仕組みだ。素材も高機能な化学繊維でできている。綿は良さげだが、水分の蒸発には全く適していないから厳禁である。

堰堤を飽きるほど越えて行くと、なぜか上の方に導く札がある。

「え、これ上がるんですか」

「そうだね、、、何年か前の台風の影響でけっこう道が崩れて

迂回路が多いんだよ。」

「そうですか、、台風で。。」

2014年の台風11号の影響がまだ残っているのだ。ここ六甲山紅葉谷も例外ではない。各所が通こどめになっている。でも自然とはそういうものだと思っている。世界各地の絶景や自然名所は、人間にとっては大迷惑な、大災害や環境変化、台風、地震、火山によって出来上がる。富士山だってそうだ。なので、「地球に優しい」とかはなかなかブラックジョークに富んでいると思う。地球さんは全然人間に優しくない。土砂によって絶景が形成される一方、道は潰される。そして人間は生存の必要にかられ、危険を呈して山を越え、谷を進む。それがまた新しい道となるのだ。前に進まないと道はできない。なかなかの格言ができてしまった。

と、いうわけでまた登る。登って降りて、また登る。そしてきっとまた降りる。わかっています。人生とはそういうものですね。

それにしても、ここに集う人たちは元気だ。街や病院前で見かける人たちと同じ年齢とは思えない。こういう人に、私はなりたい。ザックを背負い、明らかに山に登ります!!という人に、どんな年齢であれ、電車内で席を譲る必要はない。と確信した。いや、むしろ譲られてはきっと迷惑だ。彼らは立っている間にもスクワット等で鍛えているのだから。ノーサンキューユアOMOTENASHIだ。

先ほど降りたその半分程度を登り返す。細い道なので、向こうから来る人とすれ違うのに苦労する。結構この瞬間が、足をすくわれやすい。人が見ているという意識、早くパスしなければ、という焦り、それが足を滑らすことになりかねない。譲るならば山側にへばりついて、オープンなスペースを作る。谷側で待つと、手を突かれてしまって落っこちかねない。たとえ、「え?そっち側避ける?」と思われようが、山側に避ける。自分の命が最優先だ。

と、今度は木々にロープが張られているなかなかの細い道があらわれた。

ここ、通るんですか。すごいっすね。これはもう、道じゃない。この近代化された社会にこれを「道」と名付けたのは誰だ。自治体だとしたら、なかなかたくましい。

よし、このどうみてもただの崖という「道」らしき地面を進むか。

さきほどの「進む必要があるからそこに道ができる」の意味を思いっきり感じでしまったのである。

(続く)

六甲山、表から登るか裏から登るか(中編)

そう、というわけで平日、男二人で、六甲山を登る事になったのである。

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 初めてのルートで、道案内の人が一緒にいてくれるというのはとても助かる。普段、登山ではどんな場所でも単独の私である。分かれ道や、状況が変わったらそのつどポケットからスマートフォンを取り出し、山登り専門のアプリケーション、最近は「アプリ」と省略するらしいが、本来の省略読みの「アップ」でもないなら、それならいっそのこと、かの膝に縫い付けるあのオサレなフランス語系の「アップリケ」でもよかったのではなかろうかと、で、そのアプリを起動させて現在地を確かめているのだが、それはもう、周りを見る余裕もなく、忙しい。ながらスマホ、とはまさにこのことである。幾度と足を躓かせたであろうか。ただし、そのソフトのおかげで地図上の現在地を俯瞰で考えれるようにはなっているのかなと、数少ないソロ登山のメリットを感じてはいた。そもそも、コンパスと地図を持って来ているのに、全く登場しないのは、反省しなければならない。いかんいかん。

二人組、私が先に歩き、おんじが後をついて来てくださっている。後ろは任せたぞ、じい。私は歩調をおんじに合わせてゆっくりと上がって行くことに。こう言うのも慣れてないから、なんだか新鮮。

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しばらく、今回のルートの説明を享受。どうやら、この先、結構な斜面を降りたり登ったりしないといけない場所があるらしい。ほほう、急とはわかっていたが、結構な斜面か。。。

返事をするたびに、振り返ると見えるおんじの姿勢はスタスタと、装備はきちんと本格的のをしている、からして、登山にかなり慣れてはいるが、やや新しいザックと靴、私より少しを経験なさってるのかな。

「登山はもう長いのですか?」

と、まず誰しもが、聞くであろうこの質問から入りました。すると、おんじは

「長いといえば長いけど、若い頃だったからね、最近仕事をリタイヤして、また登るようになったってやつかな、多いでしょ、そういう人、僕もそれですよ。」

なるほど、なるほど、そういうことか。

少し前から思っていたのだが、昔、と言っては失礼だが、三十年ほど前は若者の趣味といえば、登山、というわけではないが、海水浴や旅行など、ダイレクトに体験するものが多かったはずだ。何をいわんやというのは、今の若者にとって趣味はインターネットや、ゲームなどで、疑似体験する趣味が多い、というかそういうのが増えた。とくらべて、昔はそんな手段はないので、実際に出かけたりすることが多かったに違いない。それがインフラの整備とともに、マイカーブームや登山ブームと言われる現象になったのではなかろうか。そして、おんじたちは、その若い頃の経験を生かし、定年退職後に、こうやって、もう一度登山を楽しむのである。なんたる幸せであろうか。ということは、今度私たち世代以下の大多数が、退職した後は暇な時間に何をするのだろうか。することが、「若い頃やった登山」とはならない図式だ。昔取った杵柄といえば、ファミコンに息を吹きかけることぐらいだ。ほんとうに、なにをして老後は過ごすのであろうか。やや不安だ。その頃は、オワコンの、ああ、オワコンとは、終わったコンテンツと言う意味らしいが、なつかしのVRで3Dゲームでもするのだろうか。

そして、このおんじ、こんな平日に来れるとは、きっとお家が近いのだろう、羨ましい。

「今朝何時に起きたのですか?私は4時くらいで、もうすでに眠いですよ(笑)」

と言うと

「何時かな、早かったよ、僕も4時くらいかな」

「えー、早いっすね、近いんでしょ?もっとゆっくりしててくださいよ」

「いや、近くないんだよ、明石のもっと山奥、車できたんだよ」

明石というと、詳しくは知らないが、ここからまだまだ何十キロも離れている。そうか、おんじ、なかなかタフガイだ。

「奥様が、よくお許しになって、いいご関係ですね」

「いやいや、彼女は彼女で友達と白馬の方に一週間ほど旅行に行ってますわ、あっちの方が好き勝手やってるんで、僕は気が楽ですよ」

なるほど、それはぜったいに出かけても何も言われない。素晴らしい、あっぱれおんじ夫婦。

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つづら道を登る。わかるだろうか、いつもは下りで通るので、そこを登るのは、なんというか、しんどい。止まったエスカレーターを登るような気分だ。いや、そこまでではない。とにかく、私はこのつづら折りが嫌いだ。下りの場合だったら、ショートカットで降りていくほどだ。大学時代の友人がペルーあたりに行ったとき、こんな話をしていた。

マチュピチュからの帰り道、バスでつづら折りの道を降りるんだけど、一番上で「さようならー」と声をかけてくれた地元の少年が、バスが出発して、何回かつづら折りを曲がった時に、現れて、「さようならーー」と声を張り上げる。そしてまた、バスがくだったら、また先回りして「さようならーー」と叫ぶ。どうやら、道を通らずに直線で、そう日向小次郎のように直線で降りて先回りしているのだ。なんとも可愛らしいなあと、最終のコーナーを降りたところでバスが止まると、その子がバスに入ってきて、チップを求めるのだと。なんともたくましい子どもたちだろう。そんなことをなぜしっかり私が覚えているかというと、数年前に、テレビでなんとその子達、とはいえ、世代はかわっているだろうが、その子達が「グッバイボーイズ」として紹介されていたのである。彼のいうことに間違いはなかった瞬間であった。そのテレビでは、電気がギリギリ通っているだろう質素な村のなかで、子供達が「しょーーりゅうーーけーーん!!!」といいながら、プレステでストリートファイターをやっていることは、紹介されなかった。惜しいぞ、取材陣、もう少しでもっと面白いネタに。。。

(まさかの明日へ続く)

六甲山、表から登るか裏から登るか(前編)

正月も明け、日常の忙しさも戻ってきた。そんな肌寒い日、私は六甲山に向かっていた。

フリーのカメラマン、暇な時は山に登って、カップラーメンをすすり、コーヒーを飲むのが幸せと思い込んでいるめでたい男である。

六甲山、それは宝塚から須磨まで東西に伸びる稜線の長い山々。様々なコースからバラエティに富む登山が楽しめる事で有名な関西の登山客で賑わう山。多くの尾根筋や谷筋があり、難易度の異なるルートができており、飽きる事はない。ちなみに「谷」は西日本、「沢」は東日本で多く使われるとか。六甲山といえば、かの加藤文太郎が縦走をしたという事でも有名。そして登山以外にも楽しめたり。頂上まで行けるロープウェイがたくさんあり、ドライブウェイもあるので、汗をかかずとも観光客や行楽を楽しめる、まさに空中庭園の六甲山でもある。ここを訪れてない関西人はもしかしたら、1人もいないのではないだろうか。とはいえ、約1000mの標高をほぼ海抜0メートルから急ピッチで上がるのですから、こと登山に関しては、コースによっては難易度の高い場所もある。

ちなみに六甲山の「六甲」とは、カブトのような山が6つあったに違いないと、勝手に思ってます。調べたことが無いから、本当の事は知らないが。

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わたしは普段、六甲山の登山は「芦屋川」というしゃれた駅前から登り、そして高級外国車が立ち並びシンデレラ城のあるお庭のある家々の横を通り、登山口に入るという、いわゆるメジャーなコースから入る。しかし、この日、私は、いつもの芦屋や神戸の南側から登るのではなくて、北側、つまり有馬温泉をスタート地点として電車に乗っていた。いつもの逆コースのような感じだ。

その当日まで、私はいくつもの情報をインターネットで調べて、「ヨシこの日だ!!」という日に合わせてのこの決行だった。

季節は冬です。当然、まだまだ寒い日。雪も所々かぶっている。なんでこんな日に、いや寒いからこそ、この登山だったので、文句は言えない。

冬季は、雪が溶ける前に、登山を開始します。日が当たると、地面の雪が溶け、ズルズルになってしまう。この日も、なるべく早くスタートしたかったので、朝焼け前のまだ暗い中、家を出発した。国鉄の電車を三ノ宮駅で乗り換えて、そのまま地下にエスカレーターで降り、地下鉄で有馬温泉駅に向かった。その乗り換えた電車には、最初は多くのサラリーマンが乗っていた。朝早かったので、私はしだいに眠気が襲い、うとうとし、はっと気がつけば車内はサラリーマンと入れ替わったように、登山の人と、観光の人だけになっていた。登山者の乗客、彼らは私と考える事は同じなのだろうか、はたまた違う登山をするのだろうか。わたしには何もわからなかった。ただただ、全てがはじめての私は、皆さんの格好をまじまじと見つめ、自分の用意に間違いないか、ドキドキしながら、ただ雪の中を進む電車に乗っていた。

 

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終着駅の有馬温泉駅で下車した。有馬温泉街、いつもは、下山直後、疲れ切って温泉に入る街、そこをこれから意気揚々と入山する、不思議な感覚だった。

道は昨夜の寒さと日々の圧雪で凍っていた。さすが有馬、いつもの神戸とは気候が違うな、まるで雪国だな、これはもうプチトリップですなと、感心しつつ歩いていた。いつもとは逆方向なので、左右を間違え、違う方角に度々進んでしまいまいそうにる。まだ街中の途中、山の中なら致命的だ。こりゃ自分はまだまだだなと、反省。そんな新鮮な反省が全く反映されず、全く見覚えない通りに出たところで、「あ、やってしまった」と、気がつき、はい、引き返そう、と振り向いたら、明らかに私についてきてしまってたであろう、見知らぬ登山者2人組がいるではないでか。すまぬ、この先は行き止まりじゃぞ。と、念じつつ、もしかしたら、この行き止まりの先にこそ、この二人には目的があるのかもしれない、そう、壁の先に、魔法の世界への入り口があるのかも。いやいや、待てよ、と言うことは、私は彼らに、余計に喋りかけてはいけない、へんな魔法で石にされてしまう、というわけで、私は敢えて何も言わず、すれ違った。魔法の国、行きたかった。

彼らの無事のリスタート復帰を願いつつ、見覚えのある通り沿いに戻り、ややリラックスの面持ち。心の準備は整った。

街中最後の急な坂道を終え、しばらく車道脇を歩いて、神社らしきものがある登山口に到着しました。そこには広場があり、すでに何人もの人が雪山登山の準備をしていた。私も、慣れたように見せかけ、チェーンスパイクとゲーターをつけ、グローブを装着し準備を整えた。

ここでは皆さんが、お互い知り合いなのか、いろんな会話をして情報を得ておりました。私はふむふむと耳を傾けて、有益かつ即効性のある情報はないかとCIAばりの諜報活動をした。その顔が妙だったのか、ひとりのおじさんが語りかけてきた。

「すみません、おひとりですか?」

私は、すこしびっくりしながらも

「はい、そーなんです!初めてなんで、もうドキドキですよー、よく来られるんですか?

とやや喰いつき気味で答えた。なにしろ、ソロは孤独な生き物なのだ。

そのおじさんは優しい顔つきで

「そうだねー、何回目になるかね。でも、今年は久々にいいらしいですよー。」

と、微笑みとともに、大いなる希望を私にくださった。

「おー!楽しみですねー!、早く行きたいです!でも、私は道に自信ないのでゆっくり行きますわ。」と控えめに『わたしひとりで登山します』的な事を言うと、

「そっか、でも、道を間違えたら大変だから、私と一緒にどうですか?私はほら、こんなんだから、ゆっくり行きますけど良いですか?」

と答えてくださった。

この時、私はこのおんじに一目惚れしてしまったのだ。

「私でよければ是非!!」とプロポーズされた初々しい女の子みたいな返事をしてしまった。

というわけで、平日、男二人で、六甲山を登る事になった。

 

(明日へ続く。)

 

 

「登山」もしくは「撮影登山」用のザック選び、一体大きさどうすんの。(2019年追記)

「登山」においてザック、バックパックはなくてはならないものです。

そして季節や目的に合わせて、各メーカーから、さまざまなザックが容易されてます。縦走用、雪山用、低山用、ウルトラライトなど、これさえあればどんな登山でもオッケー、というものはありません。今回は皆さんお悩みのザックの選択について、この記事を読んで、さらに悩んでみましょう。

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MountainHardWearの105Lを背負う筆者

 

 

  • 登山の目的、行程が、ザックの大きさ、種類を決める。
  • Osprey アトモス AG50
  • Osprey バリアント 52
  • Osprey バリアント 37
  • Ospreyミュータント 28
  • Mammut Trion Advanced 32+7L
  • Mammut Trion Guide 45+7L
  • BLACK DIAMOND BLITZ28
  • Mountainhardwear BMG 105 OutDry
  • PaagoWorksRUSH28
  • Hyperlitemountaingear 3400WINDRIDER
  • The BACKPACK #001
  • PaagoWorks カーゴ40
  • まとめ
  • 容量指標(リットル)

 

登山の目的、行程が、ザックの大きさ、種類を決める。

標高、距離、テント泊、小屋泊、日帰り、縦走、雨、晴れ、雪、単独、アルパイン、など、状況にあわせて自然とザックは決まっていきます。

何でもこなせる、というものはありません。

ことわざで「大は小を兼ねる」と言いますが、ザックにおいて「大」は「中」ぐらいしか兼ねません。

そもそもザックとは「荷物を入れるただの袋」なのです。ピッケルや、バーナーとは違い、「ザック」それ自体では、登山には特に必要な機能は保持してません。というわけで、軽ければ軽いほど良いのは良いです。車でアクセスできるキャンプやバーベキューとは違い、背負う荷物は1グラムでも軽いほうが登山を楽に安全に楽しめるわけです。ザック自体の重さを100グラム軽くできたら、持っていける水を100ml増やせるのです。

ただし、軽量すぎて使い勝手や強度が疎かになることはいただけません。コンビニ袋で登山にはいけませんよね。背負い心地は疲労と関係します。さらにポケットの位置や大きさ、防水機能などの違いで容量が同じ40Lでも目的が違えば、選択するザックが違ってきます。

  快適      不快

  1. 大きい     小さい
  2. 軽い      重い
  3. 防水      防水でない
  4. 肩パットが充実 ハーネスはペラペラ
  5. ポケットが多い ポケット無し

といった具合になると思いますが、全て、重さに反比例します。

便利さを求めると重くなるのです。

 では、私が今まで使ったザックの中でそのメリットとデメリットを考えた上で良さそうだったものをピックアップてみます。

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