山と僕とカメラ

山と僕とカメラ

登山初心者のバタバタ日記

初表銀座槍ヶ岳縦走にむけて

今回初めて憧れの槍ヶ岳に行きます。

中房温泉から入り、燕岳、表銀座ルートを経て、槍ヶ岳へ、そして槍沢を通って上高地に抜けます。ゆっくりのペースで4泊5日のプランです。

ゆっくりは良い事ですが、それに伴ってリスクが高まるのが食料の増加です。今回もモチロンテント泊なのですが、パッキングの食料のウェイト減量のために、山荘の食堂を利用する事にしました。

最初、何も考えてなかったので、

「晩御飯は豪勢に食堂を利用しよう」

と思っていましたが、当たり前のことだったのですが、食堂はほとんどが宿泊者以外は10時から14時の昼営業のみという事が後で分かりました。反省。

というわけで改めてプランの見直しです。

f:id:fujikixblog:20180807070655j:plain

幕営地に着く頃には、午後を越してしまっている日、営業時間に合う日、をキチンと計算し直して、間に合わない場合、昼頃に通過する山荘で昼食を摂る事にしました。

自炊メニューは軽量、短時間を考えて、アルファ米のみです。それにフリーズドライなどを足して、飽きの来ないメニュー作りをしました。

食料のオススメメニューを優先して、例えばそれがカレーだったら、朝夕はカレーを外し、万全のカレー欲モードにします。

アルファ米はパックからスプーンと保存剤を取り出し、小さくまとめる事で、全体的にかなりコンパクトになります。重さは7食プラス1の2人分で1.8キロ。上々です。16食分がこれだけで収まるのは改めてすごいなと感心します。

f:id:fujikixblog:20180806081927j:plain

お水は稜線に出たらなかなかありません。有料ですがそれぞれの山荘でなら手に入ります。今回はお水の運搬が重さの変化の大部分を占めそうです。

山荘の食事が後半はたくさんできます。特に徳沢園は朝晩も営業しているので本当に助かります。後半に疲れてくるのに合わせ、自炊を減らせるのはとても良いです。

 

(以下HP引用)

 

燕山荘 11:00~14:00(ラストオーダー)

ビーフシチュー(ライス付き) ※

¥900

カツカレー※

¥1,200

ビーフカレー

¥900

チキンインドカレー

¥900

カレーうどん

¥900

山菜うどん

¥800

天ぷらうどん

¥800

豚汁

¥600

ご飯

¥200

※大盛りはプラス¥100です。

 

 

 

大天荘 10:30~13:45

インディアン・ランチ ¥1300

indiancurry.jpg

カレー、サフランライス、ナン、チャーイ、デザート

カレーは以下の3種類から選べます ――

牛ひき肉のキーマカレー・ほうれん草のグリーンカレー・スパイシーチキンカレー

カレー単品

¥800

とん汁セット(とん汁、梅ひじきごはん、つけもの)

¥900

とん汁単品

¥600

山菜うどん・そば

¥800

天ぷらうどん・そば

¥800

クラムチャウダー

¥600

ミネストローネ

¥600

コーンクリームスープ

¥600

冷やし中華

¥1,000

 

ヒュッテ大槍 11:00 ~ 14:00

カレーライス

¥900

特製大槍ラーメン

 

しょうゆラーメン

¥900

とんこつラーメン

¥900

みそラーメン

¥900

つけ麺

¥1,000

 

槍ヶ岳山荘 キッチン槍 10時半ー14時半

  • コーヒー・紅茶などの飲み物は、朝から夕方までご利用いただけます
  • カレーライス・ラーメンなどの軽食は10時半頃から14時半ごろまでお召し上がりいただけます(時期により変更する場合もあります)
  • 7月中旬から9月中旬まで「焼きたてパン」の販売も行っております

 

槍沢ロッジ

1F玄関ホールまたは外のテーブルにて軽食を召し上がっていただけます。フロントにてご注文ください。

  • コーヒー・紅茶など飲料セルフコーナーの飲み物は、早朝から20:30までご利用いただけます。
  • 軽食(昼食)は10:00から14:30までお召し上がりいただけます。(ラストオーダーは14:30)メニューは、カレーライス・牛丼・やきとり丼・中華丼等です。(時期により変更する場合がございます)
  • 団体での軽食御利用の際には、ご予約いただくようお願いいたします。
  • 自動販売機にてビール・ジュースの販売、売店にて酒類・おつまみ・スナック類の販売も行なっています。

 

徳沢園

食事メニュー

7:00~15:45 ラストオーダー

野沢菜チャーハン(10:00~14:00)

山の手作りカレー

山菜そば

月見そば

カレーそば

山菜うどん

月見そば

カレーうどん

おでん

 

夕食メニュー

当日直接喫茶にて17:00までにご注文ください。

お電話でのご予約は承っておりません。

岩魚夕定食 1,600円

おでん定食 1,200円

(18:00前後に提供となります)

 

 

 

 

 

 

 

登山のモバイルバッテリーの話

カメラには、バッテリーが必要です。

長期、電源が確保できない場合、どうしても充電が滞ってしまうことがありますよね。

ましてや登山においては途中の充電は全く期待できません。

しかし、予備のバッテリーはとても重いです。これほど無駄な重さはないでしょう。カメラ本体より重い経験を持ってらっしゃる方も多いと思います。

f:id:fujikixblog:20180805110726j:plain

そして、カメラの種類が増えれば、それだけバッテリーも別のタイプを持って行かないといけません。バッテリー切れに陥ると、写真が撮れない事よりも、「何でこんな重いものを持ち歩いてるんだ」という、鉛、鉄、ガラスという重量に対する憎しみが増えていきます。いかに軽量にバッテリーを持って行くか、これが写真を撮るためでもある登山の課題でもあります。

仕事でですが、一眼カメラ、水中カメラ、ドローン、ジンバル、モニターと、バッテリーが全て違う機材をザックで運んだ時は、10キロくらいはバッテリーの重みじゃなかろうか、と思うほどでした。

というわけで、今回、表銀座槍ヶ岳縦走に向けて、軽量にバッテリーを運ぶシステムを思案中であります。

予定では、一眼カメラと、ドローンを持っていこうかなと思ってます。

まずは予備バッテリーを何個持って行くか。

予備バッテリーを多く持って行くか、モバイルバッテリーで再充電するか。

そして、その再充電をどのタイミングで行うか。

短期ならば、充電は考えず、バッテリーを何個かで事足ります。ですが、5日6日と長期になると、どこかでバッテリーを充電しないといけません。

充電に有効なモバイルバッテリーの容量はどうするか。

モバイルバッテリー、皆さん1人1台は持っているアレです。

スマホはもちろんのこと、カメラバッテリー充電器をUSB接続で、バッテリー充電できます。

その、モバイルバッテリーの容量が大きいほど、たくさん充電できますが、重くなります。そうです。エネルギーは重いのです。

30000mahと13400mahでこの差です。

f:id:fujikixblog:20180805110559j:plain

 

 

中身の材料は同じなので、大きさと重さは比例しています。この、モバイルバッテリーの充電が下山終了後に、ちょうどなくなっている感じなのが、ベストでしょう。でもなかなか推測できませんよね。最近はスマホGPSを拾いながらログを取ったりするので、スマホも充電しないといけませんし。

そして、どれだけ大きなモバイルバッテリー持って行っても、更にそれを充電させないといけない場合、有効というか、唯一の手段がソーラーパネルです。もちろん天気によって左右されますが、これしかありません。

小さなものから大きなものまでありますが、パタパタと開くパネルタイプが、登山中にザックの表に吊り下げておくだけで、充電できるので良いと思います。テントを張り、そこに置いておくのも良いです。しかし、これも重さはありますので、実際には、モバイルバッテリーを複数運んだ方が良い場合もあります。

f:id:fujikixblog:20180805110628j:plain

 

というわけで、登山に行く期間によって

 

 

  1. カメラの予備のバッテリーと、小さなモバイルバッテリー。
  2. カメラの予備バッテリー複数個と、小さなモバイルバッテリー。
  3. カメラの予備バッテリー複数個と、大きなモバイルバッテリー1つと、カメラの充電アダプター
  4. カメラの予備バッテリー複数個と、大きなモバイルバッテリー複数個、カメラの充電アダプター
  5. カメラの予備バッテリー複数個と、大きなモバイルバッテリー1つと、カメラの充電アダプターと、ソーラーパネル
  6. カメラの予備バッテリー複数個と、大きなモバイルバッテリー複数個と、カメラの充電アダプターと、ソーラーパネル

という風に段階に分けられます。

もちろん下に行くほど重くなるので、登山全体に対してリスクは高まります。程よいシステムを思案するのも登山前の楽しみの1つでもありますよね。登山前はキッチンスケールが大活躍ですね。

 

 

では、楽しい登山ライフを。

北海道で地震がありました。緊急時に備えを

    

   

 

 

お手軽登山のススメ

「山って素敵ですよね、でも体力的に無理かも〜」っていうじゃないですか。たしかに山の景色を眺める高い場所まで行くには、リュックサックに荷物を持って歩いて登らないといけないという過酷な試練が待ってます。

精神的な問題ではなく、体力的に難しいというのはありますよね。

でも実は、そんな苦労をしなくても結構楽チンに登山と同じ気分で行ける山が結構あるんです。

その手段はロープウェイや、ケーブルカーなどを使って、あとは、そんなに登らず、いい景色を見ながら、ハイキングとして山を楽しめるので、ご年配の方や、お子さん連れとかでも大丈夫です。テント泊ができる場所もたくさんあります。そんな山を思いついただけ紹介します。

 

 

 

六甲山  931.2m

f:id:fujikixblog:20180804074443j:image

兵庫県神戸市にあり、登山の登竜門として確固たる地位を築いていますが、ここはロープウェイがたくさんあり、すぐに山頂に着く事ができます。神戸側からも有馬温泉側からもロープウェイはあります。

摩耶山では皆さんがヤマメシを作って楽しんでおられます。そのためだけにロープウェイで上がるのもありでしょう。一度頂上稜線まで上がればてくてく歩いてお散歩も楽しいです。

 

金剛山 1,125m

f:id:fujikixblog:20180804075516p:image

大阪府奈良県の境目にあり、ロープウェイで上がって、そこから水平に歩いて山頂につきます。ライブカメラで記念写真を撮りましょう。テント泊可。

 

伊吹山 1,377 m

f:id:fujikixblog:20180804074825j:image

滋賀県の名峰、山頂まで車で行く事ができる百名山です。

春から夏にかけて高山植物が見れます。山頂には食堂もあり、見事な景色を見ながら食事ができます。間違っても下山道から降りないでください。ロープウェイ等はありませんので、山頂に車を置いたままのあなたは、キツい斜面を登り返さないといけません。

 

蓬莱山 1173.94m

f:id:fujikixblog:20180804074923j:image

滋賀県湖西。比良山系。びわ湖バレイスキー場まで行くロープウェイで一気に山頂に到着します。琵琶湖の形がわかるくらい高いので見晴らしは最高です。登山でここにくると違和感を味わえます。ロープウェイであがって、縦走しておりるのもありです。

 

 

御在所岳 1,212m

f:id:fujikixblog:20180804075055j:image

三重県鈴鹿のセブンサミットの1つ。麓からロープウェイが出てます。山頂にはレストランがあり、ここで皆さん食事を楽しんでいます。ほんの少しだけ登って山頂に着くので、プチ登山が楽しめます。

 

立山 室堂平 2,450m

f:id:fujikixblog:20180804075135j:image

富山県立山、室堂平。黒部立山アルペンルートを使って一気に2500メートルまで上がれます。その景色は最高としか言いようがなく、そびえ立つ立山に登らなくても、清々しい気持ちに日頃のストレスは吹っ飛んでいくでしょう。

テント泊可。

 

 

上高地 1,500m

f:id:fujikixblog:20180804075323j:image

言わずと知れた日本を代表する避暑地。バスでここまで来れます。あとは、お散歩です。北アルプスを見ながら青い川を眺めるのは最高のリゾートです。ゼーゼーハーハーの登山客を見るのも良いでしょう。テント泊可。

 

 

まだ行った事はありませんが、千畳敷カール、北横岳もロープウェイで上がれるのでオススメです。

 

無理して歩いてストイックに登る事はありませんし、例えば登りは歩いて、帰りはロープウェイで、というプランもありです。登りも下りも、歩くつもりでも、ロープウェイなどが存在するだけで、それを使ったプランBが設定しやすく、チャレンジもできますね。

 

ただし言っておきます。

歩いて登る山頂のカップラーメンは、どのラーメン屋さんより、抜群に美味しいです。

下山後に飲むビールと餃子は海原雄山も唸るほど最高です。

苦労して登って見える景色も数倍きれいです。

f:id:fujikixblog:20180626104655j:plain

f:id:fujikixblog:20180804080540j:image

 

 

 

SONYのa7iii を使ってみて感想とレビュー。【落下試験あり。゚(つД`)゚。】

SONY a7iii 導入!!

「動画機」としてSONYの最新ミラーレス機(2018.7現在)a7iii を導入してみましたので、その感想を書きます。

f:id:fujikixblog:20180803071912j:image

それまでは写真撮影動画撮影とも、canonの5D3を使っていました。

5D3は2K弱の1920までです。4K納品がそろそろマストな状況に1920では足りません。

 

続きを読む

立山縦走 その12お寿司編

帰りのバスの予定時刻までまだもうすこしあるが、充分癒されたので、早々にバスターミナルに向かう。

温泉&ビールの後のザックは重い。本当に重い。何が入ってるんだろう。誰かが石でも入れたか。

とにかくこの重さとも、あのバスターミナルまでの辛抱だ。そう思うと少しさみしいが、そんなのは、きっと気のせいだろう。

 

前回

www.yamakamera.com

 

外を見ると、今まで縦走した山並みが見える。

山を見るとき、登った山か、未踏の山かでなんとなく見方が変わってくる。

距離感というか、立体感というか、とにかく、「あ、あそこは行けないことは無い場所なんだ」という、壁を感じない雰囲気で、接せられるのだ。

そういった親近感、あ、これだ、親近感、親近感です。

こういった親近感を持てる山をどんどん増やしていきたいなと、思うわけです。

f:id:fujikixblog:20180802062526j:plain

この左端から右端まで歩いたわけだが、あとで色々測ったら、梅田から難波くらいまでだった。そう思うと、なんてこと無い距離だなと、たしかに半日かからずで、歩いたのだからそりゃそうだ。

バスターミナルでは、目の前で惜しいところでバスに乗り損ねた。だが、臨時で出るらしく、少しだけラッキーを獲得した。

バスは15分くらいでやってきた。前の方に並べたので、良い感じの席に座れた。気がつけば、1時間経過して、ケーブルカーの接続駅に着いた。ケーブルカーは、どんどん出ているので、待たずに乗れる。下りのケーブルカーほど、外に興味がない乗り物はない。人間ってほんとに慣れ馴れしい。

なんとなくお気づきだろうが、帰りは写真が少ない。前述したとおりになった。お許し頂きたい。

そこから鉄道に乗る。特別料金の「特急」のようなものに乗ることになったのだが、どれほど特别な時間が短縮できたかは怪しい。

電車の中で考える。帰りの大阪まで行く高速バスは夜9時頃出発なので、かなり時間がある。まずは、ご飯。富山といえば寿司、というわけで、お寿司と相成った。

と同時に、おやおや?もしかして、新幹線と、サンダーバードで帰れる?と今更気がついた。

時刻と空席と、バスのキャンセルを2人でマルチタスクで行い、無事、残り少ない新幹線と特急の席を獲得した。

富山駅前に帰ってきた。あらためまして、目指すは寿司である。

駅の中にあるお土産市場の奥の寿司屋さん。廻る寿司だがインターネットでは、評価が高い。行列もできている。登山帰りの人たちも並んでいる。間違いなかろう。

待ち時間が程よく食欲を促進する。

私達の順番になり、座席に案内される。

「フー!おつかれさん!」

安心して座れるというのは本当に幸せだ。

とりあえずビールを注文し、おすすめなるいろいろ美味しそうなお寿司が入ってるセットを注文した。

ビールで乾杯。何度やってもこれはいい。

寿司が来るのを待ちながら、今回の登山を語りあう。

「仕事明けで、間に合うかドキドキしながら集合した大阪駅

「スムーズに乗り換えたケーブルカー」

「360度パノラマの室堂平」

「真っ青なおめめのミクリガ池」

「暑いけど雪の雷鳥坂」

「おいしかったカップラーメン」

「大きな大きな剱岳

「意外と暑かったテント泊」

「見事な朝焼けの剱岳

「泣くほどうまかった朝ごはん」 

「気持ちいい道立山縦走」

「ちょっとびびった富士ノ折立」

「みんなで拝んだ雄山の神社」

「疲れが癒えたみくりが温泉」

「胃に染み込んだ生ビール」

そして

「奇跡の再会KさんMさん!!!」

と、卒業式のセリフのように振り返る。

まあ、今回のメインイベントは明らかに「再会」だった。

次回、またどこかできっと会えることを祈りつつ、目の前に出されたお寿司をかっくらう。

「うめえ」

「おいすい」

「たまらんすね」

「いやーもうここに住みたい」

f:id:fujikixblog:20180802070123j:plain

移住の意思まで持ち出してくるこの寿司の魔力、おそるべし。

廻る寿司なので、「なので」というのはおかしいが、リーズナブルだ。どんどん美味しそうと思われるものを注文する。

何を食べても美味しい。登山の疲れだけでなく、本当に美味しい。

美味しいものは勢いよく食べれてしまうので、満腹になるのも早く、それがちょうどよく新幹線の時刻と重なった。

「うし、かえるべ」

「ほい」

新幹線のホームに上る。寿司のネタの名前は覚えてないが、このホームに上ったときの蒸し暑さは覚えている。なんじゃこりゃあ。これが下界の気温か、、、

大阪の現状をやや心配しながら、我々は新幹線、そしてサンダーバードに乗り換えて大阪に向かった。

その道中、来月は「槍ヶ岳」ということに決まった。

というわけで、帰ったら即、はじめての槍ヶ岳のために下調べ開始だ。

登山の終わりは次の登山の始まりである。

今回は大したネタもないので、勝手に作った雑誌でもご覧いただければと思います。

では、今日も良い一日を。

f:id:fujikixblog:20180802065541j:plain

f:id:fujikixblog:20180802065559j:plain

f:id:fujikixblog:20180802065614j:plain

f:id:fujikixblog:20180802065637j:plain

f:id:fujikixblog:20180802065708j:plain

f:id:fujikixblog:20180802065739j:plain

f:id:fujikixblog:20180802065759j:plain

f:id:fujikixblog:20180802065825j:plain

 

ふりだしに戻る

www.yamakamera.com

立山縦走 その11 下山そして温泉編

雄山を下りる。この先を降りると、一旦「一の越」という場所につく。そこまでこの坂は、延々とガレ場になっていて非常に危ない。しかも下からわんさかと登山者が登ってくるので、避けながら譲りながら石を落とさないように歩くのはなかなか難しい。

f:id:fujikixblog:20180801030337j:plain

室堂から一の越、そしてここを登って雄山に行く、そしてUターンして帰るというルートが主だっているので、自然とここは渋滞になる。所々、登りと下りで道が違っていた。目印表示もあり、整備されていた。

f:id:fujikixblog:20180801030416j:plain

こういうのは誰がやっているのかと思うと、その答えの人達がそこにいた。土木業のお兄さんたちが石を運んで道を作っていた。道は自然とできると思っていたが、なるほどこうやって崖っぷちの道も作っておられるんだと思うと、小石で転がしてはいけないなと深く思った。

30分ほど下り、ようやっと一の越山荘に着いた。ここは鞍部になっていてこの先登り返すと浄土山に着くが、もう今回は十分山は堪能したとの事で、そのまま室堂平のほうに下山することとなった。

ここから先はさらに整備された「道」になっている。特に難しい事もなく歩ける。例によって、隙間の大きな石畳なので悠長には歩けないが、今までの登山道とは月とスッポンである。

f:id:fujikixblog:20180801030517j:plain

よく、下山後に舗装路に出て思う事がある。それは「平らな舗装された道」というものがいかに効率よく物を運ぶか身をもってわかるのである。こんなに楽チンに歩けるなんてズルい。と。

大いなる石畳は、雪渓にとざされる。その雪の上を歩く。最後のリクリエーションだ。ふとその雪の上のほうを見るとスノーボードをしている人がいた。しかも旗を立てて、ターンの練習をしている。なんでこんなところにまで来て、スノーボードの練習なんかしているのだろう。

まあお互い様だが。

f:id:fujikixblog:20180801030626j:plain

f:id:fujikixblog:20180801030704j:plain

f:id:fujikixblog:20180801030739j:plain

それにしても雪を纏った室堂はきれいだ。一面が雪の時期に来てみたいと思っていたが、これはこれでとても美しい。

f:id:fujikixblog:20180801031806j:plain

f:id:fujikixblog:20180801031851j:plain

f:id:fujikixblog:20180801031930j:plain

途中、ブラタモリで有名な、石を見て、目指すみくりが温泉に向かう。しかしここで最初で最後の道間違いをしてしまい、温泉まですぐそこという曲がり角を間違えて、まさかの地獄階段に向かってしまった。オソロシア地獄階段。

f:id:fujikixblog:20180801031440j:plain

 

何事もなかったように引き返し、温泉のある建物に着いた。

ごーーーーる

その先のでは硫黄の煙を吐き出している火口のようなものがある。出来立てホヤホヤの温泉が楽しめそうだ。

玄関で靴を脱ぐ。たまらん。もう動けん。

最後の力を振り絞って起き上がる。

だいたい30分後、という感じで、それぞれ温泉に入る。

ロッカーに服を入れて、何もかも入れて、ドアを開ける。

フワッと暖かい風が吹いた。エコーのかかった音がする。

一番近くの蛇口のある洗面場に座る。お湯を出し頭にシャワーでかける。

ジャワワワワワー。

あーもう、このお湯で溺れ死んでもいいです。幸せです。幸せでした。

全てが無になる。シャワーの音しか聞こえない。目を瞑っているのか、開けているのか忘れるくらい脱力していた。

無限に頭を洗う。気持ちいい。

永遠に身体を洗う。心地よい。

そして、洗い流し、湯船に浸かる。

テルマエロマエ〜。ロマエ〜。

ぷはー。熱いお湯の波が身体をもみほぐす。

周りを見ると、みな明らかに登山者ばかりと思える人ばかりだ。みんな、ここがゴールなのだ。ここがメッカなのだ。ここに巡礼をしに一生をかけてくるのだ。そんな気がした。

ぶつぶつ思ってはや30分、そそくさと出ることにした。

嫌々服をまとい、外に出る。そこは食堂になっていて、相方がすでにいた。

「ビールとか」

「いいねー」

というわけで、サイコーの一杯をいただいた。

 

f:id:fujikixblog:20180801031316j:plain

あー、もう、何にもいらない。

白えびの天ぷらをいただく。

おー、もう、わかってるぅー。

というわけで、私たちはしばらく、くたばった。

 

続く

www.yamakamera.com

 

立山縦走 その10 のどかなトレッキング編

この空間は特別だ。目の前に悠然とした山を見つつ、ここで食べようと決めたとっておきお菓子と、沸かしたてのコーヒー。インスタントだが。

f:id:fujikixblog:20180731063944j:plain

そして、この朝の太陽が景色を彩るために光を注ぐ。これほど大胆で優雅な一瞬はなかなかないだろう。違いをわかろうとする男、ジャンイチ。

よく考えたら、毎日いや毎分毎秒、太陽は地球のどこかを朝日で照らし人々に勇気を与える。その反対側で夕陽として光を照らし、安らぎを与えているのだ。

その地球と太陽がもたらす光と陰の境目にたまたま私たちはいるのだ。

朝日、夕陽が綺麗と感じるのは、朝日を見ると、「よし、今日も生き延びるぞ!!」と元気がでて、夕陽を見ると、「一日、生き延びた、ホッとした」と安心する、人間という哺乳類、当時最弱だった太古のサバイバルの思い出がDNAによって受け継がれているという説もあるらしい。知らんけど。

そんな喜びを舞に込めて、写真に撮る。何枚かチャレンジしたが、なかなか難しかった。

f:id:fujikixblog:20180731062802j:plain

 

さて、本日はのんびりとトレッキングだ。

予定では、この稜線をずっとずーっと歩いて、雄山まで行き、室堂へ降りる。

荒ぶってみる。

f:id:fujikixblog:20180731075505j:image

右には室堂平がずっと見えている。ブラタモリでおなじみだが、ここは氷河と火山の噴火が作り出した奇跡の湿地帯だ。今はないが、ここには大きな火山があってそれが大爆発し、溶岩が流れて、そして、今歩いているこの山地から氷河によって岩石が、室堂平に流れ出す。そうして室堂平はできたようだ。メカニズムはもっと複雑だけど、なんとなく、そんな感じらしい。

f:id:fujikixblog:20180731064032j:plain

そのため、ここ立山には温泉がある。2500メートルに温泉があるのだ。そんな場所はここ以外ない。というわけで最終目的地は、その温泉だ。室堂のバスターミナルの、すぐ隣にある。その名も「みくりが池温泉」。

 

この「温泉」という最高のモチベーションによって私達は歩く、テクテクと歩く。きっとそこにはビールもある。

f:id:fujikixblog:20180731075022j:image

左側、東側は切れ落ちた斜面でそこに雪庇が残っている。この暑い7月にもかかわらずまだまだたっぷりと積もっている。この雪は溶けるのだろうか?

f:id:fujikixblog:20180731062846j:plain

反対側からも、こちら向きに登山者が多くやってくる。この先の小屋泊まりの人達だろうか。剱岳の方に向かうのだろう。登山道は細いので道を譲り合いながら進んでいく。

真砂岳を越える。

f:id:fujikixblog:20180731062928j:plain

そして、平蔵のコルを歩く。この辺までは、なだらかな登山道だ。絶対に迷わない一本道だ。

f:id:fujikixblog:20180731075425j:image

そして昨日の雷鳥坂よりも、全然楽チン。登りもあれば下りもある。景色も良い。これが稜線歩きの醍醐味だ。ゴリゴリのクライミングにも憧れるが、こういったのどかな雰囲気もこれもまた幸せを感じるひとときだ。相方も今日はルンルンと歩いている。よかった。

と、ここから先、もう一踏ん張りしないといけない斜面が待っていた。

 

f:id:fujikixblog:20180731063008j:plain

斜面というのは、遠くから見ると断崖絶壁に見えるが、近づいて見ると、そうでもない事が多い。遠くからだと、遠近感よりも、圧縮効果の方が高く、そしてその斜度は山全体のシルエットの角度と勘違いしてしまう。時には垂直に見えてしまうこともある。圧縮効果はカメラのレンズと同じだ。なので「こんなところ登れるのかな?」と思う場所も着いてみると意外となだらかだったりする。その逆もあるが。

f:id:fujikixblog:20180731063128j:plain

今日の中で一番の斜面を登る。そうして立山の1つ、「富士の折立」にとりついた。ここの山頂に行くには、少しだけゴリゴリ登る。登山道はそこをトラバースして通過するのだが、山頂に行くには、そこからチョロっと登らないといけない。尖っているのだ。

ここに来たからには、登らないといけない。荷物を置いて、いざ。

この時間はほぼ誰もいない。「ほぼ」くらいがベストだ。誰もいないと、写真を撮ってくれる人がいない。いてくれてよかった。

f:id:fujikixblog:20180731064321j:plain

富士の折立を過ぎると、岩場がそのまま続き、大汝山に行ける。ここも先ほどの富士の折立と同じような場所だ。先ほどより人が多い。ここにくる前に、泊まったテント場に併設されている県警の駐屯地の人達だと思われる登山者が勢いよく歩いて追い抜いて行った。すごい速い。

今日は休暇なのだろうか。それともパトロール中だろうか、しきりに無線で交信しているが、雰囲気はピクニックだ。

 

そんな事より、大汝山だ。よく考えたら荷物を置いて行くまでもないのでそのまま上がる。

f:id:fujikixblog:20180731063659j:plain

気持ちいいー。

サイコーー。

f:id:fujikixblog:20180731063809j:plain

ここにずっと居られる、そんな気になるのが山頂だ。

f:id:fujikixblog:20180731063902j:plain

カッコつけたり。

f:id:fujikixblog:20180731064017j:plain

遠くに目的地が見えた。遠い。。。あそこまで行くのか。。。

 

次は雄山である。これで「立山」だ。本当はさらに向かいの「浄土山」も入れて立山らしいが時間的に体力的に、いや気力的に無理な気がするので、今回は浄土山は登らない。

最後の崖っぷちを通り、雄山に着く。ここは霊山であり、ご立派な神社がある。

f:id:fujikixblog:20180731063524j:plain

荷物を置いて、その山頂の社に登る。登るというか、階段を上がる。そのには神主さんみたいな人がいて、祝詞を唱えていただける。なんともありがたい。おまけにお酒までいただける。これが美味かった。サイコーだ。

f:id:fujikixblog:20180731063559j:plain

f:id:fujikixblog:20180731073857j:image

ここ雄山には売店やベンチがある。室堂からピストン登山で、ここにくる人も多い。ここだけ大賑わいだ。

少し早めの昼食。

お湯を沸かし、カップラーメンを食べる。

本日は担々麺だ。見た目はカップラーメンノーマルだが、中身は担々麺だ。リサイクル。

f:id:fujikixblog:20180731063434j:plain

担々麺、、そういえばKさんたちは無事降りれただろうか。

登山で「食べる」というのは、「この後ザックが軽くなる」という嬉しい事でもあるが、よく考えたら、重さは全く減ってないはずだ。ただ背中から胃袋に移動しただけだ。身体のバランスとは大切だ。

とにかく、最後の食事をやり終え、売店でバッジを買い、あとは降りるだけだった。