山と僕とカメラ

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登山初心者のバタバタ日記

相方の富士登山日記 その4 ご来光そして下山編

 相方チコです。

富士山の続きです。

 

 

富士山の山頂はお盆休み最後の日曜日ということもあって、人・人・人で溢れかえっていました。山からこぼれ落ちるのではないでしょうか。

 

日の出まではあと30分ほど。私たちは直ぐにでも日の出がよく見られる場所を確保したかったのですが、ガイドさんに、一旦山頂の山小屋で休憩してください!と言われ、泣く泣く山小屋に入ります。

前回

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山小屋で貰った朝ごはんをもぐもぐタイム。友人はココアタイム。日の出までの短い間、寒さにやられた登山客は、おしるこ、お味噌、豚汁、コーヒーなど、温かい物を次から次へと頼んでいました。寒さは売上に貢献します。

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一息ついたところで、今日のために用意した物をザックからガサゴソ取り出して…

 

 

「お誕生日おめで、、ぐふぁ、わあああボロボロになってる~~~涙涙涙。」

 

 

振り返ること出発前、友人のお誕生日登山、なにかしなければ!、1泊2日の登山に耐えられつつ、かつ、山で役に立つものはないかと考え、前日にチョコがけラスクにアイシングでメッセージを描いてみたのですが… タダでさえ下手なアイシングが、ザックの中で更にボロボロに……。思いでポロポロ、ラスクもポロポロ。

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申し訳ない気持ちでいっぱいでしたが、友人には「気持ちが嬉しい」と喜んでもらえたのでとりあえず良かった。友人はいい人なんです。

そうしてサプライズミッションも無事終了し、そうこうしていると、外がだいぶ赤く染まってきました。いざ、ご来光を見に。レッツゴーアウト。

 

 

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山で見る日の出は、元旦でなくても、手を合わせたくなるような神々しさを感じますが、今、富士山山頂から見ている日の出は、格別に輝いていました。友人にとっては初の、私にとっては10年振りのリベンジ。もう自分からは登らないだろうな~と思っていた富士登山でしたが、偶然誘ってもらって、こんなに素晴らしい日の出を見ることができた、ほんとに来てよかったなと思いました。

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物思いに耽る間もなく、あっという間に下山の時間。登りは夜でしたが、下山はずっと太陽に向かって歩くので、抜かりない日焼け対策をします。

晴れて嬉しい反面、日焼けというのは、どの山でも同じですね。富士山は特に日陰がないので。日焼けは体力を消耗するし、後々のお肌にもよろしくない。以前自転車に乗っていたとき、左半分だけが真っ赤になってしまったこともあり、以来フェイスカバー・アームカバーもお世話になるようになりました。

 

パールイズミフェイスカバー。口部分が開くので呼吸もしやすく、そのまま簡単な飲食も可能。耳にかけるゴムとホックのサイズ調節で、ずれることなく快適です。

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ロゴスのアームカバー。二の腕のゴム部分がきつくないのにズレ落ちなくて、今のところ一番のお気に入り。

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ALLIE のジェル日焼け止め。ジェルタイプなので伸び・馴染みともによく、化粧下地としても使っています。小分けにして山へ持ち運びやすいのも◎。

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(中略)

 

 

無事下山

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下山後はバスで1時間ほど移動し、温泉、バイキング、お土産が買えるワイナリーへ。

大阪からの1日登山は「弾丸ツアー」という印象が強いし、なかなかタイトなスケジュールでしたが、それでも移動や食事の心配もなく、ガイドさんも同行プランだったので無理なく登れてよかったです。富士山からのご来光は最高でしたが、富士山は他の山から見る方が好きかな!笑(←個人の感想です)

 

文:相方

 

編集後記

あっという間に下山、と言うわけでは無いらしかったが、どうも文章を書くのに疲れてしまって、一気に終わらせたらしいです。

皆さん、申し訳ございませんでした。

では引き続き、ジャンイチブログをよろしくお願いします。

編集長:ジャンイチ

北穂高岳敗走記 その6  カレーなる敗退編

徳沢といえば、徳沢園のカレー。大盛りカレー。

時刻的に、少し心配。15時を回っている。荷を担いだまま食堂に入って確認する。

無念 。

14時半で終了だった。いやいや、しょうがないしょうがない。

毎回毎回カレーばっかりも食べてられない。今夜は麻婆春雨だし。うん。

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前回

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テントの受付、ビールの購入、テントの設営。速やかに成し遂げる。

今までで一番テントの張りが早くて良い、と、毎回徳沢で思わせてしまうこの平らで芝の環境。

と、次第に天気が悪くなってきた。そして雨が降ってきた。

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結果オーライなのか、どうなのか、とにかく無事に疲弊した相方を下界に下ろすことができてよかった。明日は雨でも安心。

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テントに無理やり土間シートを天蓋にして、雨を凌ぐ。これが意外とちゃんとできた。ちゃんとではないけど、できた。そしてその下でご飯。

ゆるキャン大成功。

 

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徳沢には徳沢園、そして徳沢ロッヂという素晴らしい2つの宿があって、その間に広大な芝生のテント場がある。これにより、徳沢園のカレーとソフトクリーム、徳沢ロッヂのお風呂、そして芝生のテント、これで快適なキャンプ生活が過ごせるのである。

というわけで、例によってお風呂に入りにいった。

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風呂上がりは暗くなっているので、ヘッドライトを忘れてはいけない。せっかくきれいになったのに泥にハマっては台無しだ。

 

雨はまだ降っていた。テントの中で時間を潰す。

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明日のことを考えていた。晴れた場合、明日の3時まで何をするか。雨ならどうするか。と考えているうちに、眠ってしまった。

 

たまに目が覚める。トイレに行く。まだ雨が降っていた。

これは、明日も雨だな、明日はここでのんびりと過ごそう、たまには良い。

 

あさが来た。少し晴れている。空は上半分、青い。本日は晴天なり、天気は良いようだ。まんてんのおひさま、とはいかないまでも、まれにさす陽射しが心地よい。これが涸沢だったらとおしんでも仕方ない。今日を楽しもう。私の青空を楽しもう。登山一年目のあまちゃんひよっこな私達に、純情きらりである。

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それにしても、今回は傘を持ってきてよかった。登山はもちろん、テント場での移動には欠かせない。前回の岳沢のパラソルマダムを思い出す。

さあ本日は何をしよう、蝶ヶ岳、時間がない。西穂高山荘までロープウェイ、時間がない。

しまった。もう少し早く撤収すればなんとかなったかもしれない、いや、どうだろう、厳しい気がする。

カレーのにおいがしてきた。ああ、徳沢園のカレーだ、あれを食べようか。。

カレー

カレー

岳沢カレー、前回食べそこねたなぁ、、食べたかったなあ。

ん?

んん?

もしかして、行ける??

想像するより、とにかく地図を見て時間を測ってみた。

い、行ける、行けてしまう。

「岳沢にカレー食べに行こう!」

「おおーー」

決まった。

そうと決まれば撤収だ、大急ぎでテントを片付ける。

これ以上ないスピードだった。カレーの持つ潜在能力にまた感動した。

上高地のターミナルに荷物をデポするので、必要なものだけアタックザックにあらかじめ入れてパッキングする。

大急ぎで歩かなくてもよいが、それなりに時間はない。

今回は上高地でのお風呂は当然なしだ。「カレー>風呂」という公式が成立していた。

荷物を担ぎ上げ、上高地に向けて歩く。

今回で一番相方の機嫌がいい。

天気とカレーの為せる技なのか。

恐るべし。

相方の笑顔を見たのはいつ以来だろうか。ホッとした。

上高地までは、明神まで1時間、そこから更に1時間かかる。

今からだと、上高地に10時、そこで荷物をおいたりして、岳沢登山口が10時半、そこから12時半までに岳沢小屋に着けばいい。13時を回ると、少しやばい。

バスは15時半、せめて14時45分には上高地に着いておきたい。行きにかかった時間と同じだけ帰りも要する。30分の差は1時間の差になるのだ。という事を相方にはプレッシャーになるので、何も言わず、ただ褒めちぎって歩いてもらうことにした。

そうしてひとまず、上高地に定時で到着したのであった。

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荷物を預けて、大福を食べて、いざ、岳沢小屋に向けて出発である。カレーが私達を待っている。

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続き

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北穂高岳敗走記 その5  パノラマコース編

夜中、目を覚ますと雨は止んでいて、星が出ていた。穂高がシルエットで見えていた。このままずっと晴れてくれていたらいいが。

まだ、起きるには早かったので再度、眠りについた。

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日の出前にもう一度起きた。のんびりした朝だ。夜明け前アタックが無しなので、その準備をすることもない、特にすることがない。ゆっくりトイレに行く。

 

前回

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トイレから帰ってくると、モルゲンロートが終わっていた。皆、「少し見れたね」と言って喜んでいた。残念、見たかった。相方は起きていて見れたようだ。良かった。

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雨は降っていない。登頂を目指す登山者も多い。今日の予定をどうするか話し合った。とはいえ、今日の天気を読まないと話し合いもなにもない。私のスマホは圏外で、相方のスマホは昨日の雨で水没状態で死んでいた。ということで、登山案内所なるものに行って聞くことにした。

「今が一番天気が良くて、これからどんどん崩れていくでしょう」

とのこと。この言葉を信じないようなら、案内所にいった意味はない。

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午後から雨が降るかもしれない。その雨が降る前に横尾か徳沢に降りなければならない。明日が晴れるという保証は全くない。

穂高に登るという選択肢はなくなり、涸沢で午後までのんびりするという選択肢さえもなくなった。

とりあえず、朝食は食べる。

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朝を過ぎた涸沢は人が少なく静かだ。晴れ間が見えてきたので濡れたものがよく乾く。

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ゆっくり片付ける。夜には穂先が見えていた山々は、雲の覆われていた。たしかに天気は完全に晴れとは言えない。

穂高と奥穂高を結ぶ吊尾根が一瞬見えた。そしてまた雲に包まれた。

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テントを畳み、他の荷物と一緒にザックに詰め込む。相方から重いものをこちらに入れる。私のザックはHyperlite社の3400なので55リットルほどしか入らない。せめて70リットルのザックで来ればよかった。次回からは相方が手ぶらでも降りれるよう考えないといけない。

パンパンになったザックを背負い、下山を開始した。

相方が「パノラマコースで帰る?」と聞いてきた。横尾を通るルートと、かかる時間はたいして変わらないので、そうすることにした。距離的には2/3程度だが同じ時間ということは、同じ距離でも1.5倍かかる道ということだ。なんとなく想像がつく。

という発言からして、体調は悪くないようだ。あんまりそこに触れて心配しすぎてもよくなさそうなので、昨日のことは忘れておく。

パノラマコースについてはあまり調べてはいなかったので、再度案内所に行って聞いてみた。一応このルートは登山地図では破線のコースなので。長野県警の人がいた。

「アップダウンがあって沢もあります、足元が大変危険です」

「西奥や大キレット的な?」

「いや、そんな感じではありません」

「ここからルートは目視できますか?」

「はい、あの先に先行登山者がいますよね、あそこまでそこから道が続いていて、あの鞍部を抜けて降りる道です。」

「ありがとうございました!気をつけて進みます」

「お気をつけて〜」

こんな感じだった。

というわけで、出発。登山口は昨日、ここについた場所と同じ。昨日到着直前に「パノラマコース」という看板があった。

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先に行く人が数組いた。その中にはまるでハイキングにでも行くかのような軽装で入っていく女子5人組がいた。まさか下までは降りないだろう、きっと涸沢がきれいに見えるところまでのお散歩だろうと思っていた。

登山道は緩やかなトラバースから始まる。下山コースなので大きく登る箇所はないはずだ。ただし、このまま平坦な道が続くのも困る。コースは横尾コースの2/3だ。ということは斜面も単純に考えてかなり急なはずだ。ここが平坦であっては、貯金を使っているようなものだ。

と考えながら、ロープの張られたトラバースを行く。相方にハーネスを付けて確保しながら降りるか聞いた。答えはノーだった。そんなにおっかなくないらしい。よかった。

振り返ると穂高に包まれた2つの建屋、そしてカラフルなテントが見えた。

ここからしか見れない景色、という意味では、このルートでこの景色を見ることは有意義である。しっかり目に焼き付けておく。

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登山道はしばらく斜面が続いていく。定期的に休憩を取る。先行のピクニック団は足が早く、もうとっくに見えない。もしかしてほんとにあの格好で下に降りるのかもしれない。おそらくはヒュッテか小屋のアルバイトの人だろう、休暇を頂いて下に降りて楽しむのかもしれない。ツワモノだ。

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向かいからご老人夫婦がやってきた。失礼だがかなりの老齢だが、元気そうにやってきた。

だが、ほとんど人がいない。横尾コースの人口を100とすると、パノラマコースは0に近い。鞍部近くに着いた。

先程のピクニック女子が引き返してきた。やはり散歩だったようだ。散歩にしてはワイルドすぎる小道だが。ということは、やはりただの登山者なのか。

彼女らの挨拶でアルバイトの人達だと確信した

「お気をつけて」だかそういった感じの言葉だった。きっと、ここまで来て話さないといけない秘密話でもあるのだろう。

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この先に少し見ごたえのあるトップがあるが、登るかと聞くとノーだったのでそのまま上高地側に降りることになった。

ここから徳沢も見えていた。

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ここからは、ザレ場の下りだ。明確な「ここが足場ですよ」と聞こえる石はなく、なんとなく自分で判断して足場を確認しながら降りる。

時刻は12時。休憩にちょうどいい大きな平たい岩がある場所だったので昼食を取ることにした。

相方の体調は悪くなく、むしろはやく徳沢に着きたいというモチベーションが感じられた。やはり、前に向かう気持ちは大切だ。昨日とはまるで違う。

パンを食べ、コーヒーを淹れる。

美味しい。

天気は不安定だが、ザザーと降ることはなく、霧のような雨が降ったり晴れたり。

このまま持てばいい。明日は雨でも徳沢からなら頑張って歩いてもらえそうだ。

今まで相方の登山は天気が良い日ばっかりだったので、雨の登山にショックを受けて気持ちが後ろ向きになっていた。後日聞くと、本谷橋らへんで、ザックを川に捨てて帰りたいという気持ちだったらしい。この登山以来、「雨の日の登山」的なサイトを良く見ている。という意味では今回このような形で敗退したのもよかった。昼食を終え、更に進む。途中、息絶え絶えの男性二人組とすれ違った。確かにココらへんは急登だ。沢なので石は丸く登りやすいのだが、その下からずっとこの傾斜なのだろうか、そんな心拍数に見えた。

後ろから団体が来たので道を譲る。おそろいのヘルメットにお揃いのハーネス。クライミング目的だろうか。たしかこの先にそんなスポットがあったような。でも時間がおそすぎる。いや、屏風岩から終えて来たのか、それにしては軽装だ。とにかく道を譲る。

そして黙々と降りていく。次第に樹林帯域に入り、そこに流れる小さな沢を下る。これが、一番やっかいだった。低地に近い環境なのか、ツルンとした岩に苔が生え、体重を任せにくい。一歩一歩というか、半歩半歩という感じだ。

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登山靴も底が硬いタイプなので、それもあってつるつる滑る。

これできっとコースタイムが伸びているのだ。この感じが延々と続いた。

一つの沢を途中までおり、トラバース、また似たような沢を降りる。この繰り返しだ。

苦行だった。足首をひねらないように注意しながら降りた。2時間は続いただろうか、やっと大きな沢に出た。地図上はここから等高線の間隔が広い。あとはなだらかな斜面のはずだ。

先程のヘルメット団がいた。右手に向かえばクライミングコース。左手は下山コース。

左手に降りていった。どうやら、ガイドツアーだったようだ。

私達も同じく左手に進む。道というより川の中を下る。振り返って考えると、このコースを逆に登るのは、かなり厳しい。目的がトレーニング以外では使う必要はない。上にロープウェイがありそうな登りコースだ。横尾コースの必要エネルギーとは比べ物にならないだろう。となるとあの老夫婦は本当にすごかったようだ。

横尾からならば、ほとんど歩くだけで「登る」という印象はなく涸沢につける。よくできた登山道だ。

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沢をしばらく降りると、見えてきた。橋が。

昨日見た「新谷橋」だ。あの橋を渡ると、今回の次の目的地、徳沢に着く。

橋を渡る。まさかこの橋をわたるときがこんなに早く来るとは思わなかった。

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橋を渡り終え、しばらくすると、見慣れた茶色い建物が見えてきた。

徳沢に帰ってきた。

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つづく

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北穂高岳敗走記 その4  涸沢到着編

ここまでくれば、後はただ、進むだけだ。

雨は一向に止む気配はなく、しだいにその雨は強くなってきた気がする。

しばらく休憩する。周りには同じく休憩している人がちらほらいる。それにしてもこの雨は、ほんとに止まないのだろうか。明日から晴れるのだろうか。

 

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前回

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休憩の後、出発だ。斜面をしばらく登り、そこからは緩やかな坂道、沢沿いを歩くのだが、石はある程度平たく、足は置きやすい。

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しばらくして、傘をさして歩くことにした。風は若干あるものの、傘が飛ばされる程度ではない。

GWの雪道以来のこの涸沢までの道、通った記憶がある場所と、こんなところ通ったけな、という場所が入り交じる。前回は雪の下は土だと思っていたのだが、石の道だとは驚いた。

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ペースが次第に落ちてきた。休憩後から相方が先頭にたって彼女のペースで進んでいるのだが、若干ゆっくりになっている。そしてそれは20歩に一回休憩を挟むようなり、そしてその休憩は長くなってきた。涸沢まで30分から1時間ぐらいだろうか。少しづつでいいから進めば、そのうち着くので無理はしない。充分休んでも大丈夫だ。

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相方のザックから、重いものを取り出し、こちらのザックに入るだけ詰め込む。

少しは楽になったかもしれない。だが、雨のため、多少水を吸い、ザック自体が重くなっているらしい。もうすこしだ。頑張ってほしい。

ここから徳沢に引き返していいが、進んでもいい。おそらく進んだほうが楽だ。

相方のモチベーションは低く、完全に雨にやられていた。相方もGWのこの道を経験している。残雪期のそれよりはしんどいらしい。私の感想とは逆だった。

休憩の後、涸沢に進み始めた。先程よりは、テンポがよい。聞くところによるとやはり幾分かは軽くなって楽なようだ。この気持ちが続いているうちにゴールに着くことを願った。反省、疲れは両者50:50であるほうが、共有できる。もちろんすべて安全側の範囲内での話だが、体力の差を十分考慮し、雨の疲弊も考え、持てるだけ私が持つべきだった。次回からの荷物割当はそうしようと決めた。恐るべし雨の作用。

雨と雲のためGPSが効いていない。現在地から目的地の距離がどれくらいか、知らせることができなかった。「もうすこし」という言葉は3回ぐらい使うとそれ以上は逆効果なので、悩む。

GWのころは目的地が見えつつ近づかなかい状況にもやもやした。今回もそんな感じかなと思っていたのだが、雲のせいか、夏道のせいか、山小屋はいっこうに見えなかった。

沢を渡り、看板が見えた。「↖涸沢ヒュッテ、涸沢小屋↗」と書かれている。

地図を参照すると、もうすぐだということがわかった。

もう目の前に来ていた。その手前で、凹んでいたのだ。

そして10分ぐらい林の中を歩いたであろうか、目の前に急に建物が現れた。

暗がりの海上、小舟に乗って漂流していると、急に大きな客船が目の前に現れたかのようだった。

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正面から入るのかと思ったら、西側の脇からヒュッテに入る。こんなコースだったのか。

着いた。

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食堂の周辺には人が雨の中、食事を楽しんだり、ものを買ってたりしている。

その中を抜け、テント場に向かう。

涸沢小屋の方を見ると、その右の沢、北穂高に登るルートは滝と川になっていた。なかなかの雨量だ。

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雨なので、オープンデッキで休むこともできない。とにかく濡れていない場所を作り、濡れていない服に着替えたかった。

テント場で程よい場所を見つけて、テントを張る。すでにコンパネが置かれている場所だったので基礎づくりは無く済んだ。

雨の中のテント張りはなかなかつらい。いつもより時間をかけて完成した。

服を着替える。外はまだ雨が降っている。時間は4時を回っていた。

食堂エリアでご飯を作ることにした。

12人ぐらい座れるその席は来たときから満員だった。行ってみると、まだ席は空いていなかった。宿泊ではないので、あたたかそうな室内には入れない。

暫く待つ。15分くらい後、一組が食事を終え、席を立った。そこに座る。

椅子というのは素晴らしい。心地よかった。

パスタを作った。

そそくさと食べ終え、テントに戻った。

涸沢までの道中、相方が疲れ果てているとき、帰りの距離に不安を覚え、「もし明後日もこんな雨だったら、涸沢から上高地まで、一日で降りれる気がしない。」と言っていた。確かにそうかもしれない。それほど相方は疲れていた。

明日からの穂高岳はまず晴れていても登らないほうが良いようだ。というのも、例えば早朝から登って午後に降りてきて、テントを片付け、そこから横尾か徳沢に明日中に降りる、そうすれば三日目は雨でも楽な行程になるのだが、逆にその方が明日、体力的に、時間的にそうとう難しい。そもそも、相方に穂高に登るモチベーションは無くなっている。そんな気持ちで絶対に山に登る訳にはいかない。置いて一人で行くわけにもいかない。たとえ一人で登ったとしても、明日の下山のタイムスケジュールはさほど変わらない、雨が降っていたらなおさらだ。だが、明日、相方のテンションと天気が回復している可能性もないこともない。

そんなことを考えながら、ポツポツと雨音を立て、ゆさゆさと風で揺れる涸沢のテントでねむりについた。

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つづく
 

 

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北穂高岳敗走記 その3  止まない雨編

午後からは晴れると、予報では出ている。

雨量の多い時間に、わざわざ急いで涸沢に行く事もない。雨が少し止むタイミングを見ながら、明神館を出ることにした。

30分後、やや小雨になった気がしたので、明神館から出発することにした。まだまだ先は長い、せめて16時には着きたい、晴れていれば全然余裕の時間だが、もし雨が降り続くようならペースも遅くなり、ギリギリであろう。

 

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前回

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またもや、水たまりだらけの道を歩く。時刻とともに、山の上のほうから上高地に帰ってくる登山者とすれ違うことが増えてきた。

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すれ違う人の、着用している衣服の状態でこの先の天気などがわかる。

間違いなくこの先も大雨だ。皆ザックカバーをかけ、レインウェアで降りてきている。私たちより濡れている。

天候はここまで崩れることは考慮していなかったのだろう。誰一人傘を持って歩いている人はいなかった。最終日の早朝のためだけに傘を待って行く人もいない。私だってそうしない。または、涸沢や槍沢は風が強く、傘がさせない状態で、すでにずぶ濡れになったのかもしれないが、とにかく皆、濡れていた。私達と、唯一違う点は、水たまりだろうがなんだろうが、気にせずただ黙々と前へ進んでいた。なんとなく気持ちがわかる。

次に目指すは徳沢である。とにかく屋根のある場所に行きたかった。傘はさしているものの、やはりかなり濡れてきた。

桜の木がある場所に近づいてきた。5月に雪で押し倒されて、その後、支えを使いながらも再度、地に根を張った状態に戻った桜の木。

この前の台風21号でこのへんも被害があったはずなので心配だった。

桜の木があった。大丈夫だった。良かった。

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そこをすぎると、もう徳沢だ。

徳沢の小屋についた。とりあえず、休憩をする。時間的にもぜんぜん大丈夫だ。ほかの登山者も同じ様に休憩している。

中に入り、またコーヒーを頂く。何回飲めば気が済むのだろう。

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雨は強くなったり、ふっと小雨になったりを繰り返す。

雨雲レーダーを見ると、もう少し待てば雨雲が抜ける予報だった。ここは焦らず、じっくり待つことにした。

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待つ間、山頂で飲む缶ビールを買った。上よりは少し安いのでここで買って持って上がる。水はまだ十分にある。次の横尾で、再度継ぎ足そう。

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レーダーで雨雲が抜けた。

だが窓の外の雨は、一向に止む様子がない。レーダー干渉が記録できないくらいのうすい雨雲が上にあるということだ。ということは、今後、もうこの雨雲レーダーの意味はもうない。止むこともないかもしれない。

前へ進むことにした。

徳沢を出て暫く行くと、橋が見える。「新村橋」という橋だ。涸沢から前穂高のはしのはしの峠を渡って、横尾を通らず、ここ、新村橋に直接出るコースが有る。パノラマコース、という名前がついている。

その橋を左手に見ながら進む。ここから次第にゆるい坂道になる。

相方は冗談で「もう、私、さっきの徳沢でテント張ってもいいかなー」なんて言う。

後日聞くと、冗談ではなかったらしいが、そのときは冗談だと思った。

坂道に流れる雨の川を進んでいく。けっこう休憩が長かったので、わりと周りにいる登山者は少ない。みな、じゅうぶんベテランなのだろう、雨を全く気にせず進んでいった。

途中、道端に松ぼっくりが削られて落ちていた。何個も。

そしてその先には、猿がいた。彼らが食べていたのがさっきの松ぼっくりだ。美味しいのだろうか。

人間はいつから調味料を使うようになったのだろう。不思議だ。

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猿にカメラを向けると、「シャーーー!!何カメラ向けてんねん!わしゃあ食事中じゃけ、邪魔をすな!シャーーーーー!!」と怒られた。

ごめんごめん、と言ってさようならをした。

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すれ違う登山者に「こんにちは~」とご機嫌に、声を掛けずらい雰囲気があった。みな、疲れ果てて降りてきていた。明日は我が身だ。

徳沢を出て、一時間後、横尾に着いた。ここは雨をしのぎつつ座れる場所がなかったので仕方なく、トイレ前の屋根の下でザックを下ろし、休憩をした。

少し早いが、昼食。買って持ってきたパンを食べる。美味しい。

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諦めがつかず、再度スマホで雨雲レーダーを見る。画面には雨雲はない。目の前は大雨だ。スマホをポケットに戻す。

此処から先は、傘を指して行くのは危険かもしれない。岩や、根っこが多く、バランスを取りながら歩かないと滑って転ぶ。

傘をしまい、トレッキングポールに替える。

フードを深くかぶり、水を調達し、出発。

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水滴が当たる面積が傘よりもフードの面積のほうが小さいのか、傘の湾曲した効果のせいか、さきほどよりも雨音が小さく聞こえる。こういうことは普段からあるだろう。ポツポツと傘をさしている時の音よりも、実際は雨が降っていないことが多い。

まあ、今回は十分降っているのだが、気持ちは幾分傘をささないほうが、楽なのかもしれない。実際は濡れるのだから、体力の消費の差は激しいはずだ。なだらかな道になったら傘に戻すほうがいい気がする。風が吹いてなければなお良い。

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この先、雨の中、滑りそうな石と、全く信用できない木の根と、その木の根の間の茶色いぬかるみの連続に、肩がこる。ずっと下を見続けないと危ないのだ。おかげで屏風岩はいつの間にか視界から消えていた。

細い道ゆえ、登山者の列は、グループでなくとも、一つのユニットになりやすい。その中で、ペースの最もゆっくりの人に合わせるのでどんどん列は伸びていく。まあ、今回は私達もかなりゆっくりなので、全く問題ない。むしろこのまま後ろをつかせてもらったほうが良かった。

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「お先どうぞ」

言われてしまった。仕方なく、止まった隊列の隙間を通り前へ出る。

こういうときは後ろが絶対いい。前方で何が起きてるかが、隊列の伝達で後ろに伝わりやすく、例えば、先頭がチェックポイントに着いたとき、おや、そろそろ休憩だな、と後ろでも、なんとなく、わかるのだ。反対に先頭や、単独の場合、もうすぐ、という間もなく、チェックポイントに着いてしまう。あの「もうすぐ」というあれは、とても役に立つ。頑張ったり、リラックスしたりできる。

ところどころ、台風で折られた木が増えてきた。やはりここも猛烈な風が吹いたのだろう。通路にまたがる木は、きちんと整備されて撤去されていた。ありがたい。

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そんなこんなで、前触れ無く本谷橋に着いた。チェックポイントだ。

ここを渡ると、しだいに傾斜はきつくなる。山裾をトラバースしながら登っていくのだ。

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ここで十分に休憩をとる。この先はあと二時間で着く。普段なら。今日はどれぐらいで着くだろうか。

午後に差し掛かっていたが、雨は一向に止む気配はなく、むしろ強くなっていた。

 

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 つづく

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北穂高岳敗走記 その2  雨の上高地編

バスに乗り込んで、おにぎりを食べながら、スマホで天気予報を確認する。

明日は午後から回復ということなので、最初のほう我慢していればなんとか安全に涸沢に着きそうだ。

今は雨は降っていないので、もしかしたら天気予報が外れてくれるかもしれない。

まあ、あまり考えてもどうしようもないので、諦める。それにしても空席が多い、あれから更にキャンセルが増えたのだろうか。バス会社にとっては大切な連休の週末、天気による減収はとても痛手だろう。

ありがたい乗客を乗せ、バスは新大阪、京都に停まり、上高地へ目指し進んでいった。

 

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前回

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それにしても、せっかく高速道路に入ったのに一旦降りて京都駅によるシステムは、なんともあれだ。京都に住んでる人にとってはとてもいいのだろうが。そうか、高速道路が京都の主要地域にまで伸びていないのが悪いのだ。景観的には悪くない、致し方ないのだろうか。地下とかじゃあ駄目なのだろうか。そもそも京都駅はなんであんなとこにあるのだろうか。理由はなんとなくわからんでもないが。

電気が消え、先程まで賑やかだった団体も静かになってくれた。人は暗いと静かになる。

目をつむり、なにか考え事をしているとそれが夢に繋がり、やがて思考せずとも物語が始まっていく。夢中、まさに夢の中では物語に夢中なのだが、ドスンと揺れるたびに夢が終わる。そしてバスの中に私は舞い戻る。

休憩のためにサービスエリアに着いた。雨が降っていた。おお、そうか、やはり雨なのか。小雨程度なのでまあ、問題ない。この雰囲気が上高地まで続いていることを願う。

休憩を終えると、再びバスは発車する。やはり天気が気になるのでもう一度、スマホで確認するが、天気予報は変わっていない。今回念のために持ってきた傘があるので、それをさして前半は乗り切れるはずだ。

二度目の休憩、バスを降りると猛烈に雨が降っていた。

まじですか、これですか今回の雨は。

少しドキドキした。これは結構は雨だ。一時的な集中豪雨かもしれない。おとなしくなれ。

あまり寝付けない。狭いバスの車内というのもあるし、窓の外のせいでもある。だが、時間は真夜中、次第に脈略のない夢の中に舞い戻っていった。

体が左右になだらかに揺れている。そして振動が収まった。外を見ると、トンネルの前で停まっている。例の上高地手前のオープンゲート待ちだ。雨は降り続いている。いつの間にここまで来たのだろう、5ページぐらいしか夢は進んでいない気がしたのだが。

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ゲートはしばらくすると開いてバスはトンネルに入っていった。

トンネルを出ても、当たり前だが、雨だった。

いや、切り替えて雨を楽しもう。楽しめなくても前に進もう。そのために来たのだ。周りの皆もおんなじだ。

バスは大正池でいったん停まり、そこで下りる乗客をおろした。だが乗客はまたすぐにバスに入ってきた。そしてバスは発車した。間違えたのではない、たしかにここで下りるような、会話をしながら降りていった。きっと一度降りて雨の多さにやられ、屋根のないバス停、出発の準備をすることができないので、帰ってきたのだろう。たしかに屋根のある上高地バスターミナルまで、いったほうがいい。

バスは問題なく上高地に着いた。

雨。

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いや、これは止む雨、午後には止む雨、気にしない。

私達は案内所の中にはいり、雨の準備をした。中にはすでに日本全国から来た登山客が大勢いて、いや、連休にしては明らかに少ないか、皆、雨の準備をしたり、朝食を食べたり、雨の止むのを待っている様子の人もいた。皆、これぐらいの雨、といった感じで、慣れたご様子で過ごしている。諸先輩方、励みになります。

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途中のサービスエリアで買ったご飯を食べながらザックから雨具、傘を取り出し、ザックカバーをかける。

準備が整ったところで、出発。

いざ、というより、なんとなく出発した。6時。

河童橋、誰もいない。まあ、この時間だから晴れていてもそんな感じだろうが。

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傘をさす人、ささない人、どうあれ皆一路涸沢を目指して遊歩道を進んでいく。道は水たまりが広がって、まさにどこも池となっている。靴が浸水しないように橋の方を歩く。ジグザグに濡れていない地面を探しながら歩いていく。

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そうやって夢中になっているといつのまにか一時間が経過し、靄の向こうに最初のチェックポイント、明神館が見えた。

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明神館という山小屋施設、その一階は広い食堂兼ロビーになっている、そこで一旦休憩できるはずだ。建屋の前で人がいっぱい並んでいた。どうやらまだ開いていないようだ。トイレを済ませた頃にちょうどよく開いた。中に入り、ザックを下ろし、休憩する。コーヒーを頼んだ。温かくて美味しい。まさか、出だしからこんな休憩をすると思わなかった。だが、私達はたしかに、そうしたかった。

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つづく。

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北穂高岳敗走記 その1  出発編

この連休は、以前から決めていた「剱岳登頂」。

で、タイトルが北穂高となっている理由というと、天気。

この連休、雨が降り続くらしく、C→C→B、とまるで往年のバンド名のような予報だ。

とはいえ、行ってみないとわからないのもあるし、行っても、剣沢で何もせず2日間という可能性もあるし、相方も雨の剱岳は恐ろしい、という事もあったので、急遽、変更。アルプスの中ではまだ予報がマシだった涸沢周辺に行くことに。

バスでの移動なので、富山便予約キャンセル、そして、上高地便予約。これがなかなか手強くて、さわやか信州号はもちろん満席、仕方なく名古屋から新穂高西穂高岳、もしくは名古屋から松本で乗り換えと、色々模索検索していると、チラホラ先程の大阪ー上高地便が空席が出てきたではないですか。おお。すかさず、予約を入れることに成功。おそらくは雨のため、登山を断念した人のキャンセルが増えたようだ。

この作業中に「名古屋ー新穂高」の夜行バスが見つけられたことは、一ついいことだった。大阪からだと、どうしても遅くになってしまうので、このルートをあんまり考えていなかったのだけど、次からこれで行ける。

「前日キャンセルの代金約10000円を取り返す何かを見つけに!」というモチベーションができた。

ということで、起点終点は上高地で。で、どこに行くかと考える。基本テント泊。

基本的に初日雨、最終日も雨、なので行き帰りは楽な行程を。岳沢は雨は危険すぎるので無し、西穂高は、雨ばっかりの場合、何もすることがないので、無し。真ん中の日にアタックと考えると、もうこれは、涸沢から奥穂高か北穂高しかないなと。天気良ければ当然グルっと回って帰ってくるというわくわくコース。

どう行くかは、当日現場判断で。

という提案を相方に出したら、まあ、いっかな、ということで、レッツゴーです。最悪、登れなくても、涸沢deゆるキャンということで。

 

装備の変更は殆どない。剱岳だったとしても、テントをデポして登頂の予定だったので。むしろ涸沢は山荘が多いぶん、食事を持っていくのが若干減ってもいいかなという感じ。

水場も大量にあるんで心配ない。きれいな川も流れているし。そして食事、今回は、縦走ではなく、ベースキャンプがあるので食事は多少かさばってもよい。食べごたえのある「なんとなく調理系」で行くことに。もうアルファ米ばっかりは、飽きた。パスタと、麻婆春雨。前半は雨の中の調理はしんどいので、パンですませる予定。これなら10秒で食事が終わる。行動中、北穂山頂には、カレー、奥穂高でも、美味しい山荘ご飯、帰りにもちろん、徳沢カレーと、贅沢三昧だ。

雨対策としては、レインジャケットとパンツ、そして雨傘に大きめのゴミ袋を多めに。

とはいえ、後半から回復予報なので、お守り程度に。

カメラを持っていくか、最後まで悩んだけど、晴れたらいっぱい撮れるし、持って行かないで後悔するのは嫌なのでとりあえず、ザックに突っ込む。結局、殆ど使われることはなかったけど。

仕事を終わらせ、猛ダッシュで準備、そしてタクシーを捕まえてギリギリ梅田のバスセンターに。持ち込みの食べ物を買う時間もほとんど無く、相方がどうにか見つけてきてくれたおにぎりを持って上高地行きのバスに乗り込んだ。

 

こうして私達は、意気揚々と地獄の涸沢に突き進むのであった。

つづく。

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