山と僕とカメラ

登山初心者のバタバタ日記

霊仙山でテント泊 その3 下山なのにハード編

昨晩の雨でテントがびっしり濡れている。タイベックは若干浸透性があるのか、裏側も少し湿っていた。内部からの水分かもしれないが、大雨には少し頼りないかもしれない。少し考えないといけない。ということがわかるちょうどいい程度の雨の体験で良かった。と思いながらテントの水分を拭き取る。

ここ霊仙山は石でゴロゴロの山頂部だが、地面は赤土でできている。テントとザックは白いので水分を帯びた赤土に盛大に汚されてしまった。でも乾いたらまた取れやすいのも赤土の特徴である。きにしない。

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本日はただ下山するだけなのでのんびりと時を過ごす。テントを片付け、余り物のパンを食べる。当然まだ午前中なので登山者もいない。本当に一人ぼっちだ。

帰りのコースに同じ道ではなく、西南部の尾根を通って少し回り道をするコースも選択肢にあった。昨日会話した中で、「その道もなかなか見応えありますよ」というのがあったのだ。時間も十分あるし、景色もいい、天気もいい。ならばいってみようかという事になった。地図でルートを確認する。目では途中まで見えている。山頂部を時計回りにぐるっと回ってそして南西部につづく尾根を降りていくルート、なだらかな尾根がつづき、所々微妙な尾根が分岐しているので間違えないようにしないといけない。

荷物をまとめ、すべてのものをザックに入れる。そして担ぎ上げる。この担ぐとき、「少し軽くなってるかな」と淡い期待を毎回するのだが、そんなに変わらないのがいつものことである。悲しい。とはいえ確実に1キロは減っているはずだ。悲しむことはない。

というわけでいざ出発。まずは最高峰までもう一度行く。朝の涼しさの中鹿の群れを見ながら進んでいく。そして向かいのすこし低い丘に向かって下りてまた登る。すると少し景色が変わった。東側は切り立った崖になっていた。右側はいつもの霊仙山の山頂部の丘が続いている。テントを張った丘も見える。おもしろい。

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左は崖、右は丘という状況でしばらく進んでいく。行くのだが、目印が殆ど無い。尾根のトップを進むか、少し右側の林の中を進むか、とにかく真っすぐ行けばいいのだが、進みやすい道が途中で途切れるので、ヤブの中を進んだり、もっと右の何もない場所を進んだりと、非常にわかりにくい。

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冬の雪道ならば、何も考えず、ただただまっすぐ行けるのだろう。道は更に変化し、左の崖が、なだらかな平原となった。美しい。カールのような状況だ。

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尾根のトップは岩の連続で、アルプスの細い尾根のようだ。その両サイドは斜面のトラバースルート、さてさてどこを通るか。とりあえず絶対間違いのないトップを歩く。

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だが非常に速度がゆっくりだ。これでは時間がかかりすぎる。右の林の中に入ってみた。獣道が斜面の底部にいろいろ続いている。何も考えずこの道をいってしまうと迷子一直線だ。おっかない。また頂上尾根にもどり、今度は左の斜面に下りる。正解だった。上からは見えないが、微妙に細い、岩のない道がウネウネと続き、目印もあった。

歩行スピードも急激に上がった。よかったよかった。しばらくその道を進み、振り返る。右往左往していた場所が遠くに見え、そこは本当に狭い範囲だったことに怖くなる。5分でこの距離まで歩けるのに、15分くらいはよちよちと歩いていた場所がほんとに僅かな距離だった。「道」とは偉大である。

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尾根は次第に降下する。岩場は続いている。その岩がない箇所があり、そこをぐるぐると通って行く感じだ。赤い丸の目印が遠くまで数個見える。それを確認して進んで降りていく。上りならば、ただただ頂上を目指せばいい、反対に下りはどの尾根を降りるかで全くゴールが変わってくるし、降りれば下りるほど等高線は曲がりくねるので、仮に間違っても戻りにくい。なだらかな尾根の下りは見晴らしは可愛いが、本当はおそろしい。ということで、何度も地図を確認して進んでいく。

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斜面は急にきつくなってきた。ジグザグに下りるほどだ。目印の赤い丸をたどりつつ、通りやすい道を探して下りる。昔流行った迷路の公園のようだ。降りても降りてもなかなか最低部につかない。これは逆コースはなかなかハードなはずだ。昨日あった人はなかなかの変人かもしれない。

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ブツブツ言ってると最後の赤印が近づいてきた。と思ったら、気の早い紅葉した赤い木だった、しまったと思ったら、すぐとなりに小さな赤丸の石があった。オソロシア。紅葉登山あるあるだ。気をつけないと。

斜面を降りきると、岩場は終わり樹林帯となる。これはこれで見晴らしがなく、単純に進んでいくと。また迷ってしまう。分岐に気をつけよう。

木々がふんだんに倒れている。前回の台風被害であろうか、はたまた昔からであろうか、倒れた木を乗り越えたり、回り道したりして進んでいく。

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暫く行くと次第にきちんとした道となっていった。ほっとした。あとは道沿いに下りるだけのようだ。地図では尾根から外れ、谷道に下りるのが最後のチェックポイントとなっている。ここだけ間違わなければ大丈夫だ。そこまで後少し。 

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しばらく尾根沿いに進む、ある場所からその先が少し道が細くなっている。右前方は特に分岐の道はない。谷道はまだ先だ。と少しまっすぐ行きかけた。むむむ、なんか怪しい。振り返る。と、先ほど右前方を確認したが、実は右後方に折り返すように道があった。危ない。自分の地形の読み方の甘さを痛感した。

ぶ、ぶ、無事、谷道に入る。ここはわかりやすい登山道、これを下りると、公道がある。意外と道路まで早かったなと思いながら降りていく。そして無事道路へ到着。

あとはこの道を進むだけか?と、思いながら進んでいく。おそらく登山客だろう車、数台とすれ違う。いまからあの道を登るのか、ここからスタートなら、急な道だけど、以外とショートコースでいいかもしれないな。ほんの少し、建物と墓場、そして神社、駐車場のようなものが道路沿いにはあった。

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そしてその駐車場を最後に、道路は終わった。また、登山道が始まった。

まじか。ほんとうだ、地図を見てみると、公道は登山ルートを大きくはずれ、左に。まっすぐの道は「大洞谷」といって単純に沢登りの道であった。

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すっかり公道歩きで脱力していた体に、この登り返しは堪えた。その他に登りは延々と続く。急な上りではないが、平らでもましてや下りでもない。この谷を進む前から、公道沿いの川の流れが歩く方向とは逆なんだなと、不思議だったその答えが、今目の前に。しっかりと底部まで降りきって、登り返しのルートであった。

日頃の怠けた体に鞭打つストイックなコースだった。お、おう。

というわけで諦めて谷をガンガン登る。1.5キロぐらいだから1.5キロ歩いたらあとは峠を越えて下りるだけだ。私だけだろうか、1キロ、2キロ、3キロの距離感が、小学生時代のマラソンルートが大体の感覚になっている。低学年は1キロ、中学年は2キロ、高学年は3キロのコースだ。1キロは学校から散髪屋を曲がって畑を進んでまた曲がる。2キロは畑まで行ったら反対に曲がり、海岸まで行き折り返す。3キロは海岸で折り返さずに、まだ先に行き、海水浴場で折り返す。

その感覚で覚えている。

だからどうってことはない。とにかく進む。

谷は次第に傾斜がきつくなる。このパターンは地図を見なくとも、もうわかっている。

峠に至る最後の斜面はだいたい恐ろしく急である。ここもやはりロープが敷かれるほど急な斜面であった。それがなかなかキツイ。今回で一番の心拍数だ。ゼーゼーハーハー言いながらやっと峠についた。

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峠の名前「汗ふき峠」であった。

ああ、行きで命名した意味が全くわからなかったあの「汗ふき峠」であった。

大丈夫です、はい、今、身にしみてわかっております。ゼーゼーハーハー。

しばらく峠で休憩、汗を拭く。

なるほどな、来てみないとわからないこと、こんなとこにもあったなと。少しニヤついてしまった。

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あとは来た道と同じ、ただ下りるだけだ。

途中で、おじさん二人組が休憩していた。「あと1時間ぐらいですかね?」と聞かれたが、とんでもない、と思ったけど、よく考えたら、メインルートはそんなもんなので、「そうですね」と答えた。

あらためて帰りの道はなかなかの周回コースだったなと思った。思えばもう11時である。あのヨチヨチ尾根でだいぶ時間がかかった。

登山入り口に戻ってきた。ゴーーール。ではない、ここから、まいちゃん号の来る場所まであと一時間歩く。でも舗装路の一時間なんで、なんてことはない。

ちょうどタクシー会社に電話するタイミングも1時間前が良いということなので、電話をかける。

圏外。

まじか。

とりあえず降りながら、圏内になるのを待つ。20分程で電波がたった。

「後1時間半お待ち下さい。」

待ちますとも待ちますとも。

養鱒場まで降り、時刻は12時半。

小腹も空いてきた。と、そこにレストランが。

決まり。

時間もちょうどよくあるのでここでビールと何かをいただこう。

メニューを見るタイミングもないまま、中にいざなわれた。やりてのオバちゃん店員だ。

ビールと焼鮭を頼む。

 

ビール到着。

美味い。

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焼鮭到着。

でかい、、、、そして美味い。

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しばらく思考を停止して、食欲に任せる。

 

ごちそうさま。

 

まいちゃん号タイミングもバッチリ、帰りは私だけのようだ。

そうして無事、米原駅まで到着した。

 

霊仙山、コースによっては安易だったり疲れたり、なるほど面白い山であった。

また来よう。

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