山と僕とカメラ

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登山初心者のバタバタ日記

剱岳の夏登山 その4 剱岳登頂編(剱沢キャンプ場〜剱岳ピストン)

お盆の剱岳別山尾根ルートは多くの登山者で賑わう

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前回

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さて、剣山荘からの登山者はテント場がないのでみんな「小屋泊」である。そして我々の剱沢キャンプ場からは「テント泊」の登山者がそれぞれ剱岳に向かう。気のせいか、小屋泊の人達の方が元気に見える。気のせいではなかろう。剣山荘はトイレがすこぶる良いらしい。ちなみに剱沢キャンプ場のテント場は2箇所あるので混雑することはあまりない。清潔度は問うてはいけないが悪くない。

剣山荘を後にし、まずはなだらかな尾根を登り、一服剱に向かう。なだらかとはいえ、ゴロゴロの石の道なので気が緩まない。高山植物が朝日に輝き、そんな私を応援してくれる。f:id:fujikixblog:20190828114655j:plain

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まずは一服剱を目指してウォーミングアップ

さわやかな尾根のなだらかなパートはすぐに終わり、続いて本格的な斜面が始まる。出だしだろうが、終盤であろうが岩が衝撃に反応し移動する確率いわゆる滑落する確率は元気であろうが、疲れていようが変わらない。それによる怪我の程度も変わらない。疲れと油断の総量は常に同程度だと思う。

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私は足首をひねる癖がついてるので、テーピングで足首はガチガチにしている。それでもひどい捻挫をしたときは、テーピングを引き裂いて、足をひねってしまうのであるからして、けっして処置をしているからといって油断してはいけない。

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前に行く人が踏んだ石が必ずしも安定しているとは限らない。昨日、嫌という程味わった。その人の体重や石を踏む位置で決まる。

なるべく一度に次のステップに体重はかけない。じわーっと乗せて、ふむふむ大丈夫だなと確認してから体重移動をすると良い。これは浮石のザレ場に限らず、斜面の登りでも同様で急に岩が剥がれる事があるので気をつけないといけない。先日も落石か何かで富士山山頂間際で事故があったようだ。たとえ小石でも落石が落石を呼び、段々と大きな岩を落としてしまう。浮足で滑らして落とした石は後ろの人に当たるので、そういう意味でもゆっくり丁寧に歩き、保険には入っておいた方が良い。

 

 

振り向けば剱沢キャンプ場は遠く小さくなっていた。剱岳に登る登山者はとても多く、前にもたっぷり、後ろにもたっぷりといる。色んなパーティが「今日は人が多い」と言っている。初めてなので「こんなもんなのか」と思っていたが、そうか、多いのか。

気がつくと、朝焼けからの金色に満ちた空気は失われ、代わりにくっきりと鮮やかな光景に変わっていた。

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一服剱の頂上は一服させられる見事な前剱を見ることができる

5時50分 一服剱に着いた。

確かに一服したくなる。間違いないのだ。という理由は、斜度のキツい登山道だった、という単純な理由だけではなく、その一服剱の山頂から見える、次に向かう前剱が一旦降りてまた登る、ゆえに大きく見えるので、連続して休まず進む気持ちにはならないからであろう。私達も文字通り、一服した。

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張り付いて登っている人が見える。

この日は暑くなるということで、上下半袖だが、日焼け防止に長袖を下に着ている。

前半で日焼けすると、その後の行程が辛くなる。

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先程述べたように、剱岳に行くこの別山尾根ルートは、「一服剱」「前剱」そして本命の「剱岳」という三部構成になっている。そのため、ピークハントを続けるアップダウンのある縦走のようなルートとなっている。結果登る総距離も長い。がしかし、景色はとても良い。

ここからは更に足元が厳しくなる。すでに鎖で確保されたルートが始まっているが、事故はそうではない場所で起きやすい。大勢がいるとより正常化バイアスが発生しやすいので、いつものように気をつけないといけない。おしゃべりは1点支持ができるほどの平坦な場所でのみだ。

 一服剱の頂上から前剱側に降りる。そこには登山者自動監視システムの機械がおいてあった。こうゆうのをドンドン広めてほしい。

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まずは急な斜面を下りてゆく。特に決まったステップはないという印象の場所。行き帰りで違う道を選んだり、ボトルネックになりやすい場所はトーナメント表のようにステップが分岐している。こうゆう場所で、安易に一番外側を選び続けると、凄まじい崖っぷちでまさに手詰まり息詰まりになるので、めんどくさくても目的地点をさかのぼったルートファインディングをしたほうが良い。足元ばかり見ててはいけない。でも、足元にはきれいな花が咲いている。困ったものだ。

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相変わらずこの花の名前も知らない。 

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武蔵谷であろうか、雪渓が残っている。このあと飽きるほどみることになるが、初見は新鮮である。そのさきにちょうどテント場が見える。地図からして真砂沢ロッジのテント場だろう。整備された街とは違い、見えるからここからも行ける、というのは、ほとんどの人は無理だ。だが、遭難しかけると誰もがそうしてしまい、結果さらに状況を悪くしてしまうのだろう。

一旦コルが終わると、前剱の取り付きに着く。一服剱とは岩稜帯が違うのか、硬い岩盤の岩場へと変わってきた。険しいが、登りやすい。

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振り向けば、一服剱が低く見えていた。嬉しさも募る。テント場と一服剱が重なっていることからも結構な高度を稼いだ事がわかる。100mをまっすぐ歩く道と、100m垂直に登る斜面とでは必要なエネルギー量は大きく違う。フルマラソンの距離を真上に上げると、流れ星が輝く高度にまで上がる。

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行きは良い良い帰りはつらそうな斜面が続く。

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振り向けばどんどん上に上がっているのがわかる。

しがみついた岩の隙間にチアリーダーがいた。

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真砂沢ロッジが先程よりも近く見えた。明日はそこを通る予定だ。

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6時50分 前剱頂上到着

なんだかんだ、この前剱は結構疲れた。まだまだ先はあるのだが、それにしても結構な登りであった。

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ここからの眺めもとても良い。正面にはようやく堂々とした剱岳が見えた。

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見るところによると、タテバイあたりが急峻で、残る山頂まではなだらかなようだ。おそらくは先程登った前剱のほうが、しんどい。

剱沢キャンプ場がある立山別山方面に目をやる。きれいだ。

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まだ新緑の色味の立山が美しい。

剱岳に向かうこの先は、沢や尾根を通っているクライマーの頑張る姿も見れる。叫び声が聞こえるが、これはビレイ解除とか、ロープいっぱいですとかの合図だ。こちらとあちらと、ルートは別としてどちらが安全かというと、実はロープで繋がれているあちらの方が何かあったとき安全度が高い。手ぶらのこちらはよりいっそう気を引きしまねいといけない。

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少々休憩の後、出発。例によって一気にまた下降する。その先にはなんと頑丈そうな橋があった。あれがあるとないとでは大きく違うのだろう。

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靴幅分もいかない登山道が続くが、この辺に来ると皆、なれてくる。
振り返ると白山が見えるが、もう白くない。

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それにしても暑い。日の当たる側はじっとしていられないくらい。反対側になると割と涼しい。花もまた涼しげだがこの花の名前もまだ知らない。

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大渋滞が始まった。

溜まる場所も、抜く場所も譲る場所もないので、この先100人くらいのなかの一番ゆっくりの人のペースになっているそれがタテバイの上まで続く。要するにこの先のタテバイのペースで動いているということだ。

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そして、ゆっくりと牛歩戦術のように列は進んでいく。

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難所はなるべく前の人が終わった後に通過したほうが良い。だから結局列は伸びるのだが、仕方がない。難しい場所はステップがあるのでこれを頼りに進んでいける。ただし、補助ステップのほかにも、ナチュラルなステップやホールドがたくさんあるので活用するとより楽に登れる。そもそも鎖がちょうど良い高さにないことがほとんどだ。そしてピンとははられていないので、振られることがあるから注意だ。余裕があればセルフをとっておくと、今回のような渋滞にはとても良い。だがセルフを取るときは鎖ではなく打ち付けたアンカーの輪のほうが安定する。両手も離せて良い。

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(photo by Mr.K)

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先程の日陰が後方に見える。

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そして今度はスラブを降りる。この先にタテバイがある。人もいっぱいいる。

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8時30分タテバイ前のトラバースに到着も大渋滞

何ということだ。多すぎる。私達は多すぎた。とはいえ、ヨコバイから上がるわけにもいかず、淡々と待つのだが、雪渓の照り返しと直射日光で眩しさと暑さは凄まじい。

ここはテーマパークと化したのだ。大人気アトラクション「タテバイ ザ 4D」だ。きっと裸眼で3Dと重力移動が味わえる。

9時、ようやく、タテバイの膝下に着く。

長かった。とりあえず何でもいいから日陰を探す。むこうでほいほい登ってるマルチピッチの人たちが少しうらやましい。私達の前にいたパーティがかれこれ10分くらいイケメンについて話している女子たちが前にいる。内容は忘れたがドコドコ山に行くと良いとか、役に立つかどうかわからない情報がタテバイの麓にこだまする。勉強になる。その感謝の報告をご本人にもしておいた。少し場が和んだ。 

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9時20分、ようやくタテバイに登れることになった。とはいえ、さほどでもなく、このタテバイパートは終わった。あの渋滞は何なんだろう。

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気になったのが、タテバイの鎖場のボルトにつけている金具がくるくると回る。ダブルナットではなく一重で、結果ロックされていないので、チェーンが回り込むとどんどん回って、いずれ外れていく気がするのだが、先をつぶしているのか確認してないが、これはこうゆうものなのであろうか。

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10分でタテバイ通過、ここを終えると、あとは、岩場をジグザグに登るだけで頂上に至る。

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9時45分 辛い現場にまた出会う。

最後の斜面、昨日の雷鳥沢に続いて、ここでもけが人に出会う。ルートからやや外れて仲間と一緒に座っていた。頂上近くなので、人も多く、電波も通じやすい。自力では降りれなさそうだ。救助状況が混んでなければ間もなくヘリが来るのだろう。

足元の岩にに血痕がびっしりついていた。滑落だろう、まさにルート上だった。私達を含め周りの登山者は先程のタテバイの感想の賑やかさよ今はどこに、ここから山頂まではみな無言で登っていた。2日連続で目の当たりにするというのはなかなか精神的に良くない。

9時50分 そうして私達は、私達は無事、剱岳に登頂した。

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ようやく登頂。もちろん山頂も満員で、阪神百貨店の食品売り場のようだ。撮影のための行列が幾重にも重なっていたが、ここですることは他にないので直ちに列の最後尾に並ぶ。こういうときほど落ち着いた行動が問われる。

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雄山の向こうに槍ヶ岳?が見えた
少し下に広い場所があったので、ここで昼食と休憩を取る。

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10時27分 そこへ機械音がしてきた。ここで聞く機械音は航空機以外ない。

事故発生からおおよそ1時間で迎えに来てくれたようだ。凄まじい早さだ。

ヘリは正確に要救助者の近くまで降下し、隊員をおろした。その後、隊員が要救助者をハーネスでくくる。その場所直上までヘリはセンチ単位の操縦で寄せ、吊り上げ金具を持っていく。そしてあっという間に吊り上げ、格納し、富山方面に下りていった。その際、隊員さんが私達の無事を祈るように手を降ってくれたのだ。期待に応えなければならない。

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去年は剱沢まで来たものの、結局、見ただけの剱岳、一年後無事こうやって登頂できたのもK氏二人のおかげである。このおかげ紀行は、実はまだ始まったばかりでこのあともっとおかげをいただくことになろうことはこの時はちっとも思わなかった。

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11時10分 下山開始。

登ったぶんだけ降りる。登った人のぶん、降りる人がいる。というわけで帰りも大渋滞だ。スタート前のエネルギーが100で、ゴールで使い切るとすると優しく考えても、今は50と考えて良い。おまけに下りは体重がかけにくい。慎重に。先程の人もきっと下山中だろう。

懐かしめのデザインの缶が岩に挟まっている。

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11時30分 ヨコバイの分岐点にきて全く動かなくなった。相変わらず暑い。

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ここも逃げ場がない。日陰を求めてただ佇む。

12時00分 いまだヨコバイに着かず

まったくもって進まない。下山開始から1時間経過している。水を多めに持っていない単独は干からびているかもしれない。

12時15分 ようやくヨコバイ通過

あまりにも待ち続けて一瞬で終わった。それよりもこの後も渋滞は続く。

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面白い奇岩があった。

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14時45分 渋滞と、足元の浮石と格闘する下山道、なんとか剣山荘にたどり着いた。

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帰りの前剱の下りが一番危険だった。今回、2回ほど、落ちかけた。

ここで冷たいビールを飲み干た。うまい以外の感想がない。

16時テント場に到着

水を補給し、テントの延泊の手続きを済ませる。ビールを買いに剱沢小屋に降りる。とメモには書かれている。記憶がない。予想道理、記憶違いで、テント場に帰る前にビールを買っていた。メモだよりの記憶はこんなもんだ。次の日以降の行程を吟味する。最終日が天候が最悪だということで、最終日の行程をどうするかで悩んだ挙げ句、K氏たちの行程をかえてもらい、いったん仙人温泉小屋、そして阿曽原温泉小屋にむかう小刻み作戦となった。K氏たちにまた借りができた。

 

つづく。

 

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剱岳の夏登山 その3  一日目の夜、そして出発編(剱沢キャンプ場〜剣山荘)

今回は撮影登山。いつもとは違う装備で、ということで重い。

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今回は三脚を持ってきた。軽いながらもしっかりとした三脚。マンフロットのbefreeというカテゴリの4段の三脚。小さいながら割としっかりしていて重量1.6キロ。イヤ三脚ならズバ抜けて軽い方。しかも150センチ高まで上がるので腰痛くない。ほんでもって40センチに折りたためる。もう山用以外なにものでもない。

 

三脚のメリットはふと思っただけで3つある。

まず、朝夕の光が乏しい時に無理やり感度を上げて撮影した後で、あーあ、とならないよう低感度で撮れるように。そして晴れれば星の写真が撮れますように。なによりもしっかりと構図を決めて、雲などの抜けを待てるように、である。

前回

 

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撮影機材のGFX50sは画質モンスターカメラだが、それなりに重いのでレンズ選びに一工夫。

カメラはいつもは小型軽量なSONYのA7iiiというモデルを持って山に行く。今回はきれいな景色をよりきれいに残すためにFUJIFILMの中判カメラGFX50Sというマニアックなカメラを選択した。メリットは仕上がりが綺麗ということだがデメリットは重い、大きい、バッテリーの持ちが短い。ということで、おおかた登山には向いていない。今回荷物が大きく重くなった主な要因はこいつにある。レンズは標準ズームの32-64mm、35mmに換算すると、25-50mmというこれも難儀は幅域であるが、致し方ない。

広角が弱いので、フォクトレンダーの12mmを持っていく。換算10mmになる。それと21mm、これは換算17mmだが明るさが1.8。このスペックにも関わらず、この2本は驚くほど小型だ。これには感謝だ。特に21mmは夜空用に持ってきた。天気次第では選択されなかっただろう。

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テーピングで保護したGFX50Sにアダプターを付けて12mmのフォクトレンダーを装着。こんな写真が容易に撮れる。

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GFX50S+32-64  920gと875gで1795g

バッテリー 85gを9個

フォクトレンダー12mm 230g

フォクトレンダー21mm 412g

合計3202g

なかなかの重量だ。これに加えてmavicAirも持ってきた。こいつもバッテリーがすぐ切れるので10本持ってきた。これで2000g追加だ。

合計7キログラムほど撮影機材の重量であった。それは重いのも間違いない。

とはいえ、それに叶う撮影ができると踏んできた。

夜の撮影は三脚と後で合成する為にインターバル撮影

剱沢キャンプ場からは剱岳がよく見える。そして北面に面している。

三脚を据えて500枚ほどインターバル撮影、後日その一枚一枚を重ねてできた写真。

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夜9時位だったであろうか、剱岳の前剱あたりに2時間ぐらいたってもなかなか下りてこない登山者の明かりが気になってしかたがなかった。大抵の人は日没後1時間ぐらいで下山したようだったので、でも無事下りたようなので良かった。

月夜だったのであまりくっきり撮れなかった。月の入は26時くらいだったので、さすがに明日の登りに響きそうだったので、早々に撮影を終えた。

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就寝。

 

二日目、剱岳に登頂するために3時30起床。

本日は剱岳頂上までピストンの予定。

天気は良さそうだ。

朝食のフルグラをかき込んで準備に取り掛かる。

テント内は二人がギリギリなので、まるで宇宙船内のようにギュウギュウだ。もうちょっと前室が広く、かつ軽量なテントがあれば嬉しい、そんなものはない。

なので、小さなシートを前室の上に張り、なんとなく前室を作っていた。これはこれでよかった。

出だしは寒そうだ。でも昨日のように暑くなるかもしれない。服装のバリエーションをよく考えないと。

4時40分、テント場を出発

ヘッドライトを付け、いざ出発。

私達4人は意気揚々と剱岳に向かった。特に私は羽を得たかのように軽快に歩いた。昨日の重量とはまるで違う。

剣山荘に着く途中、日の出を迎えた。見事な朝の光景にやられた。この日の出以降、急にあつくなった。ここは火星か。

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5時30分剣山荘に到着、まだ山ではない。

剣山荘到着。ここでトイレを済ませ、服装をやり直し改めて出発。いつの間にやら人が増えていた。

というわけで、猛暑の剱岳に向かうのであった。

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つづく。

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剱岳の夏登山 その2 登山開始編(室堂〜剱沢キャンプ場)

10時

室堂、ここから立山三山がよく見える。多くの人がいる。6割が登山客で残りは観光客といったところか。雄山に向かう道、そして私達のように雷鳥沢に向かう道、この2つに登山客は分かれる。整備された石畳を通っていくと、大きな池に出くわす。みくりが池だ。

空の青を反射させただけでは足りないくらいの青い池。皆がここで記念写真を撮っている。

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 前回↓

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 水を3L入れたザックはいっそう重い。腰を置く場所がないと背負えないくらいだ。

胸の前にカメラバックを吊るしているのでまだバランスが取れているはずなのだが、効果ははたしてあるのだろうか。今回の登山の前にから膝と足首がたまに痛むのだが、今回は速攻その患部に違和感が出ている。さすがこの荷重の効果。

とぶつぶつ言ってもザックは軽くはならないので、ただひたすらに景色を楽しみながら進んでいくことにした。一応の処置として、膝と足首のテーピング、そしてロキソニン錠剤でカバーしている。

室堂の出発地点から一旦雷鳥沢に降りる。そしてまた登り返すのだ。ここにまっすぐ橋をかけていただきたい。またはジップラインでも良い。

妄想で何かを補いながら一歩づつ階段を降りていく。蛇のようにつづら折りになった道はまるで三途の川に降りていく道のようだ。見たことはないし、そんなものあるのかは知らないが。

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すれ違う人はゼーゼーハーハーと息があがっている。下り坂を逆に進むとこうなるらしい。知っているが。

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それにしても暑い。高地はそこまでではないと思っていたが、とんでもない。むしろどこよりも暑い。めんどうだが、あとの祭りにならないよう日焼け止めクリームで、日焼けを防ぐ。

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歩道の右側に地獄っぽい池がある。やはりここは三途の川だ。

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まるで万里の長城のような道を延々と進むと眼下に、まだ眼下だが、そこに雷鳥沢のテント場が見えてきた。お盆休み、さすがにいっぱいだ。と思っていたが、そうでもないという意見も周囲から聞こえる。ふーん。

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ちなみに今回の登山靴は軽量のアプローチシューズ、SCARPAのメスカリートミッド。岩場でのグリップが抜群である。

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ザックはThe3rdEyeChakraの60L。パンパンである。

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ひたすらに下り道を降り、雷鳥沢の底についた。

11時15分

お腹が空いてきたので、ここいらのベンチで昼食をとる。

コンビニで買ったサンドイッチを食べる。

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コーミソース」と表示されている。なんだろう、この地域の定番ソースなのだろう。たしかにとても美味しかったが、今となってはどんなあじだったか記憶がない。でも確かに美味しかった。隣で法政大の山岳部だろうかが、どえらいスケールの会話をしている。海外だったか、とにかく高い山で中島健郎氏にあった話題を覚えている、うらやましい。

トイレも済ませ、ここからの登りに覚悟を決める。というのは言葉だけで、覚悟を決めないまま、ただ、進む。橋を渡る。ここからは一気に登り返しだ。一気に会話量は減少する。

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そのぶん景色は絶景に変わっていくはずだ。それが励みである。

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一旦の目標点は見えている。はるか遠くに。そこを目指して雷鳥坂を登る。

一歩一歩ゆっくり歩幅を狭くが基本だ。トレッキンポールも使って登っていく。

高山病チックになりやすいのでそれも気にしながらゆっくりと歩く。

降りてくる人も当然いる。皆楽しそうだ。羨ましい。いや待てよ、彼らはここを終えても室堂まであの激坂階段をのぼるのだろう、頑張れ。

勾配が急だと振り返った時の変化が大きいので、それは良い。ただしんどい。

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雷鳥沢のテント場が小さく見えてうれしい。どんどん小さくなあれ。

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先はまだ長い。焦らずゆっくり。今日はただ到着すればいいのだ。ああ一日目はしんどい。背中の重みに耐えながらゆっくり登っていく。けっして足をくじいてはいけない。

休憩を随時入れながら登っていく。姿勢を変えてみる。トレッキングポールをやめ、両手のひらをショルダーパットの間、胸辺りに挟む姿勢。これは以前ショップの店員さんから教わった重いものを持つ時の楽な姿勢だ。するととたんに楽になった。もっと早くやればよかった。

13時40分

うずくまる女性がいた。その傍らではもうひとり女性がいて電話をしている。どうやら一大事のようだ。声をかけてみると足を痛めているらしい、詳しくはけが人の本人もわからないようだった。救助はまだ来ていない。たしかK氏はもう、剣沢のテント場についている。あそこには富山県警のレスキューが常駐していたはずだ。K氏に電話してみる。だが応答がない。とそのタイミングで上から駆け下りてくる男性がいた。救助の人だった。だれかが通報してくれたのだろう。私はじゃまにならないよう、彼女らから離れた。男性が膝をめくると出血が見えた。同時に電話していた同行の女性が悲鳴を上げた。おそらく結構な怪我だ。下山中の転倒からの怪我だろうか。

私達はその場を去った。日常の道路でもそうだが、事故現場のあとはよりいっそう気をつけて行動する習性がある。今回もそんな感じで黙々と足元を見ながら登っていった。

 取り付き以来見えなかった乗越がようやく見えてきた気がする。こうなればもう少しだ。体勢をかえてから、ずっと調子が良い。焦らず登っていく。

14時10分

劔御前小舎到着

やっと登り坂が終わった。全行程での一番大きな登りが終了。あとは欅平まで下るだけ、だと思っていたのだが、後に大きな勘違いだと気がつくことになるが、今はそんなこともつゆ知らず、脱力感に包まれていた。

少し休憩、その時ヘリコプターの音が聞こえた。雷鳥坂の方だ。見渡せる場所に言ってみると、さきほど怪我を負われた人付近にホバリングしていた。どうやらあの方の救助のようだ。ヘリは着陸することなく要救を吊り上げ、機体内に運び、一気に降りていった。無事に回復してまた戻ってきていただきたい。

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見物者もじーっとそれを見て、ヘリが見えなくなると同時に自分たちの行動にもどった。

 

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剱岳がよく見える。雲も少ない。明日もこの調子で晴れてほしい。剱沢御前小舎周辺は休憩する人で賑わっっている。ここは峠、登山道が十字路になっている。私達が来た道そしてこれから剱岳に向かう道が南北だとするとちょうど東に別山、雄山へ向かう稜線の登山道、反対に西には奥大日岳に向かう道がある。おおかたは雄山に向かう人、もしくはそちらから来た人。残る人が南北に、そしてわずかながらが西に行き交う。

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別山の尾根と怪しい雲

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剱岳の雄姿

 

さてここからは広い斜面を降りてテント場に向かう。かすかに小さく見えるテント場があっという間に着きそうなのに、足場が悪くなかなか進まない。浮き石も多く、足場の選定に迷う、中途半端に歩いていると確実に足を捻ってしまう。

もしかしたら登りよりもゆっくりではなかろうかというペースで降りていく。なんと言ってもザックが重い。バランスがとても大事だ。前に行く相方が難なく乗った石も私が乗るとグラっと動く。

右手の尾根でクライミングをしている声が聞こえる。テント場に近く、とても良さげだ。

足元ばかり見て進む。たまに見上げるとテント場が近づいているのが嬉しかった。

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そうして、とうとうテント場がもう手の届くところまでのところに来た。

K氏たちが待っている、でも焦ってはいけない。テント場につくまでが登山だ。

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画像を拡大してみると、K氏らしき二人組がいた。

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15時45分

そして最後の斜面を降り、やっとテント場に着くことができた。

相方が先にタタタターっと行ってしまった。わたしはもうヘトヘトなので早く歩けない。

無事再会を果たした私達。冷えたビールを頂いて皆で乾杯した。うまい。うますぎる。ケーキも頂いた。そしてテント場も確保してくれていた。もう、この御恩はどうやってかえそうか。5年計画だ。

とりあえず、腰を下ろし、果切らないうちにテントをこしらえる。

もう今となっては記憶がないが、なんとかテントは作れた。

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月が出ていた。

この日は、レトルトのハンバーグとビーフシチュー。なんやかんやあって余ったおにぎり。マッシュポテトも食べたかったが、見当たらなかった。

今回、タンパク源として炒めたミンチ肉の乾燥させたものを持ち込んだ。色んなものに
ぶっこんで美味しい食生活を送りたい。

そして、劔の夜となっていく。

続く。

 

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剱岳の夏登山 その1 出発編(大阪〜室堂)

今年のお盆は長期休暇なので、いざ立山剱岳に登ることに。

 

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登山計画

8月の盆休暇、どこに行くか、2018年、昨年は表銀座槍ヶ岳の縦走を行った。

 

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今回は立山室堂から剱岳に登る計画を立てた。

出発前、計画は二転三転する。剱岳の登頂だけは必須として、残る日数を費やすか。

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薬師岳まで足を伸ばし、折立で下山。当初はその予定だった。しかし、せっかくの一番気候のいい時期、剱岳を背にしてただ縦走しながら高度を下げるのももったいない。せっかくなら赤木沢まで降りて沢登りも追加してはどうだろう。いや、これでは日数が足りない。さすればK氏がたしか裏剱に向かうのもこの時期だった。

ということで裏剱を調べた。なかなかとてもいいルート。下山が水平歩道を通って欅平に向かう。ここで台風10号の日程にぶつかりそうだった。通行不可の場合はピストンで室堂に引き返す。

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ほぼ日程がK氏と同じなのは、偶然にしては出来すぎている。

しばらく練り、計画を整える。結局室堂から剱岳、そして雪渓をまわって池ノ平、そして欅平に抜けるルートを基本とした。剱岳は昨年、日程とスタミナが足りず、見るだけで終わった山だ。今回は万全の体制で予備日まで設定し、登ることにした。とはいえルートは一番かんたんな別山尾根ルート。きっと登山者で賑わっているだろう。

剱岳

 「剱岳北アルプス立山連峰にそびえる2999メートルの山。カニのタテバイ、カニのヨコバイなどをとおって登頂する別山尾根ルートが一般的である。他にも何本も登山ルートがあり、初心者からクライマーまでが登る人気の山である。日本では珍しく氷河が残っている。例によって交通手段はバスと公共交通機関。今回は欅平からトロッコ列車に乗る予定なのでそれも楽しみだ。

 機材

そして今回は真面目に写真を撮ってみようということで、山ではいつもはSONYの小さなカメラα7iiiという機材を使っているが、この度はFUJIFILMのGFX50Sという大きくて重いがきれいに映るカメラとちゃんとした三脚をもっていくことにした。問題はバッテリーがこれまた大きくそして燃費が悪いのでたくさん持っていかないといけない。バッテリー切れにはできないのでこればかりは使わずに余るほど予備バッテリーを持っていかないといけない。今回は9個持っていく。

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7日という行程なのでそれなりに食料を持っていく。テント泊なのでたっぷりと必要である。

そのかわり食器は少なめでコッヘル2個と紙皿。ジェットボイル、とスノーピークのバーナーとフライパン。主食はフルグラ、粉から作るナン、カップラーメン、パスタなど。

ザック

ザックは当初HyperLiteMountainGearの3400だったが、入りきらない、そこでMountainHardWearの75Lに入れ替えてみたがこれでも入り切らない、そして結局The 3rd Eyeの60Lに収まった。メーカーの容量表示は当てにならない。本当の容量はきっと80Lを軽く越えている。行くとき、重さは計測していないが帰ってきたときに30キロあったので、実際は最低35キロくらいあったようだ。おそロシア

雪渓が一部あるので、チェーンスパイクを持っていく。

21時50分 出発

というわけで準備完了、出発。

21時半、大阪阪急梅田バスターミナル。盆の帰省客と登山客が入り交じる待合室。いかに都会に出てきている人が多いのか、そして、ご先祖様の日、お盆というのに山に遊びに出る私達のような不誠実な人が多いのか、わかる。 

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バスは満員の乗客を乗せ、順調に走り続けた。途中休憩があったが、一度しかなかったので、二度目の休憩で朝ごはんとお昼ご飯を買おうと思っていた思惑は失敗した。

午前5時

富山駅前に近づいていた。外は薄曇り。

午前5時30分

早朝、富山駅前から少し離れたバス停に到着。予定より早く到着。

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ちょうど目の前にコンビニがあった。ここで買いそこねた朝食と昼食を買う。

おにぎりとサンドイッチ、やや多めに。

5時45分

目の前に吉野家発見。せっかくなので朝食はさっき買ったことは忘れてここで温かいものを食べることに。鮭定食。席に座ると、隣の人が困った顔でパンパンに膨らんだブランド品の財布を落とし物だと店員に渡した。食後にトイレに入っていると、明らかに落とし主の声で「ありがとうございます」と盛り上がっているのが聞こえた。お盆前に財布の紛失はだいぶ落ち込むだろう、よかったよかった。

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6時10分

ここから普段なら、鉄道、ケーブルカー、バスと乗り換えて室堂に行くのだが、なんと富山駅から室堂直通のバスが出ている。すぐに予約で売り切れるのだが、諦めぬまま、予約の空き確認の電話をしたかいがあって、当初一席しか取れなかったバス席が数日前にもう一席取れた。そのチケットを受取りに二階のサービスセンターに向かう。

チケットを受け取り、下のバス停に並ぶ。早速ザックから液体を漏らしている人がいた。その人がザックから取り出した潰れた缶で、それがお酒だとわかった。かわいそうに。そして、花見で食べるようなお弁当を持っている人もいる、平衡感覚に長けているに違いない人だ。そういえば吉野家は登山客だらけだったが、その中にいた人も同バスに乗るのだろう、見覚えのある人たちがちらりほらり。

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6時30分

バスは室堂に向けて出発。

気がつけば空は青空、快晴だった。マイカーで立山に向かっているK氏から入電、美女平に到着したらしい、晴れとのこと。良かった。

7時15分

アルペン村というドライブインでトイレ休憩、暑い、夏を感じた。

7時50分

有料道路に入るとアナウンスで「51820円の有料道路に入ります」とアナウンス。いや、その料金は私達が払ってますから、そんなに上から目線で言わなくていいです。

8時00分

美女平通過。K氏たちに遅れること1時間半。テント場で会えることを祈る、祈らずとも確実に会えるが。

8時17分

例によってかすかに見える称名滝で一時停止。少しだけ見えた。

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8時40分

ソーメン滝と言われている細長い滝が見えた。六甲山に小便滝というのがあるがその何百倍の規模だ。立山の山々も見えてきた。素晴らしい光景だ。雪の大谷だったところを通過。

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9時 室堂到着

室堂で着替え、水確保、トイレ、ストレッチ、ご当地キャラとの撮影、などを済ませ、出発に備える。

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10時 室堂出発

さていよいよ室堂を出発し、いざ剣沢キャンプ場へ、本日の行程はそれだけだ。雷鳥沢で心臓が持つかどうか、試すだけだ。

 

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 次回からはカメラを携えての登山になるので、写真が急にきれいになる。と同時にメモの量が減るので、時刻掲載は少なくなる。

 

 つづく。

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新穂高から西穂高岳ピストン 西穂山荘泊 その3

私達の先に3組以上いるはずだが、そのうち二組は奥穂高岳まで行くらしいというのを確認している。無事怪我なく着いてほしい、と思うくらい雨で足元が滑りやすい。

独標からの急な下りは気持ちを切り替え、身を引き締めるのにちょうどよい。

チラホラと存在する白ペンキの丸印が、「ああ、山に来たな」と思わせてくれる。

ピークとピークの間は細尾根を渡る。下の霧が濃く高度感がないので、見晴らしがない残念さと怖くない安心感がある。

 

  • ピラミッドピーク
  • 7峰
  • たぬき岩
  • チャンピオンピーク
  • いざ主峰へ
  • 西穂高主峰

 

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新穂高から西穂高岳ピストン 西穂山荘泊 その2

夕方の西穂山荘のご飯

連休の小屋は大賑わいだ。それに加えて生憎の雨天で急遽テント泊から小屋泊にかえた人たちもいるだろうか、時間を2つに分けての夕ごはんのようだ。私達は17時からで18時からの組もあるようだ。

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ご飯はアジフライとハンバーグ。昼の登山があまりカロリーを使っていないのか多く感じる。でも明日のこともあるのでしっかりいただく。なぜだろう、美味しいと、多くても全部食べてしまう。

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 前回

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  • 夕方の西穂山荘のご飯
  • 天気予報
  • 明日の準備
  •  起床
  • 出発
  • 独標
  • 霧の中

 

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新穂高から西穂高岳ピストン 西穂山荘泊 その1

 2019年、梅雨の山行は西穂高岳に。

西穂高岳

長野県松本市岐阜県高山市にまたがる標高2,909 m飛騨山脈北アルプス)南部のである。山域は中部山岳国立公園に指定され花の百名山に選定されている上高地や東西の方角から眺めると鋸歯状に岩稜が連なる山容が特徴である。無雪期の登山シーズン中に、新穂高ロープウェイの終点の西穂高口や上高地からの登山者で賑わう。西穂独標までは、穂高岳の入門コースとなっているが[5]、西穂独標から山頂までは熟達者向きのコース、山頂から奥穂高岳までの区間の岩稜は北アルプスの主稜線上では屈指の難コースとなっている。

 

                           (Wikipediaより引用)

 

新穂高ロープウェイを使って途中まで登る定番コース。

新穂高までのアクセス、関西から公共交通機関で行くとかなり難航する。午前中に新穂高に着く手段が極めて少ない。

というわけで、今回は名古屋経由で名鉄バス新穂高へ行くことと相成った。]

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出発

出発は上本町から近鉄アーバンライナーに乗って名古屋に。時刻は前日の夜。なんとなく新鮮な気分だ。新幹線で行くよりは少々だがお安い。ラーメン代が浮いた。時間は2倍かかるが。出発まで上本町のハイハイタウンで美味しい中華屋さんで餃子と皿うどん

今回はテント泊ではなく、西穂山荘泊なので荷物が軽い。もう雪用の装備もいらないので、六甲山の装備と殆ど変わらない。

ザックは オスプレイのミュータント28L

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ヘルメットを外付けできるメッシュカバーが着いているので便利だ。天気はとても悪いので雨天前提で準備をしておく。雨具上下と、ザックカバーは必須。

名古屋に着いたらコンビニで、次の日の朝ごはんを買っておく。あいにくもう深夜なのでコンビニしか空いていない。西穂高岳までどのくらいのペースで行けるか経験がないので、少々多めに食料を買う。そのとき買ったパンを、こうやってブログを書いている本日、未だに食べている。もう4日か5日もたつのに。適量とは難しい。

名鉄バスが出発するまでにトイレを済ませておく。バスセンターにあるトイレに行こうとすると途中で忘れ物を発見した。

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大変だ、勇者様が伝説の剣をお忘れになっている。これでは、世界が悪魔にのっとられてしまうかもしれない。勇者様、どうかご無事で。

 

とファンタジーな一件を挟んだ後、私達は名鉄バスに乗り、いざ新穂高に。時刻は23時10分。

バスは4時間ほどかけてゆっくり新穂高に向かう。それでも到着予定が4時半。徒歩でスタートする登山者にはもってこいバッチリのバスだ。だが、ロープウェイの私達には持て余す時間がとても長いだろう。なんてったって8時半営業開始だ。

そんな心配をよそにバスは暗闇の中を進んで行く。途中何度か休憩をとって、バスは新穂高に着いた。あまり寝れなかった。

 

新穂高ロープウェイ乗り場で時間つぶし

降りた登山者は数組いたが、殆どがいつのまにか出発していった。あとからポツポツとバスがやってきては登山者をおろし、彼らもまた散って行く。この時間で新穂高ロープウェイを待っているのは私達とあと一組が薄暗い新穂高のバス停に佇んでいた。はたしてこの交通手段は正しかったのか、そんな不安を眠気が優しく包んでいく。

まだドアは空いていないので外の足湯のエリアで待つことに。名古屋で買ったおにぎりを食べる。地熱で地面が温かい。おにぎりをしばらく置いて温める。効果抜群。こういった些細な発見と喜びがこれまた不安を取り除く。おいしい。

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ペットボトルも温める。

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そういえば天気について言及がまだだった。ズバリ「雨」そして「霧中」。最近の予報は当たる。当たるにしても少しは期待値を含めていただいてもよろしゅうございますわよ。

足湯に浸かり、体を暖めると余計に眠くなる効果が時間をうまく費やしてくれそうだ。

かけ流しの熱湯に先程のペットボトルをかざし、放置。しかる後に飲んでみるとやけどしそうなくらい熱かった。せっかく貯めた眠気もリセットされた。

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目を覚ますごとにあたりは明るくなっていく。雨も目がなれたのかもしれないが、和らいでいる気がする。霧は断然濃くなっているが。

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ロープウェイ始動

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時は来た。八時過ぎにようやくドアがあき、中へと入れた。

すでに一定数の乗客が集まっている。みな、二階の乗り場へと進んで行く。私達も。

滞りなくロープウェイは私達を乗せて上へ上がっていく。一旦第二ロープウェイ乗り場で乗り換える。ここで乗客はぐっと増える。自家用車組はここまで上がってきてここからロープウェイに乗る事ができる。

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第二ロープウェイでさらに食料を買い漁る私。

焼き立てのパンが売っているのだ。マストバイ。

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第二の籠に乗り換えた後、ロープウェイは霧の中、正確に言うと低い雲の中を登っていき、到着。

ここで、服装を整えて出発。

登山開始

9時半

少し小雨のような細かい雨粒が降っているが気になるほどではない。

清々しいとは言えないが、まだ暑くないので思ったより気持ちよく登っていける。

約一時間の予定だが、もう少しかかるかもしれない。

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播隆上人に挨拶をして先に進む。

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緩やかな傾斜の上り下り、やや滑りやすい石を乗り越えながら上へと向かっていく。

下山する人たちが止まっていた。どうやらそのうちの一人が転んでしまったようだ。でも大したことはなさそう。あと少しというところで事故は起きやすい。

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気をつけているうちに屋根が見えた。

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そう、あれは西穂山荘。着いたのだ。ちょうど一時間。

10時半

あっけない序盤の登山。無事到着。

西穂山荘

西穂山荘、すでに登山者が出発の準備か到着後の休憩かをしている。

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かわいらしい看板があった。

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そして、とりあえず、ご飯だ。

そう、ここは西穂山荘、とくれば西穂ラーメンだ。

中に入り、早速注文する。

ワクワクドキドキのひととき。

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うまい。相変わらずの美味しさ。

ここ飛騨地方特有の高山ラーメン。あの君の名はでも有名だ。

最後の一滴まで飲み干して、では、下山。という気持ちにさえなってしまう。

というわけにもいかない。

雨はまた降り始めているが、明日の下見のため、今から西穂独標まで向かうことにしてるのだ。

下見登山

必要なものだけザックに入れていざ出発。

明日は闇の中をしばし進まないといけないので、下見で登っておいたほうが良い気がした。一本道とはいえ、なにがどうなっているのかは知っておきたい。ワクワクドキドキは必要だが、ハラハラヒヤリはいらないのだ。

雨は次第に強くなっている。でだしの大きな丸い岩群を乗り越え、ハイマツの一本道を抜けて暫く行くと丸山についた。雨は更に強くなっている。これ以上行って土砂降りに会い、服が濡れすぎるのもアレなので、引き返すことにした。

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下見登山終了。

 

チェックイン

西穂山荘に帰ってきた。まだチェックインの時間ではないのだが、外は雨だからだろうか、なかの食堂に入れてくれた。

そこでビール。うまい。そして眠い。

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周りにも宿泊予定の人たちが休憩している。今回はテレビの収録のスタッフも来ているようだ。さすが日本を代表する飛騨山脈

 

1時になったので、チェックイン。ボーッとしている間に相方が済ましてくれた。

部屋に入ってしばし昼寝。そんなに何もしていないのだが、昨日あんまり寝ていないせいか、とっても眠い。

目がさめたら晩御飯のはずだ。

 

つづく。

 

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