普通、カメラで撮ると写真は自然に横長に撮れるようになっている。例外はあるが、ほとんどが横長に写るように設計されている。
人間は目が2つ左右に水平に並んでいて、片目ではやや横長の楕円の視野だが、両目ではそれが重なってかなりの横長の楕円の視野になっている。垂直よりも水平に視界を優先する事で、広く地上の脅威に素早く対応する事ができるからである、、そんな気がする。また、人間は垂直移動より、水平移動の対象に敏感であるというのを聞いた事がある。その事からも水平に視野を広げておくことは大切である。
そのような理由があったからか、テレビや映画は横長である。そして写真もそれを写すカメラもまた、横長になったのかもしれない。
ただし、絵画からいうと、肖像画は主に縦、風景は主に横で描かれてきたような印象もある。
現に写真でも人物は垂直に長いので、縦に構えて撮影をする事が多い。
しかし、そういった対象が理由ではなく「写真は今は縦が主流なので、縦位置でうまく物事を撮影する方法は?」というのを質問された。
私は前半部分に驚き、なにが起こっているのか逆に聞くと、「インスタなどのSNSにあげる動画や写真は縦が見やすいので今は縦位置で撮る事が多いし、スマホの画面も縦位置なので自然にそういった縦の動画や写真になるんです」
SNSやスマホが理由なのは、なるほど、そうなのか、そういう時なのかと理解した。そしてそれが写真だけではなく、動画においても縦が主流になりつつあるという事に更に驚いてしまった。
今後増えるであろうSNSでの企業PR動画撮影、これらを縦位置でも同時に横位置でもうまく表現できる事が現場で求められる恐ろしい時代がそこまできているんだなと、薄紫の朝日を見ながら感じた。