8/12
朝4時には起きただろうか。
山登りで、4時は早くはない。日の出前の天気が安定した時間に歩くほうが良い。らしい。午後は大抵崩れる、そうだ。さらに、テントを片付けたり、朝ごはんを食べてたりしていたらあっという間に1時間くらいたってしまうのだ。朝のバタバタは、都会と変わらない。
まだなれてない私達なら早起きは、なおさら必要だ。
朝日浴び
ぼちぼち歩けば
午後嵐
という俳句があったとかなかったとか。
周りを見てみると、大学生の団体も高校生の団体もとうにテントを片付け終え、出発の準備をしていた。さすがである。
前回
我々もテントを片付ける。そこまで丁寧に片付けなくてもまた数時間後には出すのだから、適当に包める。こういうのがいかんのかな。
出発の準備を整え、燕山荘の近くのテーブルに向かう。
ちょうど日の出が出るタイミングだったので、5時前だ。
日の出より飯だ。
ちゃっちゃとご飯を作り、食べる。
たしか、パスタだった気がする。
ゆっくりする間もなく、出発である。
行程ではここから大天井を経由して西岳まで向かう。ここでもテント泊だ。ただし、同じように激込みしていたらテント場が一杯になる。無理ギリギリでなるべく間に合うように着きたい。
お昼は大天荘でランチの予定だ。ここでは、名物のインデアンカレーをぜひとも食べたいのだ。
(大天荘HPより)
というわけで、出発だ。
ここまで全く槍ヶ岳について触れていないが、それもそのはず、曇っててその姿が全く見えないのだ。心の支えを失った状態で、これから来る疲労に打ち勝てるだろうか。。
というのも考えつつも、進まなければならない。
さあ、表銀座、いざ出発である。
登りは昨日終わらせたので、もう心臓を破るような坂道はない。のんびり歩くだけである。多少ガスっているが、視界がないと言うわけでもない。
まずは大天井岳までてくてく歩く。
ただ歩く。途中、奇岩的なものがあった。こういうのはどういう理由でできて、のこったのか、タモさんに聞きたい。
幅の広い尾根をひたすら歩く。これで槍が見えたらなと、何度思ったことだろう。
途中で、先行していた団体に追いついた。どうやら大学の団体だ。その中で一人、調子が悪くなって全体のペースが落ちているようだ。調子が悪くなったのは女子の先輩風な人で、その人のザックを後輩の男子が「担げるっす、余裕っす」とばかりに自分のも含め、2人分持っていた。
多分彼はあの女性先輩が好きだ。
更に行くと、笹の地帯を凝視しているオジサン集団にであった。北アルプスで笹の方を見る理由は一つである。
雷鳥だ。
おお、とばかりにどこぞどこぞね、と聞き込み、見つけ出す。
いた。
こんにちは、初 雷鳥さん。しかも親子連れ
帰宅後、見直したが、イモトOP級に難問である。
更に進むと、高校の団体がいた。
対向者もおおく、この先のはしごが詰まっているのだろう、停滞している。先を譲ってくれたので抜いていくことにする。
予想通り何十回もの「こんにちは」攻撃に合う。いいんだよ。いいんだけどね。
そしてその先の梯子を降りる。
はしごを降りるとこんなプレートがあった
そう、この表銀座縦走路を開拓した小林喜作のレリーフだ。ありがたやありがたや。
そして、ある場所につく。
この切通岩という場所に今いる。
向かって左に行くとカレーのある大天荘がある。
右に行くと、ショートカットで合流地点の大天井ヒュッテに行ける。
簡単な法則だが「三角形の一辺は残る二辺の和より短い」である。
そして時刻はなんとまだ8時である。ここから大天荘まで40分、カレーが始まるのが10時半、2時間持て余すことになる。
私達は、なるべく早く西岳に着きたい。
結論は出た。
右側のショートカットコースを選んだ。
それがなかなかのコースであった。。。
続く