連休ということで、はじめは北アルプスに行く予定だったが、天気もよくなさそうだし、仕事上がりの出発になるので、今回は近場のハイキングに。
六甲山、久しぶりの六甲山、もう虫はいないだろう六甲山。
コースは定番の地獄谷から東おたふく山、そして黒岩谷西尾根ルート。
8時にJR芦屋駅スタート。まずは登山口へ、芦屋川沿いに歩いていくと、急に登山客が増える。阪急芦屋川駅だ。ここは登山口への最寄り駅なので大変人が多い。この日は地元の祭りも相まって白装束と登山の人と複雑な混雑ぶりだった。だんじりが準備されていた。この芦屋界隈を回るのであろうか。
登山口までは、急な斜面の住宅街を上がっていく。住宅地が終わる頃には大変長めが良くなっているが、そこにもどうやらだんじりが来るらしい張り紙があった。この坂道を引いて登るのか、すごい。。
住宅地を抜けると、川沿いに車道を歩くのだが、木々に囲まれ心地よい。紅葉はまだしていない。あちらでは真っ盛りというのに。
今回は、久々の日帰り登山、荷物もこれ以上ないくらい少ない。六甲山は山頂に売店があるので、食事さえ用意しなくていいくらいだ。そんなことは恐ろしくてできないが。
相方のザックは先日届いたばっかりの「山と道」というブランドのザック、miniのカスタムバージョン、色や素材の組み合わせが自由にできるが、納期半年待ちというなかなかの一品だ。
今回は前回のこともあり、「楽しい登山」ということが優先だ。とあれば、ほどよい運動で満足感の得られる六甲山、これに限る。
「前回」の疲れ切った相方のエピソードはこちら
新品ザック+お気軽コースということで相方の気分も上々だ、これで登山のモチベーションを重ね塗りしてほしい。
天気もよく、良すぎるくらいに夏日だ。半袖でちょうどいいくらい。帽子も必須。
登山口の売店には早速ビールで一杯やってるおじさんたちがいた。彼らは何時に登って今に至るのだろうか。
まあ、いつものことなので、さあ、出発だ。
レリーフが光っている。
早速の渋滞の中、地獄谷に行く方に足を進めると、人はいなくなった。こちらに来る人は、そういない。楽しいのだが。
誰もいないが、イノシシがいた。早速すぎる。
相方は初イノシシらしかった。六甲山でイノシシに遭わないほうが珍しいので、相方はついているのか、いないのか。
イノシシとサヨナラし、沢を登る。
水量はやや少ないほうか。順調に登っていく。ここはコンパクトに沢登りができる割に、ちょっとしたアトラクションチックで好きだ。
とはいえ、足場がいつもより少ない。いつもより水量が多いようだ。誤った。
これくらいが、ちょうどよいかもしれない。この沢は最後は堰堤になっていてそこの手前で尾根に登るコースとなる。数百メートルの沢登りだ。
無事、さいごの滝を登り終え、東側の尾根に入る。ここでいつもどこから登ろうか迷うのだが、小さい尾根なのでどこから登っても結局同じ場につける。
そこからは岩場の登りとなる。岩場というか、砂場というか、花崗岩の岩場がつづく。
ここもまた、巻道と直登と様々なコースが存在する。別に早く山頂に行くこともないので、登れそうな岩場は登ってみる。
相方も必死についてきてくれている。楽しそうで良かった。
上り斜面はほぼクライミングである。であるが、足場はないこともないので、頑張れば誰でも登れる岩場がつづく。お子さんとかは喜んで登るだろう。
トップに上がると見晴らしが良い。その向こうのトップにも人がいる。さっき追い抜いた人たちだ。私達が、のんびり無駄なクライミングをしている間にずいぶん先に進んでいる。
そしてまた岩場を降りて、また登る。楽しい。
そうして万物相と言われている岩場まで来た。
振り返ると大阪湾と町並みが一望できる。
この日は話題の関西空港まではっきり見えた。工事は順調だろうか。
休憩をはさみ、登山道に戻る。ここからは一般登山道なので、歩きやすく、人が多い。
皆の休憩ポイント「風吹岩」に到着。
本当に人が多い。ここでお弁当を食べて降りる人もいる。山頂に行くのだけが登山ではない。この周辺の岩場登りと沢登りをコースに入れまくると十分一日歩ける。
だが今回は普通に山頂を目指す。そして、有馬温泉に向けて谷を下りる計画だ。滝巡りをしながら降りれるので、楽しい。
道中、木々が倒れている。このへんも台風でやられているようだ。ゴルフ場に隣接しているあたりが被害が大きい、風が強いのだろう。
暫く登ると、東おたふくに向かう分岐点に出る。
ここからはまた、人がいない。のんびり歩ける。東おたふくはすすきの再生を目指しているらしい、そんな看板が以前あった。今回来てみると、すすきが生えていた。これがそのうち、すすきで丘じゅうびっしりになるのか、楽しみである。
この東おたふくの丘を越えると、一旦道に出る。川べりの分岐点になる。
この川を渡って尾根を行く。ここは登山道になってはいないが、踏み跡がしっかりしており、たいへん登りがいのあるコースだ。私は本コースより、この道をいつも行く。人もいないばかりか、急峻なアップダウンがあり、とても面白い。
神戸方面から六甲山へ、そして有馬温泉にむかう登山道は後半の有馬の下りは、単調な登山道である、故に前半の上りでいかにバリエーションを持つかが鍵になる、と、私は思う。今回は谷を降りるので、下りも楽しいのだが、多分誰も通らない。
と、次第に相方が疲れてきたようだ。ゆっくりゆっくり歩いているのだが、おそらく序盤の岩登りが堪えたのだろう。というわけで下りは一般道を降りることと相成った。
残る上りはこれが最後と毎回騙されるこの登山道、そう、小さなアップダウンが多くあり、どれも似ている。最後の笹薮だ、と思っても、最後ではなかったりする。
どうにか間違いなく最後の雰囲気になった。
ヤブをかき分け、山頂付近の売店に到着した。
一般道で見た登山客はすでに到着し、休憩していた。そりゃそうだ。
売店に入り、ノンアルコールビールを飲む。
記憶に無いぐらい五臓六腑にしみわたった。
自動販売機で水を補充。お値段も高くない。素晴らしい。
山頂部に上がる。だんだん見晴らしが良くなって、関西の町並みが一望できる。
それを背に、さらに上がっていくとこんもりとした広場がある。隣には大きなアンテナがある。ここはもと米軍の土地として使われていた過去がある。それを地元の人たちが苦労して取り戻したという。
そして六甲山最高峰に到着。
周囲はお昼時ということもあって大賑わいだ。ピクニックのようだ。
私達もシートを広げ、ご飯の用意をする。
今回はカップラーメンとパン、と至ってシンプル。なるべく軽くというコンセプトのもと、調理系は省かれた。
トマトのほうが美味しかった。
暫くのんびりする。そう、谷下りはもうないのだ。もうここで登山は終了していると言っても良い。のんびりのんびり。
お昼寝をかまして、コーヒーを飲み、重い腰をあげ、下山の準備。
帰りは一層荷物が軽い。
有馬に抜ける道を降りるのだが、結構土砂が道を掘っている。これは谷道を行かなくてよかったかもしれない。
と思いながら、他に思うこともなく、延々と降りる。
一時間後、有馬温泉に到着。今回は相方のおすすめで、かんぽの宿のお風呂に。
金の湯より、若干高いが、混雑して無く、やや広い。
40分ほどのんびりさせてもらった。
ここのお湯も10円玉を溶かしたかのように茶色く、しょっぱい。これが有馬の湯である。
汗を流し、さっぱりしたところで帰るのだが、いつもはバスで大阪まで直行するのだが、今回は楽しい登山ということで、神戸に寄って餃子を食べてから帰ることとなった。
電車を2回乗り換えて、三宮駅に着いた。
そこから歩いて数分、通り沿いの小さな中華屋、満園。
5時からということで、ぎりぎり5時についたのだが、すでに満席、暫く待って座れた。
店員さんに日本人は居ないようで、まるで台湾旅行にでも来たかのよう。
ここは教えられていって、すごい美味しかったので、相方を喜ばせようと今回のシメのコースとなった。
餃子、水餃子、蒸し鶏、麻婆豆腐(山椒多め)どれも美味しい。
いや、その前の、生ビールがとても美味しい。
登山の疲れも吹っ飛ぶ甘みとコクである。
餃子はもう一枚おかわりした。タレを付けなくても具に味がついていて、美味しい。
満園でご満悦。
六甲山の登山も楽しかったようで、新しいザックも軽くてよかったようで、大成功。
あのザック、山と道mini、300グラム台とか、ちょっと反則レベル。