この連休もまるごとテント泊には行けなかったので、今回も六甲山に登ることに。
スタート地点は前回と同じく芦屋川から入って茶屋から登るコース。土曜日ということもあって、なかなかの混雑ぶり。茶屋の朝から呑助のおじさんたちは今日は居なかった。
予定コースは地獄谷を通って堰堤手前まで上がり、東の尾根を登ってAケン付近からピラーロックへ入ってピークは登らず巻道を通って万物相に。その後は風吹岩から本ルートの七曲りの道を使って頂上へ、という少し楽なコース。前回ピラーロックで登りまくったので、後半疲れてしまったので今回は更にゆるく登山。
地獄谷の水量は先週ほどはないものの、いつもより少し多いかなと。相方は今回調子よく、ひょいひょいと登っていく。今後のルートが楽だと思うと調子が良いのか、先週ので若干トレーニングになったのか。本人曰く後者らしい。
後ろに6名ほどの団体がいたが、次第に見えなくなったので、引き返したのかもしれない。こういう時、無理せず引き返せるのは立派な判断だと思う。
無事最後の滝まで登りつめた。相方の調子はすこぶる良い。
巻道を探しながらピラーロックに。いつもなら一山5分くらいかけてヘコヘコ越えていたピークが、ものの数十歩で越えれるので、これはこれでどうかと思うが、まあ、楽しいに越したことはない。前に進む気持ちと同量の体力が備わっていないと目的地に笑顔で到着できない。
万物相を越えて、暫く行くと本コースに合流する。ここから急に人が増える。
今回はやたら「青」い服を着た人が多かった。なぜだろう、帰りまで通してほんとに多かった。
無事風吹岩まで来れた。
少し休憩なのだが、ここは全く日陰がないので下の木陰で休憩。相方が靴の中に小石が履いてそれをとっていた。こういった山では短パンは不利なのかなと思った。難しいところだが、涼しいを選ぶか、小石なんて気にしないをとるか。
今回はサラッと書き綴っているが、さすがに二週連続となると、こうなってしまう。
今回は楽チンコースなので、思い出したかのようにつま先登山トレーニングを開始した。そう、比良の山で始めたあの歩き方。ふくらはぎがパンパンになるが、確実に足首は強くなる、はず。
暫く上り、東おたふくと七曲りの本コースの分岐点に到着。雨ヶ峠というらしい。
ここでは多くの登山客が休憩している。私達もほんの少し小休止。
ここからはいつもの東おたふくではなく、七曲りに向かう本コースに。
ここを通るのは久々すぎて、新鮮だ。ほぼ綺麗にステップが作られていてとても歩きやすい。まずは「本庄橋跡」を目指す。谷に降りて沢の横を通る。登山客もとても多いので、賑やかで良い。
と先に進んでいた登山客が慌てて引き返してきた。どうしたんだろうと、聞く前から「イノシシイノシシ」という声が。なるほど。
イノシシが、立ちふさがって更にこちらの方に向かってくる。たしかにあの子をこえて進むのは若干厳しい。というわけでイノシシさんが通り過ぎれるところで全員待機。
ぶじイノシシをかわせたので出発。そんなに大きくなくてよかった。
それにしてもこのコースはとても歩きやすい。きちんと「歩道」になってる。自転車担いで登ってる人も登れるくらいだ。あれはあれで別の意味ですごい。私も負けじとかかとを上げ続ける。
そうして本庄橋跡を越えて、いよいよ七曲りの道に。
今回は本当に七回曲がってるか確かめてみた。すぐに7回は越えてしまったので数えるのをやめた。
ここからは曲がりながら登っていく坂道だ。しかもここも整備されている道だ。先週のコースと疲労度がまるで違う。楽チンこの上ない。相方も本当に調子がいい。良かったよかった。
七曲りを使ったコースはまっすぐ頂上に直結している。アップはあるがダウンはない。というわけであっという間に頂上の売店についてしまった。なんだこれ。
がしかし、ここで飲むドライゼロは美味い。ありがとう程よい疲労。ふくらはぎだけはパンパンだ。
山頂部に上がると我が自衛隊がなにやら災害時の訓練をしていた。ご苦労さまです。
山頂部、見慣れた山頂、でも、来るとやはり嬉しい。清々しい。
記念写真をとって早速ご飯。
例によってカップラーメン。本日は謎肉のキーマカレーヌードルと相方は尾道ラーメン。いいじゃないいいじゃない。ええじゃろええじゃろ。
うーん、美味い。やっぱり山はカレーだね!
尾道ラーメンも程々に美味しかったが、カップラーメンとはいえ、もう少し麺に工夫が欲しかった。
それにしても暑い。涼しくなると思っていたが陽射しはなかなかまだ暑かった。
でも、コーヒーは美味い。お茶請けのオールレーズンは、最高の一品。
身支度を整えて下山。
今回は本当にサクサクな雰囲気だが、じっくり歩いて休んで食べて休憩した。
そして帰り道。上りと同じく、七曲りを通って降りる。
まだまだ登ってくる登山客も多い。ほんとに青い服が多い。
ほぼ階段なので、軽快に下りれる。あっという間に本庄橋までこれた。
次第にすれ違う登山客も少なくなってきた。時間は2時。
と、立ち止まりながら進んでくる老夫婦登山客に出会った。
かなりスローペースなので気になって声を掛ける。
その様子からここは、はじめての登山らしく、「山頂はまだですか」という感じ。
何時に出たか聞くと、ここまで4時間はかかっている。本来なら2時間くらいで来れるはずなのでやっぱりスローペースだ。しかもここからは上りが多い。あと二時間はかかるだろう。男性に「下りてくるときはだいぶ暗くなっていると思います、無理せず、バスなど利用してください」と伝えると、「ロープウエイでも帰れますよね」と。
そうして彼らとは別れたが、よくよく考えたらロープウェイまで歩くのはかなり厳しいし、バスがきちんと運行しているかも私には確信できなかったので、その後にすれ違った登山客に、先行しているお年寄り夫婦に声をかけて様子を見てやってください、と伝えた。更に後で自分たちが引き返せばよかったと、思う始末。反省。
と、思っているうちに分岐点に到着。荒地山を目指す。
荒地山には岩梯子など、ゴロゴロした岩場があり、とても楽しい。本来は登るためのコースだが、下りでここを使うことにした。
荒地山に向かうまではちいさな丘を越えるのだが、例によって迷い込みやすそうな場所だ。気をつけて道を選択して進む。
なかみ山、大谷乗越を通って、荒地山に。久しぶりに来たのだが、こんなに長かったかな、という印象。道自体はただの山道で、掘っているところは六甲山東部によくある感じ。
黙々と突き進み、ようやく荒地山山頂部に。
ここから楽しい岩登りならぬ、岩下りだ。
眼下に神戸の街が見下ろせるこの場所はとても気持ちがいい。
登るより下るほうが難しいので、気をつけて降りる。
前回登るのに難儀したはずの岩壁が、すんなり登れるようになっていた。少し成長。
下り進むと何やら音楽が聞こえてくる。テンション高いクライマーでもいるのかなと思っていたら、平たい岩場でのんびりピクニックしておられる方だった。これはこれで気持ち良さげだ。ちなみにこの平たい岩には初めて来た。後から調べた相方曰く、テーブルロックというらしい。
記念写真だけとって引き続き、下山する。
先行して追い抜いた二人組もそこに居て、テーブルロックから降りていった。
私達も、岩ひとつだけ降りたが、そこから先が読めなかったし、降りても登り返せない岩もあるはずなので、引き返し、知っているルートで帰ることに。こうやって他人がいるから安心バイアスで、集団で遭難に合うのだろう。近くでピクニックしていたら、それもまた安心材料になって判断が鈍ってしまう。
例の穴の中を通る岩に来た時、茂みの向こうの岩場にに先行の二人組が居た。
「どうですか?正規ルートの穴ポコの岩はここですよ」と声を掛けると
「やはりそうですか、ここで行き詰まってたんです」と答えた。
「引き換えしたほうがいいですよ、登り返せますか?」
「大丈夫です!登り返します」
よかった。岩場で遭難の結末は滑落以外ない。良かったよかった。
岩梯子を降りて、無事、山場終了。
暫く岩の坂道を降り、後は尾根を真っすぐ進んで、城山という住宅地の真上の尾根先まで出る道だ。
先程の二人組も無事復帰し、私達を追い抜いて帰っていった。良かったよかった。
想像以上に長い尾根、私の中ではすでにトップガンのエンディングテーマ曲が流れていたが、全然「THE END」にならない。やはり定期的にいろんなルートを歩かないといけないな。
反省しつつ、相方を励ましつつ、ようやく下山、道路はアスファルト。
芦屋川までてくてく歩き、終了だ。
今夜は餃子ではなく、カツオのたたきを食べに南森町へ。
美味い。
美味すぎる。
と、爽やかな登山に思える今回の山行、実はとんでもなく腹立たしいことがあった。
それは振り返ること、行きのピラーロック、Aケン付近のことだ。
巻道として通った私達の目の前に、今まで見たこともない量のゴミが散らかっていた。
燃えた新聞紙や、コンビニ袋、ラーメンの袋には中身が入ったまま、ペットボトル、マッチもたくさん転がっている。バーベキューの金網、そしてなんと鍋まで捨ててある。
驚愕の一言、、少し涙が出た。。。
とても見過ごせないの持参してあったポリ袋にそれらの憎たらしいゴミを詰め込む。拾っていると買ったばかりのヘッドライトのパッケージとヘッドライト本体もあった。がしかし、電池が入っておらず、「使えねーなこれ」と捨てられたのだろう。ささやかなペンライトもあった。その安直な行為にも、腹がたった。どうにか綺麗にできたので、そこからは、ゴミ袋と共に登山となったのである。
想像するに、夕方遅く、山で酒盛りでもしようと、そのへんの店で買った網と鍋とラーメンをヘッドライトを買って準備万端とばかりにここに来たのだろう。
しかし、夜はすぐに更けて、ラーメンどころではなく、いざライトを付けてみると電池がないので付かない。慌てて新聞紙を燃やすも風で飛んでいく。ペンライトは役に立たない。とりあえず、マッチある分全部つけて荷物をまとめ、沸かすためのペットボトルは消化用水となり、あとは放ったらかしで、下山。こんな感じだろう。
ここまで来れる人たちが、どうしてこんな愚行ができるのか、と他人の動機を考えることは私はしない。もう二度と山に来ないでいただきたい。
そんなこんなの、とんでもない出来事があったことは、最後にでも書かないと、読まれる人がきれいな六甲山を思いながら読んでいただけないかと思い、このような書き方となりました。ご了承ください。