鈴鹿の鎌ヶ岳、御在所岳に決定するまでの迷走
相変わらず寒さの無い1月末、私は今度の2月の連休は長野県などの遠くの山に行く予定を立てていた。
どこへ行こうか。八ヶ岳を目指すのも良いし、唐松岳方面も魅力的だ。今ならまだバスの席も空いている。
八ヶ岳は前回同様、茅野までの高速バスを使う。唐松岳方面はスキー用のバスが出ている。
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別プランで西穂高独標という案もある。しかし西穂高は、交通のアクセスが微妙に悪い。いい夜行バスがないのだ。
高山までの直行バスを使うと、ロープウェイの上に着くのは、夕方近くになってしまう。何年か前まで新穂高直行のバスがあったらしいのだが、もうない。
色々調べていくうちに、なんとか岐阜からのアクセスならば昼ぐらいに着ける事が分かった。まず夜行バスで岐阜まで行き、そこから高山までのバスに乗る。そして早めの時間に新穂高に着ける。なんだかサスペンスドラマのアリバイみたいなプランだが、とにかく無事、西穂山荘泊まりというプランも立てれた。
それから数日経った。
天気の具合を見つつ、と、うだうだしていると、なんと各方面のバスがどんどん埋まってしまっている。結局のところ、西穂高のみが空いていた。
私としては1番良いプランだったので、採用していいか相方に提案した。
独標までは岩場の登り降りがあるので少し大変だが、確実に足を置いて行けば大丈夫なはずだ。相方も行けるところまでは、状況をみて判断しながら進みたいと言ってくれた。無理は禁物だ。
というわけで、早速予約手配、その後無事、複雑な手配を終えた。荷物等の出発の準備をして当日を待った。
最初天気はA判定だったが、その後、目まぐるしく変わる天気予報の値が高い確率でC判定となってきた。西穂高は、ロープウェイである程度登ったあと、1時間ほど登り、そこから稜線を歩いて進む登山道だ。稜線が吹雪だったならば、前回の木曽駒ヶ岳や伊吹山の比ではない。3000メートルの高地、偏西風の吹き溜まりの影響をまともに受け、世界に誇る風の強さだ。
迷った。
迷うくらいだから諦めた。
ここは素直に次回に繰越しという事で、他のプランを考えた。
というわけで、鈴鹿に
天気がさほど悪くなく、かつ楽しめる場所。できれば関西を抜け出したい。
鈴鹿山脈に「鎌ヶ岳」という山がある。鎌の形をしてるからなのか。綿向山から見えるぽこっと尖った山、隣に御在所岳がそびえる。
ここに日帰りで行く事にした。
前回の御在所岳は朝イチの近鉄特急で行ったのだが、登り始めが結構遅くなってしまった。
今回は四日市まで深夜バスで行き、そこから早めの電車で湯の山温泉を目指す事にした。
鎌ヶ岳は長い尾根か谷を登って最後は激坂を登って頂上にたつ。どのルートで行くかも楽しみながらプランを立てたい。
ふと思い出した。
連休なので、一泊して御在所岳も登ったらどうか?
名案だ。2019年一番の名案だ。ただ、この直前で宿があるかどうかだ。
神はいた。
宿が残り数部屋という段階で見事にヒット。即予約。晩御飯は付いていないが、それはまたどうにかしよう。
こうして私たちは鎌ヶ岳と御在所岳の準備を始めた。その翌日だっただろうか、西穂高岳で滑落死亡事故が発生した。ニュースで知った時、あっちに行くことにしなくて良かったと思った。知った上であっちに行っていたとしたら、冷静に足運びできただろうか?そして、その後も木曽駒ヶ岳の宝剣岳でも滑落死亡事故が相次いだ。今年は暖冬で氷が溶け、カチコチのアイスバーンになっている。固く凍ってしまった氷壁に対峙する充分な技量と、常に安定して歩行する集中力を持たなければならないと思った。厳冬期、厳しい環境の山に行くのはそれからでも遅くはないだろう。
もしかしたら、ここ数日誰も入っていないかも知らないので、一応ワカンを準備、ご飯は鎌ヶ岳は山頂で、二日目の御在所岳は山頂のレストランで食べることにした。アイゼン、チェーンスパイク、ピッケル、ロープ、ツェルト、ライト、ヘルメット、ハーネス、地図、コンパスを準備した。
というわけで、鈴鹿山脈の鎌ヶ岳&御在所岳に私たちは出発するのであった。
つづく。