今回私達が、2019GW涸沢〜奥穂高のテント泊登山で使用した装備をご紹介。
間違った選択もあると思うので、素直に真似しないようにしていただきたい。
今回の登山要素
残雪期奥穂高ならびに北穂高アタック、雪山トレッキング、テント泊、小屋泊
6時間の山道を登っていくのでなるべく軽くしたいけど、冬期登山なので外せないものも多い。
基本的に前者がジャンイチ、後者が相方だ。
一日目 上高地ー涸沢テント泊
二日目 北穂高山頂ピストン 涸沢テント泊
四日目 奥穂高~徳澤 徳澤テント泊
五日目 徳澤~上高地
- 今回の登山要素
- ザック
- 登山靴
- アウター・ジャケット
- ハードシェルパンツ
- ミドルレイヤー
- ベースレイヤー
- アンダーインナーウェア
- アイゼン
- ピッケル
- アタックザック
- トレッキングポール
- ヘルメット
- ハーネス
- ゴーグル
- バラクラバ
- テント
- スコップ
- シュラフ
- シュラフマット
- シュラフカバー
- グローブ
- カメラ
- アダプター
- レンズ
- ドローン
- その他
- ●ダウンジャケット
- ●ダウンパンツ
- ●ダウンシューズ
- ●サングラス
- ●キャップ
- ●炊飯道具一式
- ●プラティパスを水筒替わり(ホースなし)
- ●ヘッドライト
- ●スパッツ、ゲーター
- ●補助ロープ、カラビナ類
- まとめ
ザック
冬季ということ、濡れるということ、そして4泊ということで、大きく重くなる傾向はしかたなし。大容量で防水のザックの選択。ピッケルやスコップも入れなければならない。
●Mountain hardwear サウスコル 70アウトドライ
今回は70Lでパンパンになってしまった。一つ上の105Lにしようか散々迷ったが、105Lは、結局さらに入れて重くなりそうなのと、横幅があるので振られるのが嫌で詰めこんで70Lにした。ほんとうは余裕があるほうが良い。帰りに荷物が小さくなることはない。このシリーズは防水なので安心だ。ただし、雨蓋は若干その機能が低下する。雨蓋は結構大切なものを入れがちなので、工夫が必要だ。
●グレゴリー メイブン65
グレゴリーのメイブンはポケットやコードが多く、汎用性が高くピッケル2本収納も可。ただし防水ではない。
登山靴
横尾からは雪山用が必須。たとえ天気が良くても雪面は氷点下なので冬用があんしん。
●SCARPA モンブランプロGTX
冬の定番モデル。まちがいない。
● Mammut MagicGTX Woman
この分野では軽いほうだと思う。
上高地から長時間歩くことになるので、買ったばっかりのおニューは危険。じゅうぶん履きなれた靴で。本谷橋からの後半は雪坂の登りがつづく。アイゼン装着可能な登山靴で。
アウター・ジャケット
気温の変化が大きく、汗もかきやすい。雨や雪も突然降る。ゴアテックスなどの素材でできたハードシェルがおすすめ。風が吹いたらとても寒いのだが、晴れたら地獄の暑さなので、暑ければ脱げばいいし、ベンチレーションや携帯性も重視したい。
●Finetrack エバーブレス アクロジャケット
素材が柔らかくてベンチレーションが巧み。finetrackでインナーまで揃えると、脇のベンチレーションが統一される。さすがFinetrackという逸品。
●モンベル アルパインサーマシェルパーカ
ゴアテックスなのに、とてつもなく軽い。最近のは発達してる。ゴアテックスの「ゴア」は「ゴワゴワ」から由来されてはいない。
今回は、平均気温が高く、涸沢に到着するころにはハードシェルは不要なほど暑かった。ただ雨だったから着たが。
ハードシェルパンツ
雪山必須アイテムだし、気温が高いと、雪が雨になるのでレインパンツ代わりにもしたい。ヒップそりは、生地を痛めるのでしないほうが良い。 涸沢から上は、膝以上埋まるほど積雪があるので、ハードシェルがおすすめだが、暑い。
●Mammut GORE-TEX Quantum Stretch Pants
このモデルはシルエットが素敵。サイドジッパーで前後全開にできるのでトイレ等いろんなときに便利。
●モンベル アルパインパンツ
モンベルのハードシェルはゴアでも驚くほどお買い得。
ミドルレイヤー
何かと悩む中間着、でも着ないときはザックの肥やし。必要最低限より、すこし余裕の機能を持たせたものを。一日で天気は変わり、 暑くなるし寒くなる。その対応ができるレイヤリングを。
●モンベル ウイックロンZEROサーマルジャケット
暑くもなく寒くもないときに便利。
ベースレイヤー
下記は正確にはべースレイヤーではない。ではないが、これを着るとその機能が増幅する。上に化学繊維のシャツを着る。
●上下Finetrack スキンメッシュ
ファイントラックのベースレイヤーの下に着る「あみあみ」。汗をかいてもこれを着ていると全くべたつかない。一年中これがないと、もう不安だ。
アンダーインナーウェア
ハードシェルの下にはく専用のパンツ。というジャンルがあるのを最近知った。
冬にCWXはなんか違うと思っていた。
●Finetrackドラウトセンサータイツ
ハードシェルパンツの下に直接はけるインナーパンツ。あったかく軽い。 今回のおすすめナンバーワン! 二人で少し前に購入。ハードシェルの下に着ると快適。テント泊の普段着にも、寝るときもあったかい。
アイゼン
涸沢までは、ツワモノはがんばったらノーアイゼンで行けるようだが、安全面を重さで交換。
でも穂高に登るにはもちろん必須。ただし、冬でも岩場が露出しているので、岩稜歩きは注意が必要。とくに奥穂高のとりつき梯子の後。
●ペツル リンクス
アイスも行ける前爪がごついやつ。でも今回は不向き。
●ペツル バサック
ほぼほぼトレッキングなので、相方のモデルのほうが適している。
ピッケル
基本的に滑落停止用。だが、奥穂高の雪壁は必須。今回は雪壁は凍ってなかった。でもどっちが良いのだろう。凍っててアイゼンが入るのと、ゆるくてステップが付いているの。滑りやすさは凍ってる方がまさるだろう。
● グリベル エアテックエボリューション、ペツル ノミック
● ペツル サミット、グリベル ゴースト エボ
基本的にはピッケルは一本で行ける。奥穂の雪壁の安全度を高めるために二本目を持ち込んだ。もちろん1本でも当然行ける。グリベルのゴーストは刃を研いだほうが良い。
アタックザック
涸沢にテント泊、もしくは小屋泊し、奥穂高、北穂高に行く場合のサブザックはあったほうが軽くてすむが、そこまでメインザックに入れて持って上がらないといけないのは致し方ない。なのでなるべく軽いほうが良い。
●THE NORTH FACE VERTO 27/18
軽く軽量だが、さらに雨蓋を外せる。ピッケルもさせる便利なアタックザック。
トレッキングポール
涸沢まではこれが頼れる存在。ただし、踏み抜きも多いので、もしかしたら木の根で挟んで折ることも。ご注意を。私はずっと腕を上げていると、腕がだるくなるので、途中で使わなくなったり、一本にしたり。
● LEKI SPD2 ソフトライト DSS
軽くもなくこれにはこだわりは無いが、アルミ製でとても強いので信頼している。体重を乗せても大丈夫。レバー式なのでグローブをしたままでも調整しやすい。
●モンベル アルパインカーボンS
女性用だが、男性でも十分の長さ。とにかく軽い。
ヘルメット
義務です。
● ブラックダイヤモンド ベイパー
軽くてとても良い。
●グリベル ステルス HS
赤い。
ハーネス
基本的に単独で奥穂高なら、要らないと思うが今回は相方とロープでつなぐので持参。
●ブラックダイヤモンド モーメンタム
安全に寄与する道具は「軽い」という要素は二の次、だと思う。
ゴーグル
天候が荒れたら、ゴーグルが頼りになる。ザックの中ではデリケートに扱わなければならないし体積を占めるので、にくいやつだ。
●ABOM ONE
バッテリー内臓なので携帯に便利。少し重いがそれでも良い。
●SWANS HELI-XED
いわずと知れた地獄ゴーグル。バッテリーは外出し。
バラクラバ
寒いとこれがないと大変。そして日焼け防止にもなる。
●Finetrackメリノスピンバラクラバ
通気口があり、ゴーグル使用時には曇り付きの低下に貢献する。間違いない。
テント
涸沢はテント場が充実している。夜空を見ながらトイレに行き、帰りは迷子になるだろう。徳澤は、お風呂にはいれるので、徳澤ステイでリフレッシュもおすすめ。
●finetrack カミナドーム2
過去記事にも多く登場するこのテント。
軽く、そして立てやすく、快適、満点。ただ、二人用に二人は窮屈なのはどれでも一緒。
スコップ
涸沢に到着したら、何はともあれ家づくり。
●ブラックダイヤモンド ディプロイ3
もうちょっとシャフトが長いほうが良い。
シュラフ
雪山の夜はさむい。しっかりとダウンの入った冬用のシュラフを。
●FREELIGHT WRAPTA 3.5
FREELIGHTとNANGAのコラボモデル。底にはダウンは無いそのぶん軽く、でも寒くない。
底にスリットがあって、シュラフマットを入れれる。便利。
●ISUKA AIR450X
さすがのISUKA暖かさ半端ない。すこしうらやましい。
シュラフマット
テントに敷く銀マットの上にさらにシュラフマットで完璧。これが薄いと分厚いシュラフでも冷える。
●NEMO ZOA20R
意外と快適で超軽い。
●サーマレスト Zライトソル
定番モデル。外で座布団にもなるし便利。
マットなくして快眠はない。テント場はなるべく平らに整地しないと、テント内で滑ってしまう。
シュラフカバー
結露したらダウンは終わりだ。必ずカバーを。
●ISUKA ゴアテックスシュラフカバー ウルトラライト
ゴアテックスの生地で結露濡れ防止と、二枚重ねなので保温のダブル効果。少し重くなるが、快適さは増加するのでぜひ。
グローブ
凍傷にならないためにも冬用グローブは欠かせない。最近スマホの操作でグローブを外す人も多いが、注意点は飛ばしてなくすこと。めんどくさいが、タッチペンなどを使おう。
●テムレス
これはもうみんなが使っている。ただし、摩擦量が多いのでカラビナのゲートに引っ掛かりやすい。最初は指先が冷たいので、インナーグローブをするとよい。
その他予備を含め、数種類グローブは必要。忘れ物率トップテンだろう。
カメラ
金属とガラスは重い。誰にも文句は言えない。気合で担いで登ろう。バッテリーがこれまた地獄の重さ。モバイルバッテリーで充電できるタイプが増えてきたので活用しよう。また、宿泊者は小屋でも有料で充電できる。
●SONY A7III
軽量小型のフルサイズカメラ。今のところ特に不満はない。
アダプター
純正レンズに飽きた人がはまる最初の沼。
●TECHART LM-EA7 ライカMマウントレンズ - ソニーα.Eマウント電子アダプター
ライカMマウントレンズをAFの利くレンズにしてSONYのカメラに装着できる。
AFは遅いがかなり便利。
レンズ
●VoightLander ULTRA WIDE-HELIAR 12mm F5.6 Aspherical II
超広角レンズ。涸沢のぐるり囲まれた景色をとるのには足りないほどだ。
● VoightLander ULTRON 21mm F1.8 Aspherical
超明るいレンズ。夕方に大活躍。
● VoightLander NOKTON classic 35mm F1.4 SC
小型軽量の標準レンズ。シビアな環境は明るさがものをいう。
ドローン
申請などが面倒だが、慣れれば大丈夫。でも操縦は気を付けて。
●DJI MAVIC AIR
小型でも4Kが撮れる優れもの。ただしバッテリーの温度低下に注意。
その他
●ダウンジャケット
必須。小さくまとまる軽いものが良い。行動中は着ないけど、運動しないときは一気に冷えるのでザックに忍ばせておく。寝るときも。
●ダウンパンツ
冬のテント泊にはあったほうが良いかも。暑けりゃ脱げばいいが、無くて寒いとどうしようもない。
●ダウンシューズ
足先を温めると体温上昇が効率的になる。
●サングラス
晴れると白の世界。地獄の日光なので無いと身動きが取れない。日焼け止めクリームも必須。予備もあったほうが良い。
●キャップ
涸沢からの帰りは太陽に向かって下るのでまぶしい。穂高から降りるときも同じく。ツバがあると日よけになり、視界がはれる。
●炊飯道具一式
鍋はフライパンと深い鍋の2つ。バーナーも二つ。冬はあっためても直ぐに冷えるので2口コンロが便利、摩擦式の昔のライターがあると心強い。
●プラティパスを水筒替わり(ホースなし)
ホースは凍るのでいらない。でもキャンプ地は水場までの往復がしんどいので大量の水筒がいる。よってプラティパス。
●ヘッドライト
2個。ほしいときに見つからないので予備は必要。
●スパッツ、ゲーター
雪入り防止のハードシェルなら基本的に不要だが、私もそうだが、アイゼンでアウターが切れるのを防ぐのが主な目的となってしまっている。すこし暖かさも増す、ということで、暑くもなる。
●補助ロープ、カラビナ類
滑落防止のため、普段からこれらロープ類は持ったほうが良いと思う。何かと便利。
その他書いてないものは、年中使う携行品なので特に書いてない。
まとめ
今回は天候が不安定で雨、そして暑くなり、もちろん山頂は寒い。上高地と穂高の環境は全く違う。でも、涸沢で今回暑いときは腕時計の温度計で35度。さすがに間違いかと思うが、確かにものすごい暑かった。がしかし、奥穂北穂の山頂は風が吹くと凍てられないくらい寒い。というわけで、気温、天候に対しての柔軟な持ち物が必要で、荷物になるので着回しできるようなものが良い。とくに中間着は何種類か持っていきがちだからこそ、考えたい。フリースは暖かいが、暑がりの私は行動中には着ないので今回は外した。分厚すぎない中間着で、寒ければハードシェルの中にダウンを着ればよい。ボトムパンツは軽量のトレッキングパンツを用意。序盤、上高地から横尾まではそれで、雪に入るときに着替えた。ただし、濡れた場合のスペアとして、薄手の中間着があればと二日目にして思った。
ゴーグルは今回天気が良かったのでほとんど使わなかったが、もし天気が荒れたら、サングラスでは視界が確保できないので冬山は必ず持ったほうが良い。
GPSも携帯とは別にあったほうが良いと思う。マイナスの気温でスマホがいつも立ち上がるとは限らない。
もし余裕があれば、サンダルがあるとよい。今回は帰路の徳澤のキャンプで痛感した。