山と僕とカメラ

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登山初心者のバタバタ日記

剱岳の夏登山 その8 仙人温泉小屋 (仙人温泉小屋一泊〜阿曽原温泉)

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仙人温泉小屋

仙人温泉小屋は、秘境・黒部の中でも最も奥深い位置にある。阿曽原温泉から剣岳への北方稜線には阿曽原温泉小屋、仙人温泉小屋、仙人池ヒュッテ、池の平小屋、と4つの小屋があるがそのどれもが環境とともに個性豊かな山小屋と言わざるをえない。剣沢が喧騒の時期にも、この周辺に訪れる登山者の数は極端に少なく、静かな山旅を楽しむことができる。仙人池から1時間半下ると、仙人温泉の露天風呂が待っている。仙人ダムからだと3時間の登りとなる。 (仙人温泉小屋HPより)

 

 前回

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14時20分 仙人温泉小屋到着

なだれ込むように仙人温泉小屋に入る。そこは質素で落ち着いた空間だった。営業向き、というよりは、田舎の倉庫のようなストイックな雰囲気。今まで立ち寄って来た山小屋は、奥深くなるにつれてしだいにホテルのような雰囲気から、旅館、そして食堂の部屋付き、と雰囲気は変化してきたが、とうとう、「倉庫、寝るスペース着き」という環境に変化した。こじんまりした食事スペースが見えたので、安心した。事前に仙人ヒュッテの人から、私達が行くことを伝えておいてもらえたので、快く出迎えてくれた。料金は一泊二食付きで10000円。宿泊棟は手作り感満載の木造建築、平屋建て。今日は他にも数組が来るらしいので、部屋の奥のスペースを使うようにと案内された。ここに入って、何かクラクラするなあ、と思った。建物がマジックハウスのように歪んでいた。ここは豪雪地帯なので、春が来て小屋開きのたびに積雪で歪んだ建物を毎年直すのだろう。「張り」が何重に修理された跡があった。

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史上最高の露天風呂

お風呂は露天風呂が一つあるだけなので、一時間おきの男女入れ替えシステムだ。少し離れた所に源泉にあってそこから湯気が沸いている。そこからパイプで繋いでここまでひいている。よくよく考えたら、こんな奥深い山奥に露天風呂がある事はすごい事だ。最寄りの文明の場所、欅平から、過酷な水平歩道を使って10時間以上はかかる。もちろん室堂からは私達の通ったようにナン泊もかかる。風呂目当てで来る人がいるかも知れないが、いたとしたらかなりの秘境マニアだ。そんな貴重なお風呂に今日は入れる。

荷を降ろし休憩とお風呂の準備をする。ザックの荷物を開けると、なぜかザックの中が水浸しになっていた。不思議だ。一切雨は降っていない。プラティパスの口が歪んでしまっている。いわゆる開いている。キチンと閉まっていなくて中でその水が漏れ出たようだ。やってしまった。風呂に入る前に、荷物の水拭きと物干しというなんとも言えない作業が待っていた。他のみんなもそれぞれ荷物の整理をして、しばらくすると宿の人が「今日はおそらく君達だけなので広々使ってください。」と言いに来た。なので部屋を存分に使って干した。

そして待望のお風呂だ。

女子チームのお風呂上がりを待ち、早速交代。

ちなみに他のお客さんはいないので、時間交代制は考慮しなくて良いとの事。

脱衣所は広い。その隣に露天風呂があった。

思っていたよりも立派なお風呂でびっくり。湯温はちょうどいいか少しぬるいくらい。足もじゅうぶん伸ばせてリラックスできる。

展望は素晴らしい。ここでは載せれないがこのロケーションで想像できるポーズの写真をK氏と撮りあった。

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のんびりゆっくり温泉に浸かったら、風呂上がりに、勝手にとってコインを置く最先端自動販売システムのビールなどで乾杯。小屋泊は楽チンだ。お金はかかるがテントも建てなくていいし、ご飯も作らなくていい。

以前、「究極のウルトラライトは、小屋泊」という名言を聞いた。たしかに、としか言えない。

庭?のような場所に大きな岩があって、上に登れるようになっている。上は平たくなっていて、寝転がると気持ちいい。しばらく寝た。

食事も美味しい

そこから食堂の準備が見える。思ってたよりもキチンとしたテーブルセッティングで安心した。その後、晩御飯の支度が整ったようで食堂に行く。

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 天麩羅の盛り合わせと、川魚の甘露煮、鮎かイワナ。とてもほっこりする味。とても美味しかった。 ご主人曰く、熊が冬季に小屋を荒らすのが恒例のようで爪痕が残っているのを見せてくれた。熊の毛の皮を少し頂けるという事でありがたく頂戴した。初めて熊の毛を触ったが、両津勘吉の毛髪のように剛毛であった。

明日のパッキングをして、そそくさと就寝。

 

6時 仙人温泉出発

朝、天気は微妙、今日の行程もそう長くはない。のんびり無理せずに進む。

まず、反対斜面の尾根に向かって進む。途中に沢があるので、濡れないように渡ろうとしたら、残念がら、沢に落ちた。早速なけなしの乾いたラスト靴下に交換。昨日のプラティパスが悔やまれる。

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靴下は乾いたものを常に最低2つはあったほうが良い。沢登では全身が濡れてても大丈夫なのになんでだろうか。

7時 雲切新道下り開始

尾根に上がると、もうダムまで下るだけだ。結構急な下り斜面を降りていく。淡々と、結構無言で。荷も重いので余計に。f:id:fujikixblog:20190914134857j:plain

ここは「雲切新道」という名がついている。欅平から来る人たちを苦しめる急登として有名だ。たしかにこの登りは相当きつい。下り2時間半、登り4時間半というコースタイムが物語っている。鎖あり、はしごあり、さらに真砂土のザレ道という一番苦しい条件の登山道を降りていく。本日も相変わらず誰にも会わない。完全に陸の孤島、そして明日は誰か通るのだろうか。そんな気は全くしない。明日はこの時期で一番天気が悪い。台風が来るのだ。確定事項。休憩を何度も重ね、下る。ようやく麓が見えてきた。麓と言っても黒部川だ。しっかり山奥には違いない。

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黒部ダムの電線用トンネルが見えた。感動。

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黒四ダム以外にもすごい土木工事をしてたんだなと、驚愕。

そこからしばらく下りると、ダムが見えてきた。仙人谷ダムだ。誰だ仙人とは。

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それにしてもキレイだ。来てよかった。とキレイ事は今、無事だから言い続けられることだ。丁寧に下りる。 

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少し不思議な光景、写真手前の川はこちらから奥に、写真奥の川は向こうからこちらに流れている。それがほぼ一直線で合流している。どこへ向かうかというと本流の奥の黒部川が左にぐっとUターンしていてそちらに流れていく。荒れたらすごそうだ。

そうこうしていると、やっとこさ、仙人谷ダムに着いた。

9時35分 仙人谷ダム到着

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美しいしか無い。

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上流側と下流側でこんなに違う。きっと上流側の川底も、下流側のようなのだったのだろう、ダムができる前は。

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激下りを終えて一安心の私達御一行。おやつバカ食い。

 10時 ダム出発

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ダムにはトロッコの線路もあった。そして、とっても暑い熱風も出ていた。なんだか凄まじい場所だ。ここから、は一般道、かと思いきや、またしても激上りが待っていた。少しだけど。途中見えた社屋の食堂が羨ましくてたまらなかった。

一気に登る登山道またまた無言で終えて、トラバースに入る。

そして、無事、今夜のテント場、阿曽原温泉についた。

11時10分 阿曽原温泉 到着

天候も悪くなる一方なので、本日はここでテント泊。

 

つづく。