山と僕とカメラ

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登山初心者のバタバタ日記

【連続登山日記シリーズ】はじめての八ヶ岳 赤岳 その3

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イスクライミングを初めて見たのは去年の今頃、登山を始めて間もない時期だった。私は六甲山の裏にある有名な氷瀑を見に山に登った。そこには本当に凍った大きな滝があった。私達登山者は下からそれを眺めていた。すると上からロープが降りてきて、次に人が氷の壁をカマキリの様に降りてきたのだ。それにはたいそうビックリした。

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 前回

 

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ここ、赤岳鉱泉ではそれを気軽にといえば語弊があるが、アイスをやる人にとっては適切な練習ができる場所だ。柱にネットを張りめぐらして、そこに水をかけて人工的な氷壁を作っている。そこを先が1本爪のアイゼンとアイス用のピッケルを使って登っていけるのだ。

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実はこれがもしかしたら体験できるかなーっと思っていた。が、ちゃんとしたビレイヤーとロープが必要だという事を知り、また次回、キチンとできるようになってからさせてもらおうと、高嶺の花子さんを諦めるように私は赤岳鉱泉の宿に向かった。

小屋周辺にはテントが沢山あった。この連休は天気が良く厳冬期と言うよりは春山といった環境。もしかしたら、このアイスクライミング だけをしにここに来ている人は少なくないのではなかろうか。察するに、テント泊+アイスクライミング なら現地でかかる料金は0に近い。関東人なら毎週末ここに来てもいいくらいだ。

 

赤岳鉱泉の宿は、まるで都会の中にあるオサレアウトドアショップのようだ。全体的にしっかりとした建築で、各メーカーの展示があり、先ほどのアイスクライミング のギアのレンタルも豊富だ。食堂は広く、部屋数多い。個室にはコタツがある。トイレはもちろん洋式、水栓でなんと便座が暖かい。ありえない。すごすぎる。寝室は大部屋でも暖かい。そして、なんと言っても夕食のステーキ、これがついて10000円ほどなのだ。一度は来てみる価値はある。いや、最初にここに来たら他の小屋は泊まれないかもしれない。幾多の山小屋を経験した上で、ここが特別な、山小屋である事を理解した方がいいかもしれない。そう言った意味では、初心者にはオススメしない山小屋だろう。

さて、私達は早速チェックインをすませ、ビールを買い、乾杯する。相変わらずうまい。行動食として持ってきた柿ピーは大抵ここで「思わず」平らげてしまう。危険だ。命取りだ。と思って、予備柿ピーを持ってきた。危機管理は徹底しなければならない。

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本日の行動はこれにて終了なので、夕食までゆっくり寝る。山を登ってないとしても結構歩いたので程よく疲れていたのだろう。ぐっすり寝させていただいた。

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夕食の時間が近づく。誰からというわけではなく、皆自然にできた列に並び、食堂への着席の誘導を待つ。皆さんこなれている。それに従っていれば間違いはなかろう。私たちの順番になり、大きなテーブルの角に案内していただいた。よくできた配席、すべてのグループが角に配置され、会話が盛り上がるように、且つ他のグループが気にならないやうに気配りされている。5人以上のグループは事前にテーブルが別で用意されている。さすが、年中毎日開けている宿は違う。当然ながら水もタダで確保できるし、お茶などさえも無料でいただける。今回だけでなく毎回100円玉を大量に用意しているのだが、今回は要らなさそうだ。

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目の前に用意された簡易コンロの上には肉がのっている。紛れもなくステーキだ。

こんなことがあっていいのでしょうか、いいのです。

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ジュージュー焼ける間が待ち遠しい。持参したワインを飲むのも待ち遠しい。テーブルのあちこちから、歓喜が聞こえ始めてきた。どうやら食べ始めたようだ。

私達ももういいかなというお肉の焼き加減。実食。

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、、、

、、、

、、、

う、う、う、う、うめーーーー!!!

こんな美味しいステーキは今まで食べた事がない。本当に美味しい。なんだこれ。

焼き方は私達素人がじっと見ていただけなので、何の匠の技もない。なのに、この美味しさ、不思議だ。疲れ、山、高揚感、を差し引いてもトップクラスだ。私はグルメでもなんでもないので、毎日美味しい物を食べてる人に、ぜひ客観的なご意見をいただきたい。お肉好きの方、是非、ここまで足を運んでこのステーキを食べて食べログにでもアップしてほしい。

ワインもとっても美味しい。肉にはワインだ。ワインには肉だ、もしくはビールだ。

私達は美味しい美味しいを繰り返し食べ続けた。かつて、大阪の地にある尾道ラーメンの店で、ある女の子がお父さんと一緒に来客し、ラーメン定食のライスが先に到着した。女の子はそのライスをひとくち食べた。私が今まで見た、聞いた中で一番の笑みと高ぶる声で「おっいしーー!」と女の子は叫んだ。ライスでだ。

それを思い出した。

私達は、残り少ない夏休みの日のように、やがて無くなっていく肉片に寂しさを感じつつ、一口づつ味わって食べた。テーブルには塩胡椒の調味料があり、それが絶妙に合っていたので、それで食べ続けていたが、お盆の片隅にタレがあるのを後半に気がついた。それで食べたが、私は塩胡椒の方が好きだ。もう一度言おう、私達は塩胡椒の方が好きだ。

 

続く

 

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