山と僕とカメラ

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登山初心者のバタバタ日記

北穂高岳敗走記 その3  止まない雨編

午後からは晴れると、予報では出ている。

雨量の多い時間に、わざわざ急いで涸沢に行く事もない。雨が少し止むタイミングを見ながら、明神館を出ることにした。

30分後、やや小雨になった気がしたので、明神館から出発することにした。まだまだ先は長い、せめて16時には着きたい、晴れていれば全然余裕の時間だが、もし雨が降り続くようならペースも遅くなり、ギリギリであろう。

 

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前回

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またもや、水たまりだらけの道を歩く。時刻とともに、山の上のほうから上高地に帰ってくる登山者とすれ違うことが増えてきた。

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すれ違う人の、着用している衣服の状態でこの先の天気などがわかる。

間違いなくこの先も大雨だ。皆ザックカバーをかけ、レインウェアで降りてきている。私たちより濡れている。

天候はここまで崩れることは考慮していなかったのだろう。誰一人傘を持って歩いている人はいなかった。最終日の早朝のためだけに傘を待って行く人もいない。私だってそうしない。または、涸沢や槍沢は風が強く、傘がさせない状態で、すでにずぶ濡れになったのかもしれないが、とにかく皆、濡れていた。私達と、唯一違う点は、水たまりだろうがなんだろうが、気にせずただ黙々と前へ進んでいた。なんとなく気持ちがわかる。

次に目指すは徳沢である。とにかく屋根のある場所に行きたかった。傘はさしているものの、やはりかなり濡れてきた。

桜の木がある場所に近づいてきた。5月に雪で押し倒されて、その後、支えを使いながらも再度、地に根を張った状態に戻った桜の木。

この前の台風21号でこのへんも被害があったはずなので心配だった。

桜の木があった。大丈夫だった。良かった。

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そこをすぎると、もう徳沢だ。

徳沢の小屋についた。とりあえず、休憩をする。時間的にもぜんぜん大丈夫だ。ほかの登山者も同じ様に休憩している。

中に入り、またコーヒーを頂く。何回飲めば気が済むのだろう。

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雨は強くなったり、ふっと小雨になったりを繰り返す。

雨雲レーダーを見ると、もう少し待てば雨雲が抜ける予報だった。ここは焦らず、じっくり待つことにした。

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待つ間、山頂で飲む缶ビールを買った。上よりは少し安いのでここで買って持って上がる。水はまだ十分にある。次の横尾で、再度継ぎ足そう。

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レーダーで雨雲が抜けた。

だが窓の外の雨は、一向に止む様子がない。レーダー干渉が記録できないくらいのうすい雨雲が上にあるということだ。ということは、今後、もうこの雨雲レーダーの意味はもうない。止むこともないかもしれない。

前へ進むことにした。

徳沢を出て暫く行くと、橋が見える。「新村橋」という橋だ。涸沢から前穂高のはしのはしの峠を渡って、横尾を通らず、ここ、新村橋に直接出るコースが有る。パノラマコース、という名前がついている。

その橋を左手に見ながら進む。ここから次第にゆるい坂道になる。

相方は冗談で「もう、私、さっきの徳沢でテント張ってもいいかなー」なんて言う。

後日聞くと、冗談ではなかったらしいが、そのときは冗談だと思った。

坂道に流れる雨の川を進んでいく。けっこう休憩が長かったので、わりと周りにいる登山者は少ない。みな、じゅうぶんベテランなのだろう、雨を全く気にせず進んでいった。

途中、道端に松ぼっくりが削られて落ちていた。何個も。

そしてその先には、猿がいた。彼らが食べていたのがさっきの松ぼっくりだ。美味しいのだろうか。

人間はいつから調味料を使うようになったのだろう。不思議だ。

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猿にカメラを向けると、「シャーーー!!何カメラ向けてんねん!わしゃあ食事中じゃけ、邪魔をすな!シャーーーーー!!」と怒られた。

ごめんごめん、と言ってさようならをした。

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すれ違う登山者に「こんにちは~」とご機嫌に、声を掛けずらい雰囲気があった。みな、疲れ果てて降りてきていた。明日は我が身だ。

徳沢を出て、一時間後、横尾に着いた。ここは雨をしのぎつつ座れる場所がなかったので仕方なく、トイレ前の屋根の下でザックを下ろし、休憩をした。

少し早いが、昼食。買って持ってきたパンを食べる。美味しい。

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諦めがつかず、再度スマホで雨雲レーダーを見る。画面には雨雲はない。目の前は大雨だ。スマホをポケットに戻す。

此処から先は、傘を指して行くのは危険かもしれない。岩や、根っこが多く、バランスを取りながら歩かないと滑って転ぶ。

傘をしまい、トレッキングポールに替える。

フードを深くかぶり、水を調達し、出発。

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水滴が当たる面積が傘よりもフードの面積のほうが小さいのか、傘の湾曲した効果のせいか、さきほどよりも雨音が小さく聞こえる。こういうことは普段からあるだろう。ポツポツと傘をさしている時の音よりも、実際は雨が降っていないことが多い。

まあ、今回は十分降っているのだが、気持ちは幾分傘をささないほうが、楽なのかもしれない。実際は濡れるのだから、体力の消費の差は激しいはずだ。なだらかな道になったら傘に戻すほうがいい気がする。風が吹いてなければなお良い。

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この先、雨の中、滑りそうな石と、全く信用できない木の根と、その木の根の間の茶色いぬかるみの連続に、肩がこる。ずっと下を見続けないと危ないのだ。おかげで屏風岩はいつの間にか視界から消えていた。

細い道ゆえ、登山者の列は、グループでなくとも、一つのユニットになりやすい。その中で、ペースの最もゆっくりの人に合わせるのでどんどん列は伸びていく。まあ、今回は私達もかなりゆっくりなので、全く問題ない。むしろこのまま後ろをつかせてもらったほうが良かった。

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「お先どうぞ」

言われてしまった。仕方なく、止まった隊列の隙間を通り前へ出る。

こういうときは後ろが絶対いい。前方で何が起きてるかが、隊列の伝達で後ろに伝わりやすく、例えば、先頭がチェックポイントに着いたとき、おや、そろそろ休憩だな、と後ろでも、なんとなく、わかるのだ。反対に先頭や、単独の場合、もうすぐ、という間もなく、チェックポイントに着いてしまう。あの「もうすぐ」というあれは、とても役に立つ。頑張ったり、リラックスしたりできる。

ところどころ、台風で折られた木が増えてきた。やはりここも猛烈な風が吹いたのだろう。通路にまたがる木は、きちんと整備されて撤去されていた。ありがたい。

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そんなこんなで、前触れ無く本谷橋に着いた。チェックポイントだ。

ここを渡ると、しだいに傾斜はきつくなる。山裾をトラバースしながら登っていくのだ。

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ここで十分に休憩をとる。この先はあと二時間で着く。普段なら。今日はどれぐらいで着くだろうか。

午後に差し掛かっていたが、雨は一向に止む気配はなく、むしろ強くなっていた。

 

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 つづく

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北穂高岳敗走記 その2  雨の上高地編

バスに乗り込んで、おにぎりを食べながら、スマホで天気予報を確認する。

明日は午後から回復ということなので、最初のほう我慢していればなんとか安全に涸沢に着きそうだ。

今は雨は降っていないので、もしかしたら天気予報が外れてくれるかもしれない。

まあ、あまり考えてもどうしようもないので、諦める。それにしても空席が多い、あれから更にキャンセルが増えたのだろうか。バス会社にとっては大切な連休の週末、天気による減収はとても痛手だろう。

ありがたい乗客を乗せ、バスは新大阪、京都に停まり、上高地へ目指し進んでいった。

 

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前回

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それにしても、せっかく高速道路に入ったのに一旦降りて京都駅によるシステムは、なんともあれだ。京都に住んでる人にとってはとてもいいのだろうが。そうか、高速道路が京都の主要地域にまで伸びていないのが悪いのだ。景観的には悪くない、致し方ないのだろうか。地下とかじゃあ駄目なのだろうか。そもそも京都駅はなんであんなとこにあるのだろうか。理由はなんとなくわからんでもないが。

電気が消え、先程まで賑やかだった団体も静かになってくれた。人は暗いと静かになる。

目をつむり、なにか考え事をしているとそれが夢に繋がり、やがて思考せずとも物語が始まっていく。夢中、まさに夢の中では物語に夢中なのだが、ドスンと揺れるたびに夢が終わる。そしてバスの中に私は舞い戻る。

休憩のためにサービスエリアに着いた。雨が降っていた。おお、そうか、やはり雨なのか。小雨程度なのでまあ、問題ない。この雰囲気が上高地まで続いていることを願う。

休憩を終えると、再びバスは発車する。やはり天気が気になるのでもう一度、スマホで確認するが、天気予報は変わっていない。今回念のために持ってきた傘があるので、それをさして前半は乗り切れるはずだ。

二度目の休憩、バスを降りると猛烈に雨が降っていた。

まじですか、これですか今回の雨は。

少しドキドキした。これは結構は雨だ。一時的な集中豪雨かもしれない。おとなしくなれ。

あまり寝付けない。狭いバスの車内というのもあるし、窓の外のせいでもある。だが、時間は真夜中、次第に脈略のない夢の中に舞い戻っていった。

体が左右になだらかに揺れている。そして振動が収まった。外を見ると、トンネルの前で停まっている。例の上高地手前のオープンゲート待ちだ。雨は降り続いている。いつの間にここまで来たのだろう、5ページぐらいしか夢は進んでいない気がしたのだが。

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ゲートはしばらくすると開いてバスはトンネルに入っていった。

トンネルを出ても、当たり前だが、雨だった。

いや、切り替えて雨を楽しもう。楽しめなくても前に進もう。そのために来たのだ。周りの皆もおんなじだ。

バスは大正池でいったん停まり、そこで下りる乗客をおろした。だが乗客はまたすぐにバスに入ってきた。そしてバスは発車した。間違えたのではない、たしかにここで下りるような、会話をしながら降りていった。きっと一度降りて雨の多さにやられ、屋根のないバス停、出発の準備をすることができないので、帰ってきたのだろう。たしかに屋根のある上高地バスターミナルまで、いったほうがいい。

バスは問題なく上高地に着いた。

雨。

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いや、これは止む雨、午後には止む雨、気にしない。

私達は案内所の中にはいり、雨の準備をした。中にはすでに日本全国から来た登山客が大勢いて、いや、連休にしては明らかに少ないか、皆、雨の準備をしたり、朝食を食べたり、雨の止むのを待っている様子の人もいた。皆、これぐらいの雨、といった感じで、慣れたご様子で過ごしている。諸先輩方、励みになります。

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途中のサービスエリアで買ったご飯を食べながらザックから雨具、傘を取り出し、ザックカバーをかける。

準備が整ったところで、出発。

いざ、というより、なんとなく出発した。6時。

河童橋、誰もいない。まあ、この時間だから晴れていてもそんな感じだろうが。

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傘をさす人、ささない人、どうあれ皆一路涸沢を目指して遊歩道を進んでいく。道は水たまりが広がって、まさにどこも池となっている。靴が浸水しないように橋の方を歩く。ジグザグに濡れていない地面を探しながら歩いていく。

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そうやって夢中になっているといつのまにか一時間が経過し、靄の向こうに最初のチェックポイント、明神館が見えた。

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明神館という山小屋施設、その一階は広い食堂兼ロビーになっている、そこで一旦休憩できるはずだ。建屋の前で人がいっぱい並んでいた。どうやらまだ開いていないようだ。トイレを済ませた頃にちょうどよく開いた。中に入り、ザックを下ろし、休憩する。コーヒーを頼んだ。温かくて美味しい。まさか、出だしからこんな休憩をすると思わなかった。だが、私達はたしかに、そうしたかった。

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つづく。

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北穂高岳敗走記 その1  出発編

この連休は、以前から決めていた「剱岳登頂」。

で、タイトルが北穂高となっている理由というと、天気。

この連休、雨が降り続くらしく、C→C→B、とまるで往年のバンド名のような予報だ。

とはいえ、行ってみないとわからないのもあるし、行っても、剣沢で何もせず2日間という可能性もあるし、相方も雨の剱岳は恐ろしい、という事もあったので、急遽、変更。アルプスの中ではまだ予報がマシだった涸沢周辺に行くことに。

バスでの移動なので、富山便予約キャンセル、そして、上高地便予約。これがなかなか手強くて、さわやか信州号はもちろん満席、仕方なく名古屋から新穂高西穂高岳、もしくは名古屋から松本で乗り換えと、色々模索検索していると、チラホラ先程の大阪ー上高地便が空席が出てきたではないですか。おお。すかさず、予約を入れることに成功。おそらくは雨のため、登山を断念した人のキャンセルが増えたようだ。

この作業中に「名古屋ー新穂高」の夜行バスが見つけられたことは、一ついいことだった。大阪からだと、どうしても遅くになってしまうので、このルートをあんまり考えていなかったのだけど、次からこれで行ける。

「前日キャンセルの代金約10000円を取り返す何かを見つけに!」というモチベーションができた。

ということで、起点終点は上高地で。で、どこに行くかと考える。基本テント泊。

基本的に初日雨、最終日も雨、なので行き帰りは楽な行程を。岳沢は雨は危険すぎるので無し、西穂高は、雨ばっかりの場合、何もすることがないので、無し。真ん中の日にアタックと考えると、もうこれは、涸沢から奥穂高か北穂高しかないなと。天気良ければ当然グルっと回って帰ってくるというわくわくコース。

どう行くかは、当日現場判断で。

という提案を相方に出したら、まあ、いっかな、ということで、レッツゴーです。最悪、登れなくても、涸沢deゆるキャンということで。

 

装備の変更は殆どない。剱岳だったとしても、テントをデポして登頂の予定だったので。むしろ涸沢は山荘が多いぶん、食事を持っていくのが若干減ってもいいかなという感じ。

水場も大量にあるんで心配ない。きれいな川も流れているし。そして食事、今回は、縦走ではなく、ベースキャンプがあるので食事は多少かさばってもよい。食べごたえのある「なんとなく調理系」で行くことに。もうアルファ米ばっかりは、飽きた。パスタと、麻婆春雨。前半は雨の中の調理はしんどいので、パンですませる予定。これなら10秒で食事が終わる。行動中、北穂山頂には、カレー、奥穂高でも、美味しい山荘ご飯、帰りにもちろん、徳沢カレーと、贅沢三昧だ。

雨対策としては、レインジャケットとパンツ、そして雨傘に大きめのゴミ袋を多めに。

とはいえ、後半から回復予報なので、お守り程度に。

カメラを持っていくか、最後まで悩んだけど、晴れたらいっぱい撮れるし、持って行かないで後悔するのは嫌なのでとりあえず、ザックに突っ込む。結局、殆ど使われることはなかったけど。

仕事を終わらせ、猛ダッシュで準備、そしてタクシーを捕まえてギリギリ梅田のバスセンターに。持ち込みの食べ物を買う時間もほとんど無く、相方がどうにか見つけてきてくれたおにぎりを持って上高地行きのバスに乗り込んだ。

 

こうして私達は、意気揚々と地獄の涸沢に突き進むのであった。

つづく。

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相方の富士登山日記 その3 富士山登頂へ編

チコです。

七合目を出発しました。
山小屋が増えてきました。小屋前で休憩している人も増えてきました。
この道中、スタート直後から、登山道の脇で座りこんだり寝込んでいる人がチラホラいました。初めてみたときは驚いたしちょっと心配だったけど、結構そういう人は多く、なるほどあれは休憩なんだな、と。
あと外国人が多かった。さすが世界遺産。いろんな言語がここ日本一の山で飛び交っていました。

 

前回

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黙々と岩場の道を登っていきます。ただひたすらに。次第に傾斜がきつくなります。鎖が張られていますが、これは掴んではいけません。この鎖はルートを示すためのもので、グラついているので、頼ると逆に危ないそうです。整備されていないルート以外の場所は、落石が起こるので危険です。
わたしは平坦な登山道より、こういう岩場が好きなのでうほほほ。友人は口数が少なくなり、かなりバテてきた様子。夜景もだんだん見慣れてきて、黙々と歩く夜の山。今は行動食のドライフルーツだけが楽しみです。

22時くらいでしょうか、八合目付近です。
とにかく小屋が多いので、まだかなまだかなぁ、どれが私達の小屋なのかなぁ、まだ先なのかなぁ、と思いながらガイドさんに案内され、ようやく愛すべき私達の山小屋「白雲荘」に到着です。
仮眠時間は3時間。思わず「やった!めっちゃ寝られるやん」とつぶやくと、「そうなんです、皆さんいいペースでした」と、ガイドさん。というのも、当初は仮眠は1時間程度かも…と聞かされていたのです。大人数のグループなのに素晴らしいペースです。
広いロビーと売店がありました。靴を脱いで中に入り、案内された場所は「部屋」というより「細長い廊下の両サイドに二段ベッド」を設置した一角。ざっと見た感じこのスペースだけで、100人は泊まれる感じ。すでに朝食のお弁当とお茶が枕元に用意されていました。

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電気は点いていていたので、その間に寝支度を整えます。明日の準備を整え、少し布団が頼りないので、ライトダウンを着て就寝。
耳栓のおかげで速攻眠れました。持ってきてよかった。

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気がつけば午前1時、起床時間です。「よく寝た〜お腹すいた〜」と起きたら、隣にいる友人の様子がおかしい…。吐き気と頭痛がするといいます。これはもしかして高山病……。ガイドさんにも相談をしたのですが、本人とりあえず頑張るとのことだったので、お弁当をザックに入れ、出発の準備をしました。

例によってザレた石の登山道を登っていきます。ペースはゆっくり。
友人を気遣いながら、なるべく段差のない箇所を選んで彼女の前を歩きます。頑張れ!誕生日ご来光はすぐそこだ!
本八合目に到着です。九合目じゃないのね。
本来は広い場所なのでしょうが、とにかく人が多く、立ったまま休憩でした。
ここでご来光に備えて休憩の時間を考えたりしているのでしょう。
ガイドさんが登山道の混み具合を鑑みて、ガイドルートで登ることに決定です。
砂の坂道です。先程よりは登りやすい登山道が続きます。ただし滑りやすいので小股で一歩一歩登っていきます。
左手には東京の夜景、星空が輝いています。スカイツリーも見えました。
風もなく、ベストコンディション。ご来光も絶対見れる、とガイドさん。

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さっきより自分の歩幅で歩ける道になったからか、友人も辛い中にも幸いを見出せたようで、少し笑顔です。何より、私達の後ろを歩いていたご夫婦。その奥様がすこぶる元気&ポジティブな人で、ずっと前向きな言葉を発している。思わず振り返って「こっちまで前向きになれます、ありがとうございます」とお礼を言ってしまいました。そのご夫婦、実は結婚記念日だったらしく「『結婚記念日にはしんどいことをしよう』と決めてて、今年は富士山なんです」と。すごい。いつかマッターホルンに登るまで二人仲良くいてほしい。

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なんて話をしていると、あれ、ここ山頂ですか?
そう、いつの間にか富士山山頂に着いていました。

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とうとう来ました。日本一高い場所。友人は感無量、やったー!やったー!と涙目です。お互いに抱き合い登頂を喜び、同じグループの人たちともお互いの頑張りを称え合いました。時刻は4時半。日の出まであと30分ほど。お盆休み最後の日曜日ともあって、山頂は今までの山で経験したことのない混雑ぶりでしたが、我々は無事山頂にたどり着いたのでした。

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登山一年目、買ってよかったグッズを紹介します。

登山というほどでもないけれど、トレッキング、山登りを初めて1年が経とうとしています。

ということは、使うグッズも一巡したということです。滅多に使わないものほど高いので、買わなくて良い二年目は何かとありがたいですね。

 

  •  finetrack カミナドーム2
  • LEKI  トレッキングポール SPD2 ソフトライトDSS
  • SCARPA RIBELLE LITE 
  • CASIO PROTRECK PRW-7000
  •  テント用LEDランタン
  •  JETBOIL MiNiMo
  • SOTO マイクロレギュレーター ウインドマスター
  • 100円ライター

 

では、ここ一年で、通年たくさん使って、特に良かったものをご紹介します。

もし何買うか悩んでいたら、ご参考に。ただし、まだまだ若輩者ですので、ご参考程度に。もっといいものがあったら、教えてください。

 

 finetrack カミナドーム2

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はじめてのテントなので、比較しようがないけど張りやすく、色んな所が便利にできてます。窓が二重になっていて、虫も入りません。

そしてこれにしたきっかけは、軽さです!

1280g!!!!!!

もう一度いいます。

二人用で1280g!!!!!!

212cm x 130cmで

1280g!!!!!!

もうこれは、買いです。買ってよかった。

西岳の嵐にも平気でした。

 槍ヶ岳へ表銀座縦走 その7 ヒュッテ西岳の夜編 - 山と僕とカメラ

同タイプのグループでは、少しお高め、ちょっとだけ奮発しましたが、ウェアと一緒で、生地系は値段に比例すると思います。特に縫製でコスト掛かりそう。コストかけてください。そう、母は縫製業、超絶複雑な縫い方のサンプルを作るのが仕事です、関係ないけど。

とにかくこのテントは、もう、100点です。

さあ、どんどんいきましょうー!

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相方の富士登山日記 その2 登山開始編

チコです。

富士山は10年くらい前にも登りました。
でも当時は登山に興味がなかったので、今ではその記憶は薄いです。覚えていることといえば、普通のスニーカーと、フリースに謎のシャカシャカウェアで登ったこと。9月初旬なのに頂上では雪が降り始めたこと。そして山じまい直前だったので、下山のトイレは5合目までなく、転がるようにダッシュで駆け下りたことぐらい。好きじゃないことの思い出は曖昧なものです。

 

前回

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富士スバルラインの終着点、5合目にバスが到着しました。現地で登山ガイドの人らしき人に案内され、五合園レストハウスへ。ここで私達ツアー客のお弁当が用意されていました。大きな部屋にお弁当が並べられていて、その横に『ほうとう』の小鍋も温まっていました。いつもよりずいぶん早い17時の夕食です。

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ほうとうは山梨の郷土料理らしく、昔、まさに富士山のおみやげで貰いました。団体ツアーの中でも遅い到着だったからか、ほうとうはちょっと伸びていたけど、それが大阪人好みの柔らかいおうどんみたいになっていて、するすると喉に通っていきました。ちゅるん。8月と言えども肌寒い富士山5合目、バスもクーラーで冷え冷えだったので、温かい食事はありがたし!
お弁当の富士山の形に、「よし、登るんだな」とあらためて思い、そして、揚げ物の多さに、「よし、カロリーを使うんだな」と思いました。ちょっと残してしまいました。いや、多いでしょこれ、多い。

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今回びっくりしたのは、バスに着替えを置いたりできることから、普段着で来ている人が何人かいたこと。中にはワンピースにサンダル姿の女性も。ザックの他に大きなサブバックを持っている人がほとんどでした。ジャンイチさんと私の山行はいつも公共交通機関利用なので、荷物はザックにまとめ持ち歩くスタイル。そうか、貸切バスやマイカーならそういうこともできるんだなと、なかなか新鮮な驚きでした。車に荷物を置けるって超便利。
ご飯を食べ終わって、外に出てガスバーナーでお湯を沸かして、コーヒーを作ってポットに入れました。これは山頂で飲むコーヒー。
富士山に水はないので、途中のSAで買いました。現地で買うと例によって高いのです。

ガイドさん曰く「水は山小屋で買うと高いんですけど、最初から持って上がろうとすると重くて体力が無くなってしまうので、ペットボトル2〜3本ぐらいを持って登って、山小屋で買い足してくださいね。」ということでしたが、私はいつもどおり水2リットルとポカリ500ml。雨の槍ヶ岳縦走の後だからか、小屋泊の荷物だからか、いつもより軽く感じました。

まだ少し明るい18時、いよいよ出発です。
出発は私達のツアーが最後ぐらいのタイミングでした。すこし、時間が押し迫ってる感はあるみたいでした。
登山ガイドさん登場、さっきの登山ガイドさんと、なにか背格好が違う。どうやら最初の人は荷物の積み下ろしのオジサンだったよう。
私達40人のパーティを前に、ガイドさんが注意事項を話します。
「前の人と離れず詰めて歩くこと」
「はーい」
「体力に自信がない人は先頭のガイドのすぐ後ろについてくださいね」
「はーい」
「落石を起こさないためにも、谷側の道は歩かないよう」
「はーい」
「今ここにいる場所が富士スバルライン五合目です、ゴール地点もここなので、この名前を覚えておいてください、さあ、そこのお兄さん、ここの場所は?」
「えーーーー、えーっと何でしたっけ?」
おいおい、大丈夫かなこの人よ。

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私達の出発地点、富士スバルライン5合目、ということで吉田ルートです。
富士山には、須走ルート、富士宮ルート、吉田ルート、御殿場ルート、と主だった4角ルートがあります。
ネットで調べると、大体がこの吉田ルートで登って、吉田ルートで下りるコース。
コースの看板はコースで色分けされていて、わかりやすいです。ちなみに吉田は黄色。
ほかも、赤、緑、青、とあります。今回はそっちに行っちゃいけない。

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出発時は、ウィンドブレーカーを着て出発です。5合目は標高2300メートル。2日前は暴風雨で下山命令が出たそうですが、今日は風もなく少し肌寒いぐらいの快晴。
富士山の協力金1000円と交換にキーホルダーをもらって、スタートしました。

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関西出発の1泊ツアーはどうしても時間が足りず、すべて急ぎ気味なのですが、ゆっくりと一定のペースで登ります。友人は登山経験が少ないので、なるべくガイドさんの後ろをキープしながら、夕日を背にして歩いていきます。最初は人の顔が見える感じでしたが、段々と夕日に包まれて、いつの間にか暗くなっていました。ヘッドライトが頼りです。

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歩き始めて10分……家族4人で来ていたグループのお母さんが高山病で脱落!ガイドさんに「限界まで我慢するより、これぐらいで無理しないほうがいい!また次も登れるんだから!」と励まされ、お母さんは一人、五合園レストハウスに戻って行かれました。高山病は、半分がその日の体調、そして半分は遺伝だそうです。高山病にかからないように、バスの中でしっかり眠りました。これからできることは、ゆっくりと深い呼吸と、こまめな水分補給。一歩一歩登っていきます。

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1時間ぐらい歩いたでしょうか。6合目に到着です。トイレと警察の詰め所みたいなのがあります。もう真っ暗。
そこでトイレに行って10分ぐらい休憩して出発です。まだまだ先は長いです。お友達は、すこししんどそうで心配でしたが、まあまあ、大丈夫そう。
私は、まだ大丈夫、さあ、出発です。
6合目までは綺麗な歩きやすい道、6合目を過ぎてからは、だんだんと、登山の山道に変わってきました。例えて言うな伊吹山。立木はないので、見晴らしは良く、ヘッドライトの列が見えていました。暗いので、ただひたすらに歩く感じ。景色を楽しむことはできません。でも、振り返ると東京の街明かり、星空、流れ星が見えてました。ここでしか見れない景色です。
登りでは、まだトレッキングポールは使いませんでした。私は前かがみがしんどいので、できるだけ姿勢良く登ることに気をつけました。
次第に岩場が始まります。ヘッドライトは首から下げて足元を見やすくして慎重に小股で歩きます。とはいえ、アルプスのようなゴリゴリの岩場ということはないので、気をつけて歩けば体力も大丈夫です。
無事7合目に着きました。7合目でトイレに行きました。
15分休憩して出発です。後1合で第一の目的地、山小屋です。お水も十分足りてます。
いざ、山小屋へ向けて出発。

 

つづく

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【これで解決】SONY α7IIIとmacbookが接続できなかった苦労話。

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SONYa7iiiのテザー撮影の構築

私がSONYのa7iiiを導入した理由4k動画がクロップが比率が小さく、トリミングが少なく画角を考慮し直さなくてよいからだ。でも写真撮影でも使いたいので、パソコンにつないでテザー撮影の確認をすることにした。 

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というわけで、テザー撮影の準備。

SONYのサイトからソフトウェアをインストール

まず、sonyのHPに行き、ソフトをダウンロードする。

どうやらソフトウェアが移行するらしく、「REMOTE」「VIEW」「EDIT」という新しいソフトに変更となるらしい。

ソフトウェアダウンロード | デジタル一眼カメラ α(アルファ) | サポート・お問い合わせ | ソニー

a6500は持っていたので、旧型のソフトは入っていたが、新しいソフトも入れた。

ダウンロード | Imaging Edge (Remote/Viewer/Edit) | ソニー

そして、USBでカメラと接続してみる。

エラー画面が出る。

どうやらカメラを認識していない。

 

 

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