山と僕とカメラ

登山初心者のバタバタ日記

霊仙山でテント泊 その2 あらしのよるに編

霊仙山の頂上のこの一帯は、なだらかで大らか。白い石と、所々に湿地帯、そしてぽつんと木が立ってたりしている。空は青く、雲は高く、風は心地よい。数時間登っただけで、この異世界、これはは霊仙山と名がつくだけの事はある。標高は六甲山とさほど変わらないのに、この見ごたえである。初めて登ったが、これは何度も登りたい、まだ山頂に立ってないが、そう思った。

 

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左手に山小屋が見えた。あそこは避難小屋、まさしく何かあった場合に逃げ込んで命をつなぐ場所である。なるべくお世話にならないようにしたい。最高峰に小さく柱が立っているのが見える。登山客がその山頂の丘とその右手のもう一つの丘を行き来している。右手の丘は展望が良いと地図では書かれている。あの丘も後で行ってみよう。

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そうこうしていると最高峰の丘の斜面に取り付いた。そこまで山頂まですぐだ、やはり丘だ。数分で最高峰部に着いた。

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振り返ると伊吹山が見える。今まで見えていなかった伊勢湾も見える、鈴鹿山脈も見える。

山頂部も岩稜帯で、この標高にしてこの風貌はなかなかお得だ。

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登ってきてよかった。来なきゃわからないというのが毎回思うことだ。

三脚を立てて自撮りをする。申請してドローンも持ってくればよかった。次はそうしてみよう。

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三脚をしまい、展望の良い丘に向かう。一度降りてまた登り返す。とはいえ、まったく険しくはないのですぐに着いた。

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琵琶湖が一望できた。右手と左手に街が見える。

たしかに先程の山頂部より見晴らしが良い。この丘が邪魔して山頂部からは琵琶湖が見えなかった。

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登山というより、ハイキングのような気分でここは来れる。雪が積もるとまた綺麗なのだろう、早く積もらないかな。

時間はもう午後なので数組の登山客を残すのみで、やや人は少なくなってきた。

決めた。ここにテントを立てる。

360度見渡せる丘にテントを張れるなんてそうない。天気も穏やかだ。風も少ない。

トレッキングポールが柱となる今回のテントはLOCUSGEAR社のテント。柱を持っていかなくていい分、軽量化できるのだ。

ドーム型ではないのでペグをしっかり打たないとフラフラしてしまう。そこは注意しないといけないが、慣れるとすぐに立てれる。アウターだけで、シェルターとしても使えるが、今回はインナーメッシュも持ってきているので、きちんとテントだ。

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住まいを作り終えたら、やっとこさご飯だ。

今日はパスタ。3分で茹でれる例のタイプだ。水を少なめにすると茹で汁がちょうどなくなって良い。

アンチョビでしっかり塩味にしてオニオンスパイスでとどめだ。このオニオンスパイスとは淡路島のお土産屋で出会ったのだが、その美味しさにはまってしまい、今ではネットで買い足している。炒め物には何でも合う。

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ご飯を食べていると、数組の人たちが声をかけてくれた。遠くからこの三角テントが見えていたらしい。しばらくその人たちと会話をした。ほがらかで心地よい人たちであった。

ソロハイカーの人とも話をした。別れ際に申し訳なさそうに「水をいただけませんか」という超危機的状況の発言を受けた。もちろんどうぞと差し上げた。聞くところによると、柏原から登り始めたのだが予想以上に長い登山経路にとうとう水がなくなったという。やはり水分は大切だ。私もじゅうぶんとは言えないまでもギリギリではないので差し上げれるだけ彼のポットに注ぎ込んだ。こういうときは、恥を忘れて頭を下げまくっていろんな人にお願いをしまくるべきだと思った。周りに常に人がいるとは限らない。無理なら無理と断られる可能性もある。もちろん準備していないミスはあるが、命には変えられない。下山時、誰とも出会わない可能性だってあるのだ。ソロというのはそういう危険もはらんでいる。私も気をつけよう。今回は、水は5つに分けた。一つは登りの2リットル、一つは帰りの2リットル、一つは炊事の1リットル、一つは非常時の1リットル、そしてペットボトル500ml。十分すぎるが、万が一ということがある。今回はそれで彼にあげることができたし。

そして誰もいなくなった

この見渡す限りの中に私一人である。すごい。こういった感じは、そういえばあまりない。

自由と孤独が入り混じっている。コーヒーがとても合う。

ひとりぼっちを察したのか、一匹のキツネが近よってきた。なんだか漫画の昔話のようだ。野生のキツネを見たのははじめてだった。ほんとにコンコン言っている。

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そういえば今回の登山は作品撮りのロケハンを兼ねているので、その場所探しもした。三脚とリモコンでのセルフ・ポートレートは非常にめんどくさい。しかもフォーカスが浅めの設定にしているので、ピンぼけを量産してしまう。苦労の末、なかなか良い雰囲気を得ることができた。これが本番なら良い結果になるであろう。恥ずかしいので小さめに。

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その途中、看板を拾った。「霊仙」と書いてある。おそらく展望の丘の頂上部の看板が台風か何かで吹き飛んだのだろう。元の位置に戻しておいた。

 

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大してすることもなくなったので、テントの中で仮眠をする。

時刻と共にしだいに暗くなってきた。琵琶湖周辺の街明かりが光り始めた。そのゆっくり変化する様子をじーっと見ながら時間を費やす。

日が落ちると一気に暗くなる。東の空には月が出ている。そういえば今の時期は満月で曇ってなくても星は見えにくいはずだ。すっかり忘れていて、出発時は星空を期待していたのだが、今夜は星は見えないかもしれない。そのかわりを街の明かりが担っていた。

こちらでは、テントだけが白く光っていた。不思議な光景だった。

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風が吹いてきた。テントの中に入り、持ってきたウイスキーで一杯やる。本でも持ってくればよかった。

たまにテントを開け、空を見るがやはり雲に覆われていて星は見えない。

そのかわりではないのだが、風がますます強くなってきた。テントがバタバタと揺れてる。このテントだから余計に強く感じる。

外に出て今一度ペグと細引きを確認する。少々緩んでいた。

テントが濡れている、霧雨のようだ。このタイベックスのテントは一応防水だが、一応程度な気がする。このまま本格的な雨にならなければよいが。

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テントに戻り、少々寝る。

テントの揺れでなかなか寝付けない。時刻もまだ早い。こういうとき、早く朝になってほしいと願うのだな。

時間と共に雨風がますます強くなってきた。お昼はあんなに天気が良かったのに。

おそらく山頂部ということで風が強いのもあるのだろう。避難小屋にお世話になることになるだろうか、ここからだと30分くらいで着きそうではある。一応その準備のため、テント内の荷物をザックにまとめる。雨具も持ってきている。テントが吹き飛ぶことは考えたくないが、そうなる前に撤収して避難小屋にいかないといけない。でも、持ちこたえるかもしれない。そしてこの天気も回復するかもしれない。今夜は本当に寝れそうもない。

寝てしまった。

気がついたらテントの揺れは収まり、雨もやんでいた。

よかった、無事生還。ホントは大したことなかったのかもしれないが、なかなかドキドキした。

そう思うとまた眠くなってきた。

次に目覚めたときは、外は青白く透き通った空と目下に雲がたなびいていた。

清々しさこの上ない。東の空が明るくなっている。太陽は今日も地球を廻る。

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遠くで動くものがあった。鹿だろうか。立派な角をしている。よく見ると何頭もいる、全部で50頭ほどの群れが向かいの丘の斜面を駆け下りている。なんだなんだ、大自然にも程がある。

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散歩、振り返ると、テントが見えた。あれは風が強い場所だあらためて思った。

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テントに戻り、朝食の準備をする。こういうときの朝食はやはりカップヌードルである。NO BORDERだ。

さっそくバーナーで湯を沸かす。その時、日が昇ってきた。心地よい。

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湧いた湯を注ぎ、3分待つ。

 

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いただきます。

 

美味い。

 

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ごちそうさま。

今日も良い一日でありますように。

 

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