4月、朝、8時。須磨浦公園駅。少し遅い。前日の夜に梅田でたらふく飲み食いしてしまったので、朝、早く行動することができなかった。
須磨浦公園は須磨の海岸近くにある山陽電車の駅だ。ハイカーやトレランの人が数組いる。そしてここは六甲全山縦走路の起点である。
六甲全山縦走とは
六甲全山縦走は神戸市が主催する「六甲全山縦走大会」で規定されたルートが有り、そこをハイキングコースとして縦走することを言う。
全行程は須磨から宝塚までで56km、累積標高は3000mと12時間を超えそうな距離だ。
今回私達もこの六甲縦走をしてみることにした。宝塚までは流石に時刻的にも体力的にも無理なので、とりあえずの目標は、中間地点の摩耶山までとした。六甲山はエスケイプルートが多くあるので、その手前で降りる道も確認した。
この日は、朝でももうすでに暖かかった。着てきたウインドブレーカーをたたんでザックに入れ、半袖にアームバンドという軽装で出発した。縦走なので水分は多めに用意した。
持っていったものリスト
- 水 プラティパスに2リットル
- ポカリスエット、コカコーラ各500ml
- カップラーメン2個
- おにぎり2個
- 柿の種
- SOYJOY1本
- コーヒー粉
- バーナー、小鍋、箸、、コップ、ナイフ
- 28Lザック
- 帽子
- 携帯ウインドブレーカー
- 半袖シャツ
- アームカバー
- 薄手トレッキングパンツ
- 低山用トレッキングシューズ
- サングラス
- 20mロープ、カラビナ、ATC類
- ヘッドライト、非常キット、モバイルバッテリー、トランシーバー、カメラ
ざっとこんな感じ。ロープ類は万が一のためで、使う状況にならぬよう、常に気をつけねばならない。食事もやや多めで、緊急時用も用意した。
今回は鈍った体を叩き起こす目的、GWの山行に向けてである。
須磨浦公園〜栂尾山
須磨浦公園を出発、公園内をしばらく巡り歩くとすぐに、登山道に入る場所があって「ちかみち」と書いてあった。そこを進む。
最初の登りで山頂のロープウェイ駅、そして旗振山山頂、そして尾根を歩き、鉄拐山山頂。天気もよく、登山者も多い。東には神戸の町並み、西は明石海峡大橋がよく見える。向かいに次の山が見える。そこに向かう階段を降りた。
降りた先の場所は、登山中とは思えないエリア、のどかな団地が広がっていた。途中、スーパーマーケットがあったのでドリンクを補充した。そしてしばらくまた街を横断し、2つ目の山域、栂尾山に登る階段に。前半はとにかく階段が多い。この階段は、まっすぐに伸びているのが見える。見えるからこそ、余計にしんどい。ただひたすらに登っていった。
今回もこのように登ったり降りたりだが、登山において山頂に向かう道程で、下りがあってまた登るという峠越えが、当たり前だがよくある。せっかく稼いだ標高をまた降りてまた登らないといけない、なんとも言えない侘しさ、これを俳句にしようと、二人でいろいろ考えたりした。17文字で表すことの難しさをひしひしと感じながら、先へ進むのであった。
栂尾山〜横尾山
階段を上りきると栂尾山に到着。ここからやっと「登山」らしくなってきた。木々に囲まれた登山道を行く。六甲縦走登山道は多くの人が通るし、整備もされているので、とても歩きやすい。ところどころに花崗岩の自然な階段状の場所がある。なので、トレッキングポールがいるようでいらないような微妙な状況だ。
横尾山〜馬の背
山頂からは岩肌が顕になり始めた。この先にある「馬の背」やら「須磨アルプス」と言われている花崗岩の岩場の地域に入るためだ。
なめらかに削れた下り道、その先に見えてきたのが「馬の背」この序盤の名所だ。名所のことを「名勝」とも名付けられることがあるが、この「勝」は「すぐれた」という褒め言葉の意味で、「名高いすぐれた場所」という時につけられている。
そんな名勝地「馬の背」を通る。去年、登山を始めた頃はややビビっていたが、意外と今回はそんなことはなかった。少しは成長したのか。ここを通り終えたら一句仕上がった。
「遠き日に 怯んだ馬の背 今はポニー」
二人で納得の一句できた。
馬の背〜東山下山
そんなポニーの背を越えて、尾根伝いに東山の山頂に向かう。
ペースはまだまだ安定している。全行程のまだ序盤なので、元気いっぱいだった。
東山から、また一気に下山する。住宅地に入ってしばらくまちなかを歩く。きちんと案内標識があるので迷うことなく進んでいける。
後半へ続く。