帰りのバスの予定時刻までまだもうすこしあるが、充分癒されたので、早々にバスターミナルに向かう。
温泉&ビールの後のザックは重い。本当に重い。何が入ってるんだろう。誰かが石でも入れたか。
とにかくこの重さとも、あのバスターミナルまでの辛抱だ。そう思うと少しさみしいが、そんなのは、きっと気のせいだろう。
前回
外を見ると、今まで縦走した山並みが見える。
山を見るとき、登った山か、未踏の山かでなんとなく見方が変わってくる。
距離感というか、立体感というか、とにかく、「あ、あそこは行けないことは無い場所なんだ」という、壁を感じない雰囲気で、接せられるのだ。
そういった親近感、あ、これだ、親近感、親近感です。
こういった親近感を持てる山をどんどん増やしていきたいなと、思うわけです。
この左端から右端まで歩いたわけだが、あとで色々測ったら、梅田から難波くらいまでだった。そう思うと、なんてこと無い距離だなと、たしかに半日かからずで、歩いたのだからそりゃそうだ。
バスターミナルでは、目の前で惜しいところでバスに乗り損ねた。だが、臨時で出るらしく、少しだけラッキーを獲得した。
バスは15分くらいでやってきた。前の方に並べたので、良い感じの席に座れた。気がつけば、1時間経過して、ケーブルカーの接続駅に着いた。ケーブルカーは、どんどん出ているので、待たずに乗れる。下りのケーブルカーほど、外に興味がない乗り物はない。人間ってほんとに慣れ馴れしい。
なんとなくお気づきだろうが、帰りは写真が少ない。前述したとおりになった。お許し頂きたい。
そこから鉄道に乗る。特別料金の「特急」のようなものに乗ることになったのだが、どれほど特别な時間が短縮できたかは怪しい。
電車の中で考える。帰りの大阪まで行く高速バスは夜9時頃出発なので、かなり時間がある。まずは、ご飯。富山といえば寿司、というわけで、お寿司と相成った。
と同時に、おやおや?もしかして、新幹線と、サンダーバードで帰れる?と今更気がついた。
時刻と空席と、バスのキャンセルを2人でマルチタスクで行い、無事、残り少ない新幹線と特急の席を獲得した。
富山駅前に帰ってきた。あらためまして、目指すは寿司である。
駅の中にあるお土産市場の奥の寿司屋さん。廻る寿司だがインターネットでは、評価が高い。行列もできている。登山帰りの人たちも並んでいる。間違いなかろう。
待ち時間が程よく食欲を促進する。
私達の順番になり、座席に案内される。
「フー!おつかれさん!」
安心して座れるというのは本当に幸せだ。
とりあえずビールを注文し、おすすめなるいろいろ美味しそうなお寿司が入ってるセットを注文した。
ビールで乾杯。何度やってもこれはいい。
寿司が来るのを待ちながら、今回の登山を語りあう。
「仕事明けで、間に合うかドキドキしながら集合した大阪駅」
「スムーズに乗り換えたケーブルカー」
「360度パノラマの室堂平」
「真っ青なおめめのミクリガ池」
「暑いけど雪の雷鳥坂」
「おいしかったカップラーメン」
「大きな大きな剱岳」
「意外と暑かったテント泊」
「見事な朝焼けの剱岳」
「泣くほどうまかった朝ごはん」
「気持ちいい道立山縦走」
「ちょっとびびった富士ノ折立」
「みんなで拝んだ雄山の神社」
「疲れが癒えたみくりが温泉」
「胃に染み込んだ生ビール」
そして
「奇跡の再会KさんMさん!!!」
と、卒業式のセリフのように振り返る。
まあ、今回のメインイベントは明らかに「再会」だった。
次回、またどこかできっと会えることを祈りつつ、目の前に出されたお寿司をかっくらう。
「うめえ」
「おいすい」
「たまらんすね」
「いやーもうここに住みたい」
移住の意思まで持ち出してくるこの寿司の魔力、おそるべし。
廻る寿司なので、「なので」というのはおかしいが、リーズナブルだ。どんどん美味しそうと思われるものを注文する。
何を食べても美味しい。登山の疲れだけでなく、本当に美味しい。
美味しいものは勢いよく食べれてしまうので、満腹になるのも早く、それがちょうどよく新幹線の時刻と重なった。
「うし、かえるべ」
「ほい」
新幹線のホームに上る。寿司のネタの名前は覚えてないが、このホームに上ったときの蒸し暑さは覚えている。なんじゃこりゃあ。これが下界の気温か、、、
大阪の現状をやや心配しながら、我々は新幹線、そしてサンダーバードに乗り換えて大阪に向かった。
その道中、来月は「槍ヶ岳」ということに決まった。
というわけで、帰ったら即、はじめての槍ヶ岳のために下調べ開始だ。
登山の終わりは次の登山の始まりである。
今回は大したネタもないので、勝手に作った雑誌でもご覧いただければと思います。
では、今日も良い一日を。
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