走った。
相方をとりあえず無視して走った。私が間に合えば、土下座してでも待ってもらえばよい。
美濃戸口に着いた。バスはまだ発車していないが、今にも動きそうだ。
もうバスには満員の乗客。
はたして、私達の運命はいかに。。
前回
私達は、手を振りながら走った。なにか叫んでいたかもしれない。林から叫びながら走ってくる登山客を見たら、それはもう、熊が出た以外ない。後でそっと恥ずかしくなった。
間に合った。。
バスのドアに駆け込んで、謎の笑顔を振りまいた。
すぐさまバスは発車した。
よかった。
よしよし、これで楽天の予約をキャンセルできるし、夕方のバスも購入できる。
と、思っていたのだが、ここでまた新たな壁が。
バスの中なので、キャンセルの電話ができない。
もどかしい、到着まで待たないといけない。ということは、残り2つの空席がこの1時間で埋まるかもしれない。それはとても悲しい。
ここからの1時間はとても長かった。トイレに行きたいときの新快速車内ぐらい長かった。
相方とは少し離れた場所に立っていたので、状況と役割分担をLINEでやり取りした。
私のほうが後部にいたので、相方が下車後、ダッシュで窓口まで行く段取りとなった。
その後、手配完了の後、落ち着いて楽天をキャンセルすれば良い。
刻々と時は過ぎていく。
後少しで着く。
読者の皆様は、西宮神社の福男の気持ちになってほしい。今、あの状態だ。
さあ、バスが着いた。しかし、最前線ではないので順に相方はソロリソロリと降りていく。そして、バスから出た途端、境内にいや、販売所に向けて走っていった。
私も、ゆっくり降りた。
相方が帰ってきた。
判決がおり「無罪」の紙を持ったような並の満々たる笑みで帰ってきたのだ。
私達は勝った。何にだろう。自分たちに。
あらためて、楽天のキャンセルをし、無事1時間後のバスで帰れることとなった。
売店でビールを買い、祝福しあう。
ココ最近、ほんとに帰りは走ってばっかりだ。いつか痛い目に合いそうだが、今回でなくて良かった。
相方の話によると、福男状態で受付でチケットを買った後、隣に違う福男さんが来て、同じチケットを求めていたが、売り切れたということで、うなだれていたというのだ。
なにか、社会の縮図のようなものを垣間見た。誰かが得するということは、誰かが損するということだ。
心してバスに乗らせていただこう。
今回、初めて八ヶ岳に行ったのだが、人気のエリアというのがよくわかった。
アクセスはすこぶる良く、車ならばかなり近くまでスタートを稼げる。ただし、車高の高い車でないと入れないだろう。ステップワゴン等は途中で諦めの駐車をしていた。
赤岳鉱泉は年中営業しており、周りに様々な山が迫っていて風もなくいい場所だ。その山々、硫黄岳、横岳、赤岳、阿弥陀岳へのアクセスがこれまた非常に良い。
毎回違ったいろんなルートで楽しめそうだ。そして登頂すれば隣り合った山の迫力ある姿が見られる。富士山も大きく見れる。すばらしい。
そして、そう、ステーキも食べれる。
今季、再度行けるかどうかは未定だ。今度は雪のない八ヶ岳に出会うことになるかもしれない。それも楽しみである。
16時のバスが来た。
私達は、天気に恵まれ、怪我もなく、道迷いもなく、無事に帰れたことに感謝しながら、大阪へと帰っていった。
おしまい
参考資料
アルピコ交通 大阪ー茅野
https://www.alpico.co.jp/access/express/suwa_osaka/
アルピコ交通 茅野ー美濃戸口
http://www.yatsu-akadake.com/1211bus.html
赤岳鉱泉