山と僕とカメラ

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登山初心者のバタバタ日記

【連載】令和の一発目はGWに涸沢テント泊 北穂高と奥穂高 その8 穂高岳山荘~徳沢編

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穂高岳山荘

今田重太郎氏が建設したのが原点、かの秩父宮も宿泊し今では北アルプス穂高の象徴となっているなくてなならない山荘。とても居心地がよく、本棚がある部屋は常に温かい。朝日が入ってくる太陽のロビーではストーブを囲って一期一会の談話が自然と行われる。窓の外は凍えてしまうはずなのに小屋の中はその恐怖を全く感じさせない。小屋番の人たちの心の暖かさが部屋の温度をいくらか上げているに違いない。

小屋はカラカラに乾く乾燥室はもちろん、スマホなどの電源の充電もできる。ここに泊まるということは、イコール上高地に下山し、装備などをスタート時にリフレッシュさせることに等しい。穂高の稜線にこのような施設があるということで、どれだけの命が保たれのだろう。もちろんこの穂高の稜線において、ここが人命救助に無くてはならい場所となっていることは言うまでもない。

 

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 夜明けのドローン

夜明け前に起きた。すでにほとんどの人が起きて身支度を整えている。乾燥室行く。靴を含めそこに殆どの装備、服の乾燥をした。パリパリだ。バッテリーも満タンになった。

着替えて、夜明けの光景を写真とドローンで撮ろうと外に出た。

明けるとともに青い空になり、涸沢の向こうから、オレンジの地平線が太くなっていく。もうすぐ夜明けだ。皆が外に出てそれを見ている。

太陽が出た。満点とは言えないが、素晴らしい1日の始まりだ。

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ひとしきり撮り終え、ドローンを出して飛ばす準備をした。

まさかの出来事

バッテリーを入れ、電源を入れる。全ての安全性を確かめ、回転翼に動力を伝える。甲高い音とともにフワッと浮上する。東に向けたまま、バックしながら上昇させる。稜線なので、白出沢の上あたり。しばらくホバリングさせた時だった。急に操縦が効かなくなり、高度が落ちていく。ほぼ自然落下の状態で落ちていった。操縦場所からはどこに落ちたかは確認できないが人はいない場所、というか、そもそも、人が行けない場所かもしれない。

モニターには何も映っていない。浮上させるためにレバーを倒しても上がって来ない。

ドローンは落ちたが、私も落ち込んだ。

見えるかもしれない場所まで移動してみた。ちょうど小屋の裏、白出沢の下山口あたり。見回すと、赤いランプがチカチカと光っていた。あれだ。ここから40mくらい下に落ちていた。白出側は斜度はあまりない斜面、雪も積もってない岩場にドローンは引っかかっていた。

日の出の撮影は常に何かあるなと、元旦の件を考えていた。

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この裏の登山道は行った事がないし、落ちた場所は登山道とは少し離れているようだ。はたしてたどり着くだろうか。取り敢えず、行けるところまで、装備を整えて降りてみる事にした。ドローンのランプがいつ消えるかわからない。目印として現場の写真を撮り、一旦部屋に帰り、身支度を整える。昨日の奥穂高よりはるかに緊張している。アイゼンをつけ、ロープを巻いて途中までは登山道、そこから右にトラバースしながら降りていく。実際下ってみると斜面も大丈夫そうだ。ドローンが目視できる。逆さまになっておちていた。手に届く所まで来てホッとする。アームは折れてペラも折れたり無くなったりしている。上では相方が心配そうに見ているので手を振って答える。ザックに回収し、来た道を登る。相方のいるところまで戻ってきた。安心した。機体は壊れたが、昨日のデータは回収できた。機体があれば保険がきくし。

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穂高岳山荘にもどる。

朝食

ちょうど朝ごはんにも間に合った。一人だけなんだか熱いものをいだきながら食卓についた。朝ごはん前だけに「朝飯前」とはとても言えない緊張感だった。

お陰で朝ごはんはコレまた何杯食べただろう。お腹いっぱい食べた。

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さて、今日はここから涸沢まで戻り、徳沢まで降りる予定。復路の始まりだ。なんだか切なくなる。 

 支度を整え、穂高岳山荘を出る。遠く下にみえる涸沢のテント場、取り敢えずそこに向かう。

涸沢へ

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7時過ぎ、ロープで相方とつながり、ゆっくり降りていく。下りは心拍は上がらないが足にかかる負担は大きい。雪山ではザクッと足が雪に埋まる。そして登りのときよりもステップあとが乱れている。

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天気は良好。例によって暑くなりそうだ。登る人たちとすれ違う。みな、息が上がっている。昨日の自分たちだ。山頂ではきっといい景色が見れる、ただそれだけのために登るのだろう。今見ている私達を明日は我が身と思ってがんばっていただきたい。

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先頭に相方、そして後方に私。ロープはつないでいてよかったと思うことが、4回あった。足を滑らせ、シューっと滑落する相方を何度も引っ張って耐えた。傾斜は緩やかなので、ほっといても勝手に止まるだろうし、なんなら滑ったほうが早く下につくだろうが、そんなことをしたら二度と口を利いてくれなさそうなので、しっかり確保した。

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私も一回スッテンコロリンしてしまったが、ふたりとも無事涸沢につきそうだ。自分たちのテントが認識できた。その隣で手を降っている二人組がいた。間違いなくK氏コンビだ。なんという暖かい人たちなんだろう。こちらも手を降って答える。なかなか近づかないのがもどかしい。

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涸沢に帰還

9時、ようやくテントに戻ってこれた。4人で喜びを分かち合う。暑い中苦労しており高いがあった。と思ってたところ、二人が冷たいゼリーをくれた。なんという優しさだろう。これでも100gほどする。これをここまで運び上げるのには必ずカロリーを使っている。それなのに何のためらいもなくくださった。この御恩は忘れませんよ。

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その後、K氏らの出発を見送った。彼らは先に徳沢に降りた。私達はまだテント等の片付けがある。そもそも少し休憩したい。片付けしながら壮大な景色を目に焼き付ける。サングラスを外すとホントに目が焼けてしまいそうなくらいの天気だ。

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テント場の雪ブロック

そういえば一昨日だっただろうか。テントの周りを囲う雪のブロックをしこたま丁寧に積んでいる人たちがいた。結構な重労働、私ならば適当なところで切り上げてしまうところだが、彼らは真四角な同じサイズの雪のブロックを丁寧に積み上げ、さらに上面を削って天面をまっすぐにし、そして次のブロックを積んでいく。1時間以上続けているその姿は札幌の雪まつりの作業のようだ。とうとう彼らは四隅の上にそれぞれ特徴ある長いブロックを積んだ。それは中が空洞にくり抜かれている。もう城壁のようだった。テントが見えない。あそこの土地に次に入る人はお得物件だ。いや、K氏達と私達が作ったこの物件もなかなかのものだ。

荷物、なんで減っているはずなのに来たときよりかさばるのだろう。不思議だ。行きもパンパンだったので不安だったがなんとかザックに収まった。下山は膝に来るので慎重に降りなければならない。きっとペースは遅くなるが、徳沢まで何時でもいいから降りきればいいのだ。頑張ろう。

徳沢へ

12時、下山開始。やはり午後なので雪はズブズブだ。ゆっくりゆっくり降りる。はっきりと膝に痛みが伝わる。非常に痛い。荷物が負荷になりさらに膝に来る。マイペースで降りていく。相方には申し訳ないが、前回六甲山でやってしまった膝は完治せず今に至る。ロキソニンジェルを患部に塗っているので、多少はマシな気がするが、定かではない。冷蔵庫のライト、ドアを閉めたら本当に消えているのかを確かめる手段が容易ではないのと同じだろうか。

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元気に駆け下りる人たちに道を譲りつつ降りていく。行きも帰りも苦しいこの涸沢の沢、よくよく見ると絶景だ。写真を後で見ると気がつく。

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振り返るたびに、穂高が遠く、小さくなっていく。アイシャルリターン

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ここからは足元を見ながら、気を引き締めて一歩づつ歩いていく。

千里の道も一歩から。そのうち着くさ、まずは横尾へ。

本谷橋がある場所までは雪渓歩き、そこを越えると、細い登山道に入る。

すれ違う登山者も少ない。細い登山道は避けただけで落とし穴があったりするので、たへんだ。そうなる確率が少なければ良いに越したことはない。

そこから1時間後、14時、無事、横尾までたどり着いた。ひとまず休憩。

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肩の荷が下りるとはこのことか、ザックを下ろすと、スーッとする。

あとは平地をのんのこ歩いて1時間、それで今日の行程は終わるはずだ。

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夕ご飯のことだけを考えながら、歩くこと1時間、愛しの徳沢キャンプ場が見えた。

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と同時にK氏に電話をしたら大きく手を降って答えてくれた。何度再会しても気持ちが良い。

さあ、ごはんごはん。

 

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