私達の先に3組以上いるはずだが、そのうち二組は奥穂高岳まで行くらしいというのを確認している。無事怪我なく着いてほしい、と思うくらい雨で足元が滑りやすい。
独標からの急な下りは気持ちを切り替え、身を引き締めるのにちょうどよい。
チラホラと存在する白ペンキの丸印が、「ああ、山に来たな」と思わせてくれる。
ピークとピークの間は細尾根を渡る。下の霧が濃く高度感がないので、見晴らしがない残念さと怖くない安心感がある。
花
厳しい環境に咲く花を愛でる。いつの間にか、一年のうちにお花が好きになってきた気もする。そんな人、多いのではなかろうか。
尾根を越えると、またピークを越え、そこに必ず数字がペイントされている。そしてピークを降りる。これを繰り返す。
ピーク、花、愛でる、を繰り返す。
なんとなくヤバい道も落ち着いて通ると大丈夫。
ボルダリングの下りの練習はやっほうが良いと、実感。
ピラミッドピーク
主要なピークには飽きさせないためか、お名前が着いている。8峰はピラミッドピーク。
越えるとまたお花畑に癒やされる。
森林限界ギリギリでお花が群生しているのが、不思議というか、素敵だなと思う。
言うなれば、言うならば、なんだろう。わからない。
と思っていると、またピークに登るための壁面に挑む。気持ちの切り替えが面白い。
朝、そして雨上がりということで、岩が冷たい。
7峰
見落としがちな「7」登りきったところにある。
霧が晴れると、谷に雪が残っているのが見える。
越えるたびに、主峰はまだかなーと思いを馳せる。
アップダウンはあるものの、総じて平坦なルートなので、西穂奥穂の序盤と考えると、西穂高岳まではちょうどよい行程か。逆コースは気分的に盛り上がらないかもしれない。
たぬき岩
たぬき岩、そんな物は見当たらないが。
そんなことはさておき、先に進む。天気は晴れることもなく、霧に包まれたままだ。
また晴れた日に巡り会えるだろう。今日は今日の山をゆく。
ガシガシと越えていく。
チャンピオンピーク
少しおひさまが出てきた。
んあ?あれか?あれなのか?
たぬき岩?
そろそろ、本気で岩場だらけになってきた。メインディッシュがまっている。
いざ主峰へ
ツルッとしたスラブは雨で余計につるつる。だが、クラックがたくさんあるので大丈夫。
お花が迎えてくれる。
そして着きました。西穂高岳。
西穂高主峰
はっきりしない天気に満足はできないが、それでも霧が晴れてきたら瞬間に見える景色は壮大で、「来てよかった!」と思う。
時間はあるので、しばらく寝る。
待てばなんとかというのだろうか、ほんとに一瞬、槍ヶ岳が見えた。
すうーーーっと
もうこれで満足。
さあ、下山。